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専門家に訊いた!3歳児のおでかけバイブル

掲載日: 2014年8月30日更新日: 2015年8月28日いこーよ編集部
理解できる言葉や理性的な行動が増え、多くのことが自分でできるようになる3歳児。色々なことに興味を持ち始めたので、好きなことを思いっきりさせてあげたいけれど、自主性に任せるには、まだまだ不安が付きまとうパパ・ママさんも多いはず。そこで、いこーよでは3歳児とのお出かけを楽しむためのコツを発達心理の専門家の石崎先生、保育現場の専門家の佐藤先生、外遊び専門家の栗田先生の御三方にお話をお伺いしました。

言葉を理解し、ぐっとお出かけしやすく

3歳になると、これまでの「ワンワン 来た」などの二語文から、「ワンワン こっちに 来た」というような三語文を話すようになり、言葉も飛躍的に増えるため、コミュニケーションがしやすくなります。2歳時代の強い自己主張もひと段落し、道筋や順序の理解も出てきて、「今、これを我慢をすると、後で楽しいことがある」といった、考え方もできるようになってきます。車や電車での遠くまでのおでかけがしやすくなる時期です。

また、体の動きもダイナミックになってくるので、ブランコや滑り台などの遊具を使った遊びにも興味がでてきます。たびたび公園で出会う同世代の子と友達になって、一緒に遊ぶこともできるでしょう。そんな時には、親同士も軽くコミュニケーションを取りながら、見守ってあげることが大切です。

しかし、いくら聞き分けが良くなって来たと言っても、子どもにとっては長い時間チャイルドシートに座らなければならないことや、電車で静かに過ごさなければならないのは苦痛と感じることがあるかもしれません。チャイルドシートは、子どもによっては怖いと感じる子もいるので、ママが隣に座って手を握っていてあげるなど、恐怖心を取り除く工夫をしてあげましょう。また、電車では、立ったままでもできる簡単なゲームを一緒に楽しんだり、子どもが興味を持つ物語を話して聞かせたりするなど、退屈に思える移動時間も、楽しく過ごせる工夫をすることを忘れないことも大切です。

3歳のお出かけ行事「七五三」

7歳、5歳、3歳の子どもの成長を祝って、神社にお参りする行事。11月15日ですが、家族の都合に合わせて10月中旬から11月中旬くらいまの土日に行うことが多いようです。最近では満年齢に合わせて行われることが多く、3歳の場合、地域によっては女の子だけがお祝いする場合と、男女ともお祝いする場合とがあります。男の子は羽織袴、女の子は着物の上に袖無しの「被布」と言われる上着を着るのが一般的です。

最近では写真館で衣装までレンタルしてくれる場合もあり、着付けから写真撮影まで一度に済ませることもできます。親や祖父母の服装は、カジュアルは避けて、母親は和装なら、訪問着、附け下げ、色無地など、洋装ならスーツやワンピースを。父親はダークスーツなどが無難です。神社でお祓いを受ける場合、事前予約が必要な場合もあるので確認を。

3歳児に適した自然遊びとは?

未舗装路など不安定な場所を歩くことがバランス感覚をつける土台にもなり、歩くこと自体を楽しめるようになります。アスファルトの上では歩かない子も、未舗装路のハイキングコースだとたくさん歩くことも。また、葉っぱや枝などを何かに見立てて遊んだり、ゲームをしなくても、「そのものを味わう」姿をよく見ます。成長のリズムに幅がある時期なので、無理に「やること」を押し付けず、自発的に興味を示すものを見つけましょう。(栗田先生)

パパ・ママの気になるお悩みに専門家がアドバイス!

緊張でトイレを失敗します。どうしたらいいでしょうか?

「外出の時に失敗してしまう心配がまだあるなら、恥ずかしい思いをさせるよりも、『おでかけの時だけオムツつけようね』と子どもに説明すればいいと思います。また、トイレトレーニング中からこの時期まで、大事なのは、子どもをよく観察し、尿間隔を把握すること。子どもは成長するにしたがって、尿間隔も長くなるので、常に観察して、『うちの子は1時間は大丈夫』『1時間半は大丈夫』とその時の尿間隔を把握するようにしましょう。それをせずに、むやみにトイレに誘うのは、子どもにとってはかえって負担になる場合もありますね。」(佐藤先生)

外出のときのしつけや、親が気をつけることはありますか?

「3~4歳の頃に教えるマナーやルールは、成長するにつれて増えていくルールの基盤になっていきます。ここできちんと教えておくことが大切です。ただし、その時に上から目線で『ダメ』というだけでは、なかなか伝わらないですね。子どもの目線に合わせて、子どもを尊重し、意見も聞いた上で、どうしてダメなのかをきちんと説明すること。そういうことを繰り返すことによって、親子の信頼ときずなが結ばれ、信頼している大人の視点で善悪を判断できるようになり、自分への自信を養うことにもつながります。」(佐藤先生)


自主的な行動は見守りつつも、不安や恐怖は取り除いてあげる。お出かけを通じて、子どもの考えや行動を尊重して親子の信頼関係を築きあげていくことが、この時期のお出かけを楽しむことコツであり、同時に子どもの成長に繋がることなんですね。
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お話を聞いたのは…

  • 栗田朋恵(登山ガイド)

    トレッキングガイド(登山ガイド)。長野県北アルプスのふもとで生まれ育ち、トレッキング、スノーシュー、シャワークライミングのガイドなどの経歴をもつ。現在は、故郷の白馬山麓と嫁ぎ先の神奈川県鎌倉市をフィールドに、アウトドア誌やサイトなどのメディアで記事監修するなど、アウトドアレジャーの活動をしている。また、「外あそびtete」の主宰として、2歳から参加できる「おやこ山えんそく」など親子向けのアウトドアイベントなどを開催。4歳の男の子とともに鎌倉で自然遊びを楽しんでいる。

  • 佐藤佳代子(子育て子育ちアドバイザー)

    子育て子育ちアドバイザー。区立保育園に27年間(うち16年間園長)勤務。子どもたちの生きる息吹の素晴らしさや「保育と家族」「地域の中の保育」の重要さを体験。1,200人以上の園児と関わった後、宝仙学園短期大学保育学科、淑徳幼児教育専門学校で教鞭を執り、現在は子どもの文化学校で講師を務めながら豊富な経験を活かし、各地で講演や講義などを行っている。

  • 石崎一記教授

    東京成徳大学応用心理学部健康・スポーツ心理学科教授。専門は発達心理学、環境教育など。自然の中で遊ぶ体験が、子どもの発達にどのように影響を及ぼすかについて研究を行っている。ネイチャーゲームの指導法や理念を教える、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員も務める。

ライター紹介

いこーよ編集部

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