
「刺身」や「お寿司」は、子供が喜ぶ食事の一つ。とはいえ、生魚などの寿司ネタは、何歳から食べていいのか気になりますよね。
そこで今回は、子育て両立・共育支援事業を行う「エスキッチン」で食育サポーターとして活躍する管理栄養士の山田めぐみ(やまだ・めぐみ)さんに、刺身や寿司ネタを食べられる年齢や食べさせるときの注意点、食中毒、アレルギーなどについて聞きました。
生魚は何歳から食べてOK?
刺身や寿司ネタの生魚は、何歳から食べられるのでしょうか?

「何歳からOKという明確な決まりはありませんが、食品安全委員会では、3歳未満は控えるように推奨されています」
なぜ3歳未満は控えた方がよいのでしょうか?
「消化・吸収機能や免疫機能が発達途中の小さな子供の身体は、細菌や寄生虫による食中毒やアレルギーを引き起こしやすいことが一つの理由だと思います。身体の機能が未発達な子供が生魚を食べると、免疫機能が過剰に反応してしまい、アレルギー症状が出やすいと言われています」
「乳歯が生え揃う3歳頃になると、胃や腸の消化・吸収機能と共に、免疫機能も発達してきます。そのため、3歳以降であれば、食べられるものが増えていきます」
魚卵は何歳から食べてOK?
イクラやタラコ、とびこなどの「魚卵」は、何歳から食べて良いのでしょうか?

「魚卵も子供に与えるのは、3歳以降が望ましいですね。イクラやとびこ、タラコ、シシャモの卵、ワカサギの卵、カズノコなどは、塩分量が多いものがほとんどなので、消化器官への負担を考えると3歳以降が良いと思います」
魚卵にもアレルギーの心配はあるのでしょうか?
「はい、魚卵もアレルギーを発症しやすい食品です。とくに、1歳〜3歳は発症率が高いので、アレルギーの観点からも乳幼児期の摂取はおすすめしません」
卵アレルギーがある場合は、魚卵も食べない方が良いのでしょうか。
「鶏の卵と魚卵では、アレルゲンが異なります。卵アレルギーだからといって、魚卵を避ける必要はありません。反対に、卵アレルギーがないからといって、魚卵のアレルギーがないわけではないので、初めて食べさせるときは少量から与えて様子を観察してください」
エビやカニ、青魚は何歳から食べてOK?
エビやカニなどの甲殻類は、何歳から食べられますか?

「エビやカニは重篤なアレルギー症状を起こしやすい食品の一つです。生で食べさせる場合は、やはり3歳以降がおすすめです。火を通した場合は、2歳頃を目安に少量から食べさせてみましょう。エビは加熱すると弾力が増すので、小さく切って与えましょう」
タコやイカはどうでしょうか?
「タコやイカなどはアレルギーに加え、噛むのが難しいネタなので注意が必要です。うまく噛めずに飲み込もうとすると、誤嚥につながるので、子供自身の噛む力がポイントになります。目安としては、3歳半頃からが安心です。普段の食事できちんと噛めているかをよく見て、小さく切ってから食べさせてみましょう」
イカや青魚などは、食中毒の危険性もありますよね。
「イカや青魚など特定の食品には、アニサキスと呼ばれる寄生虫が存在することがあります。生きた寄生虫が付着している状態で食べてしまうと、食中毒を発症します。適切な冷凍処理をしていれば安心して食べられますが、生の場合は大人でも注意が必要です」
「なかでもサバは、アニサキスが付着している可能性が高く、食中毒の報告数も多いので特に注意が必要です」
【アニサキスに注意すべき主な食品】
・サバ
・イカ
・イワシ
・ニシン
・カツオ
・サンマ
・サケ
【年齢別】食べられる寿司ネタ一覧
年齢別に食べられる寿司ネタをまとめて紹介します。

「離乳食が終了した1歳半頃からは、玉子や納豆巻きなど生ものではない食材を選びましょう。巻物の海苔を上手に噛み切ることが難しい時期は、喉に詰まりやすいので、無理に一口で食べないように、目を離さないようにしましょう」
「2歳頃からは、エビや穴子などの加熱したネタであれば、食べさせてもよい時期です。ただし、加熱してあるからといって、噛み切りづらいお肉などは注意が必要です」
「3歳頃からは、マグロやタイなど、少しずつ生魚を与えてみましょう。弾力のあるものは飲み込めるかが不安な時期なので、しっかりと噛んで飲み込める食材がおすすめです。赤身や白身魚などの柔らかい魚から与えるのがいいと思います」
「イカやタコ、貝類などの噛み切りにくいものは、乳歯が生えそろって、しっかりと噛む力がついた3歳半頃からが理想です。最初は、子供が飲み込むまでしっかり見守ってあげましょう。赤身・白身魚を問題なく食べられるようになったら、アジやイワシなど青魚にもチャレンジしてみましょう」
刺身・寿司を食べさせるときのポイント
そのほかに、初めて刺身やお寿司を食べさせるときに気をつけることはありますか?
「初めて生ものを食べるときは、病院が開いている時間帯がベストです。なるべく子供の体調の良いときに、新鮮なものを1種類だけ与えてみましょう。少量にして、子供の様子を見ながら無理のないペースで進めていきましょう」
「また、年齢に限らず、塩分の摂りすぎにつながるので醤油を付けすぎないこともポイントです」
アレルギーや塩分量だけでなく、誤嚥にも気を付けて、少しずつチャレンジしていきたいですね。
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