磯遊びは、時間を忘れて子どもと自然と戯れることができる遊びのひとつ。でも、ゴツゴツした岩場は、ビーチサンダルに水着ではケガの危険が…。そこで、磯遊びの楽しみ方と注意点について、千葉県立中央博物館分館海の博物館(千葉県勝浦市)に伺いました。
まずは、磯遊びに行く際の服装の注意点とあると便利な道具を紹介します。
紫外線&暑さ対策をするのは海水浴と同じですが、磯遊びは岩場を歩くのでケガにも注意が必要です。また、磯遊び中は下を向いている時間が長いので、首すじや耳の後ろの日焼けにも注意しましょう。帽子に首を覆う布がついていればベストですが、ない場合には、タオルなどを首に巻くのも手です。
「磯遊びでは、安全と法令順守が第一です。適した場所は、波が穏やかで、干潮時に高低差が少ない広い岩場が出る場所です。また、漁業者等の権利者が立ち入りを認めている場所でなくてはなりません。近くにトイレや洗い場、駐車場等が整備されているとより良いでしょう。違法駐車等は厳に慎みましょう。」
上記の条件を満たしている場所は、ガイドブックやウェブサイトなどで紹介されているので、その中から選ぶと安心安全です。なお、今回取材をした海の博物館の目の前の海岸でも磯遊びをすることができます。
「磯遊びの日時を決めるのに重要なことは、当日の干潮の時刻と潮位です。特におすすめなのは最も潮位の差が大きくなる大潮の日。干潮時は、潮間帯が広く干出し、普段水の底になっている場所を歩くことができます。時間としては、最干潮の前後1時間くらいが最適。ただし、干潮をすぎると急速に潮が満ちてしまい、気付くと磯に取り残されていたということになりかねません。なるべく最干潮時刻には観察を終えるように決めておきましょう。」
干潮の時刻や潮位を記した潮汐表は、海上保安庁が刊行している他、簡易なものは釣具店などでも入手できます。ウェブサイトなどでも調べることができるので、参考にしましょう。
海から帰ってきた後に、どのようなことをすると遊びが将来に繋がるでしょうか?
「海でどのようなことを発見したり感じたりしたかを家族で整理をしましょう。図鑑で調べながら観察した生物について話したり、感想文や印象に残った場面の絵を描いたりして、磯遊びの内容や磯遊びを皆で再度思い出すような場を持つと良いでしょう。」
子どもが何に興味を持ったかを把握することで、次の関心につなげることができそうですね。夏休みの自由研究にもぴったりな磯遊び。今年の夏は親子で磯遊びに出かけてみてはいかがでしょうか。
※参考資料
「磯の生き物観察会実施マニュアル」(千葉県立中央博物館分館海の博物館編集・発行)
磯遊びの服装の注意点&あると便利な道具
磯遊びとは、干潮時に干上がった岩場にいる生物と触れ合って楽しむこと。体ひとつで自然に親しむことができます。まずは、磯遊びに行く際の服装の注意点とあると便利な道具を紹介します。
服装の注意点
- 帽子…日射病や熱射病を予防するため必ずかぶる
- 服装…日焼けやケガを防止するため、肌をあまり露出しないようにする
- 軍手…手のケガを防止するためにあると良い
- 靴…滑りにくく、濡れても良い靴(マリンシューズなど)や使い古しの上履き
紫外線&暑さ対策をするのは海水浴と同じですが、磯遊びは岩場を歩くのでケガにも注意が必要です。また、磯遊び中は下を向いている時間が長いので、首すじや耳の後ろの日焼けにも注意しましょう。帽子に首を覆う布がついていればベストですが、ない場合には、タオルなどを首に巻くのも手です。
あると便利な道具
- 箱めがね…水中の生き物を観察するのに便利。缶の底をくり抜き、ラップをかけて輪ゴムで止めると箱めがねの代用に
- たも網…生き物を捕まえる
- ピンセット…岩の間にいる生き物を採るのに便利
- 虫めがね…小さな生き物を拡大する
- ヘラ、テーブルナイフ…岩にはりついている生き物をはがす
- バケツ、水槽、バット…採った生き物を入れて観察する
磯遊びに適した場所
磯遊びはどんな場所で行えばよいのでしょうか。「磯遊びでは、安全と法令順守が第一です。適した場所は、波が穏やかで、干潮時に高低差が少ない広い岩場が出る場所です。また、漁業者等の権利者が立ち入りを認めている場所でなくてはなりません。近くにトイレや洗い場、駐車場等が整備されているとより良いでしょう。違法駐車等は厳に慎みましょう。」
