夏は子供と海水浴やマリンスポーツを楽しむ機会が多くなりますよね。熱中症対策はもちろんですが、子供の命を守るライフジャケットの着用は近年重要性が高まっています。
そこで、鎌倉で長年ライフセーバーとして活躍している林亮太さんに、ライフジャケットの重要性や選び方、装着方法などについて聞きました。
ライフジャケットは装着しないとダメ?

●海に入るときはライフジャケットを付けた方がいいのでしょうか。
「海でのレジャーや川遊びなどをする場合は、ライフジャケットの装着を推奨しています。残念なことに、毎年海での事故は発生しています。足が付かない水辺や泳ぎに不安がある方はもちろん、浮力を得られるので、命を守るためのツールとして安心です」
「鎌倉の海でライフセーバーとして海での事故防止に努めていますが、私のところでも数に限りがあるものの、無料で貸し出しています」

以前に比べて装着率は増加傾向にあるものの、残念ながらまだ装着していない人も。国交省では、小型船舶からの海中転落時のデータとして、 着用の有無で生存率が4倍ほど向上しているとの報告もあり、ライフジャケットの着用は子供の命を守るためにも必須と言えそうです。
ライフジャケットの種類は?

●ライフジャケットはどんな種類があるのでしょうか。
「大別すると、浮力素材が入ったベストタイプ(浮力体式)と、ヒモを引っ張ると膨らむタイプ(膨張式)に分けられます。膨張タイプは、ヒモを引っ張る手間があるので、子供にはベストタイプがおすすめです」
「また、国の安全基準をクリアした証となる『桜マーク』が印字されているものを選んでください」
●桜マークとはなんでしょうか?
「国土交通省が安全面において基準をクリアしたもので、その証として桜マークが裏のラベルに印字されています。また、一つひとつに“国土交通省型式承認番号”も印字されています」

桜マークの有無は、ライフジャケット選びの基準になりますね。
子供におすすめのライフジャケット&装着の注意点

●子供におすすめのライフジャケットはありますか?
「装着しやすい桜マークがあるベストタイプで、ベルト調整できるものがおすすめです。また、蛍光色などの目立つ色の方が、目に付きやすいのでいいですね。なかには、反射板がついているものもあります」
●何歳くらいから装着するのがいいのでしょうか。
「サイズ的には身長80cmぐらいからあるので、2歳ごろから装着できると思います。年齢というよりは、ライフジャケット裏に推奨年齢や体重、身長が記載されているので、そこで確認するのがいいと思います」
●装着するうえで注意する点はありますか?

「調整ベルトで体にフィットするように調整する必要があります。また、小さなお子様だと上からスポッと抜けてしまうこともあるので、股部分のベルトもきちんと締めることが大事です」
長く安全に使うためのポイント!
●ライフジャケットはどこで購入するのがいいでしょうか?
「命を守るものなので、可能であれば実店舗で試着してきちんと体にフィットしたものを選ぶのがいいですね。スタッフと相談しながら決められるメリットもあります。釣具店やアウトドア商品を扱うショップなら、桜マークの付いたライフジャケットをそろえていると思います」

●買い替えの時期などはありますか?
「使用頻度や使用状況などにもよるので、具体的な時期は言えませんが、縫い目が破れていたり、バックルが破損していたり、体にフィットしなくなったら交換してください。また、メンテナンスも大事で、使用後はきちんと汚れをとって陰干しするといいですね。チャックがあるものだと、海水でサビてしまうこともあります」
子供の命を守るライフジャケット。大きな事故を避けるためにも、しっかり着用して海のレジャーを楽しみましょう!