暑くても寒くても、まだ自分で脱ぎ着ができない乳幼児の服装選び。着せ過ぎに注意して、汗をかいたらこまめに着替えさせるなどの気づかいが必要です。そこで、冬の服装選びの3つコツを開業保健師の渡邉玲子さんに伺いました。

1:赤ちゃんは着せ過ぎに注意。外気に当たることも大切
子どもは新陳代謝が激しいため、大人と比べて平熱が高めです。親自身が寒いと子どもも同じく寒いだろうと思いがちですが、子どもと大人の体温の違いを意識しましょう。最近は冷え性に悩むママも多く、そのためか子どもに着せ過ぎの傾向があるそうです。
赤ちゃんとの外出は、抱っこ状態とベビーカーで使い分ける
「抱っこひもの中にすっぽり入るくらいの赤ちゃんの場合は、抱っこ紐の中でママと赤ちゃんの体温の相乗作用でかなり温度が上がるので、分厚い防寒着を着させる必要はありません。家の中での服装に1枚プラスするくらいで大丈夫。ママコートや抱っこひも用防寒ケープなどを使用すれば、親子とも温かくなります。
ただし、ベビーカーに乗せる時は、地面に近いほど気温が低くなることや、風が強いと体感温度が低くなることを配慮して、親よりも1枚多めに着させたり、ベビーカー用のフットカバーなどを利用するのもおすすめです。着脱しやすい防寒ケープを持ち歩いておくといずれの場合にも対応できて便利ですね」。

室内に入ったら、大人同様に防寒着は脱がせる!
「ショッピングモール内で、親がコートを脱いでも赤ちゃんだけ防寒着を着せたまま抱っこ紐の中に入れていたり、ベビーカーにビニール製のフードをかけたままにしてお散歩している様子を見かけますが、皮膚を風に晒す習慣をつけることも大事です。とくに気道の粘膜は外気を当てることで丈夫になるので、子どもが健康な時は外の空気に慣れさせておくと、風邪予防につながります」。
ついありったけの防寒着で完全ガードしたくなりますが、赤ちゃんは厚着の下で想像以上に汗をかいていることがあります。着せ過ぎに注意しましょう。
2:幼児には動きやすいベストタイプのアウターを重ね着

自分で自由に動き回れるくらいになったら、インナーを重ねすぎると動きにくくなることも。コートの下にベストを着せるなど、アウターを重ね着させたほうが動きやすく、脱ぎ着もしやすいそうです。
「よく、幼児は大人よりも1枚服を少なめになどと言われますが、必ずしも薄着にさせる必要はなく、基本的には親と同じ枚数で良いと思います。
ただ、インナーを重ねすぎると体が動きにくくなるうえ、汗をかいても脱がせにくいので、アウターで調整しましょう。アウターは長袖を重ねるよりも、ベストのほうが、腕が動きやすくてコーディネートの幅も広がるのでおすすめです。
ウール(毛)やアクリル、キルティング、ポリウレタン入りは温かいので、寒さにあわせて素材を選びましょう。また、せっかく厚着をしていても、ズボンの隙間からお腹がチラチラ出ている子を見かけます。お腹を冷やさないように、収縮性のあるリブが付いているズボンなども使用してみて下さい」。
3:子どもの個性や体質を見極めて、こまめに脱ぎ着を
子どもの服装は脱がせやすいものにして、汗をかいた時のために着替えを用意しておくのもポイントだそうです。
「汗で濡れたままの服で過ごしていると風邪をひいてしまいます。背中や、わきの下、おでこに汗をかいていたら、汗が乾いて体温を奪う前に、着替えをさせたり、乾いたタオルを入れてあげると風邪予防になります。
ただ、同じ空間で遊ばせていても、走り回って汗ぐっしょりになっている子とそうでない子がいますね。自分の子がどういうタイプなのか、性格や体質を見極めて判断して下さい。また、子どもが保育園や幼稚園に通っている場合は、施設の中がどれくらいの温度に保たれているのかなど、先生とコミュニケーションをとって毎日の服装を考えてあげて下さいね」。
天気や気温、移動手段や子供の体質によっても違いがあるので、『何度以下で何枚必要』など、決まった服の枚数があるわけではありません。子どもの状態をいつも気にかけて服の調節をしてあげることが大事なんですね。汗をかいているようであれば、「暑いよね。一枚脱ごうか?」と一声かけて脱がせてはいかがでしょうか?
子どもが小さいうちは、親がこまめに調節することで、将来自分で脱いだり着たりの判断ができるようになるのです。
快適な着こなしで冬の外遊びを親子で思いっきり楽しみたいですね!
冬休み・おでかけ特集

冬休みもおでかけ♪ キャラクターに会えるイベントや親子で楽しめるコンサートなど子どもが楽しめるイベントが目白押し! 屋内プールや屋内遊園地などアクティブに遊べるスポットも注目♪ スキー場での雪遊びも冬ならではの楽しみ♪
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