上記の条件を満たしている場所は、ガイドブックやウェブサイトなどで紹介されているので、その中から選ぶと安心安全です。なお、今回取材をした海の博物館の目の前の海岸でも磯遊びをすることができます。
磯遊びに適した時間
せっかく磯遊びに行くなら、たくさんの生物を見たいもの。磯遊びに適した時間はいつなのでしょうか?「磯遊びの日時を決めるのに重要なことは、当日の干潮の時刻と潮位です。特におすすめなのは最も潮位の差が大きくなる大潮の日。干潮時は、潮間帯が広く干出し、普段水の底になっている場所を歩くことができます。時間としては、最干潮の前後1時間くらいが最適。ただし、干潮をすぎると急速に潮が満ちてしまい、気付くと磯に取り残されていたということになりかねません。なるべく最干潮時刻には観察を終えるように決めておきましょう。」
干潮の時刻や潮位を記した潮汐表は、海上保安庁が刊行している他、簡易なものは釣具店などでも入手できます。ウェブサイトなどでも調べることができるので、参考にしましょう。
遊ぶ前に家族で知っておくべき注意事項
磯を目の前にすると、子どもはすぐにでも飛び出してしまいがちですが、必ずこれから遊ぶ場所を見ながら、家族で守るべきことを確認しましょう。観察前に伝えるべき注意事項
- 危険な場所…すべりやすい場所、海岸のがけの下、波当たりの強いところには絶対に近づかないようにしましょう。また、遊ぶ範囲を決めて遠くに行かないようにしましょう。
- 危険な行為…泳いだり、走ったりするなどの危険な行為を行わないようにしましょう。
- 危険生物…ハオコゼ、ゴンズイ、ウツボ、アカクラゲなどの危険生物は毒をもつものも多く、間違って触れたりすると思わぬ被害を受ける場合も。事前に図鑑などで危険生物を子どもとともに確認しておくと安心です。
- 採ってはいけない生き物…磯には通常共同漁業権が設定されていて、一般の人の採取できる海の生き物や採取方法が定められているので、むやみに生物を採らないように注意が必要です。観察が終わったら生物は元いた場所に戻しましょう。
- 体調管理…日射病、熱中症などに十分注意し、常にお互いの体調を気遣うようにしましょう。日射病、熱中症は、海から上がった後に発症することもあります。炎天下で遊んだ後は、一日体調に気をつけましょう。
磯の生物の探し方
生物には、それぞれ棲むのに適した場所があり、その場所を探すことが生物を見つけるコツ。磯の生物を探して観察するポイントを紹介します。岩肌をじっくり見る
潮間帯の岩は、海藻、カイメン、貝の仲間など、いろいろな生物に覆われています。一見岩のように見える部分を良く見てみましょう。色や形、手触りなどが岩とは違うことに気付くはずです。潮だまりをそっとのぞく
潮間帯に海水が取り残された水たまりを潮だまり(タイドプール)と呼びます。小魚など多くの生き物が見られます。箱めがねを使ってそっとのぞいてみましょう。岩の割れ目や石の下を探す
そっと割れ目をのぞいたり、石をひっくり返すと多くの生物がかくれています。ひっくり返した石は、必ず元に戻しましょう。海藻の茂みの中を網ですくう
水中に生えている海藻の茂みの中には、たくさんの生物が潜んでいます。身動きしないでじっと観察する
動かずにじっと磯を眺めていると、カニやヤドカリなどの小さな生物が動きだし、見つけることができます。磯遊びの後は、親子で発見や感動を共有しよう
海から帰ってきた後に、どのようなことをすると遊びが将来に繋がるでしょうか?
「海でどのようなことを発見したり感じたりしたかを家族で整理をしましょう。図鑑で調べながら観察した生物について話したり、感想文や印象に残った場面の絵を描いたりして、磯遊びの内容や磯遊びを皆で再度思い出すような場を持つと良いでしょう。」
子どもが何に興味を持ったかを把握することで、次の関心につなげることができそうですね。夏休みの自由研究にもぴったりな磯遊び。今年の夏は親子で磯遊びに出かけてみてはいかがでしょうか。
※参考資料
「磯の生き物観察会実施マニュアル」(千葉県立中央博物館分館海の博物館編集・発行)