理科の教科書などで見た雪の結晶が、身近な道具で自分でも簡単に観察でき、さらにデジカメで撮影できるってご存じですか? 自然の神秘を自分の目で観察することで、子ども達の好奇心が刺激され、自然や科学への興味が湧いて来るかも!

まずは、雪の結晶と雪が降るメカニズムを理解しておこう!
雪の結晶を観察する前に、まずは雪の結晶について知っておくことが大切です。実際、子供たちに「なんで雪は降るの?」と質問されたら、オロオロしてしまうパパやママも多いのでは? そこでまずは、子供に質問されても困らないように、雪の結晶と雪が降る仕組みをしっかり学んでおきましょう。
【参照】あなたはいくつ答えられる?子供の素朴な冬の疑問雪の結晶に全く同じ形のものは存在しない!?

「そもそも、雪の結晶とは小さな水滴が空気中の細かいチリなどの周りに氷結したものなんです」とは蓼科・八ヶ岳国際自然学校の白井徹さん。
雪の結晶といえば、よくイメージされるのが六角板状や六角柱状のもの。でも、核になるチリや気象条件によってでき方が異なるため、全く同じ形のものはできないんだそうです。

「地上数千メートルの上空でできた雲の中には、低温になっても結晶しない(=氷にならない)小さな水滴がたくさんあります。それが、チリなどに触れるとそのショックで氷になってチリを中心に次々と成長します。これが雪の結晶です。」
「気温が高いと地上に降りてくるまでの間に融けて雨になってしまいますが、結晶ができてから地上に落下するまで4度以下くらいの寒さだと凍ったまま雪として降ります。この降ってくる途中の温度の違いなどにより、結晶の形が決まります。」
身近なものでOK! 手軽に雪の結晶を観察
雪と雪の結晶の基本がわかったところで、いよいよ雪の結晶の観察へ。観察のために準備したいものは以下の通りです。
<観察のために必要なもの>
・ルーペ ・黒い布 ・カメラ
・マクロレンズ(接写リング)※デジカメの接写モードでも可
(100円ショップなどでも販売されています)
<用意した方がいいもの>
・温度計 ・観察ノート ・防寒着
必要な物が揃い、しっかり防寒対策ができたら、結晶を観察に出かけましょう!
「雪が降ってきたら、まず黒い布を外に出し、布が外気温ぐらいに十分に冷たくなったら観察の準備はOKです。布を冷やしておくことで落ちた雪が融けにくくなり、また色は黒い方が白い雪の結晶が観察しやすいのでおすすめ。雪が融けやすいので、観察は日陰で手早く行うのがポイントです」
降っている雪を布でキャッチしてルーペで見ると、よりキレイな状態の結晶が見られるとのこと。雪がもう降っていない場合は、雪の結晶を壊してしまわないように積っている雪をハケなどで掃くようにしてそっと布にのせるようにしましょう。
「ここまで本格的でない場合も、降雪の気象条件さえあえばウエアに付いた雪の結晶などを手軽に観察することもできるので、ぜひ試してみてください」
記録&写真でその日の雪の結晶を記録しよう!
実際の雪の結晶が見られたところで、せっかくだからその記録や写真で残しておくのがおすすめ!
「記録の方法は色々ありますが、まずはルーペで観ながら観察ノートに雪の形をスケッチしてみましょう。その際、その日の気温も一緒に記録しておくといいですよ。」
「またカメラで写真を撮影する際は、マクロレンズ(接写リング)を使用するのがおすすめです。手元にない場合は、口径の大きなルーペを使い、それを通してカメラで撮影するという方法もあります」
その日、その日によって変わる雪の結晶。その時々の形の違いを親子で観察し、楽しんでみるのもおもしろそう。子どもの頃からこうした日常の現象をより深く知ることで、理科や科学への興味が湧くきっかけになったり、さらにはリアルな自然美に親しめるよい機会にもなるかもしれませんね。
雪を学べるスポット:中谷宇吉郎 雪の科学館(石川県)

中谷宇吉郎は、世界で初めて人工的に雪の結晶を作りだした加賀市出身の雪博士。「中谷宇吉郎 雪の科学館」では、雪と氷の実験・観察などの体験も楽しめます。
「中谷宇吉郎 雪の科学館」の詳細はこちら「いこーよ」雪遊び特集もチェック!
キッズパーク、キッズゲレンデ、ソリゲレンデなど、安全に囲われた専用スペースで安心して雪遊びができるスポットがいっぱい♪ また、子どもと一緒に雪遊びを楽しむためのさまざまなアイディアも記事でご紹介します!
