気づかないうちに繁殖するカビや雑菌は、放っておくと子どもの健康をおびやかす原因に…!そこで、家の中でも特にカビや雑菌が繁殖しやすい場所の正しい掃除方法を、All About「家事・掃除・子育て」ガイド 藤原千秋さんに教えてもらいました。第1回は「エアコン編」です!
エアコンの内部はカビだらけ!?

夏場にお世話になったエアコン。季節の変わり目に、ちゃんとお手入れをしましたか?
「夏に使ったきり放置しているエアコンは、内部にカビが繁殖しているものと考えてください。」
こう話すのは、All About「家事・掃除・子育て」ガイド 藤原千秋さん。カビは、エアコンの結露の水さえも栄養にしてどんどん繁殖するのだとか。つまり、掃除をせずに夏からほったらかしのエアコン内部は、カビまみれかも知れないということになります。そんな状態で冬に再びエアコンのスイッチを押せば、風に乗ったカビの胞子が部屋中に広がることになります。
「カビの胞子を吸い込むことは、健康な成人ならそれほど気にしなくても大丈夫かと思いますが、まだ免疫力が低い赤ちゃんの場合、肺炎を引き起こすケースもあります。子どもの健康を守るためにも、エアコンの掃除は大切なんですよ。」
カビ発生を防ぐ正しいエアコン掃除の方法

では、具体的に、どのような掃除をすれば良いのでしょうか?
「まずはフィルター掃除から。フィルターがきれいになれば、内部にほこりや汚れが入り込むのを抑えてくれますからね。」
藤原さんが教えてくれたフィルターの正しい掃除方法はこちらです。
- フィルターを外し、掃除機でほこりや汚れを吸い取る。
- 古い歯ブラシで、残った汚れをこすりながら水洗いする。水だけで汚れが落ちなければ食器洗い用洗剤を使って汚れを落とし水で泡を流す。
- 洗濯バサミなどに挟んで干し、しっかりと乾かす
中でも重要なのは、3の「しっかりと乾かす」こと。水分はカビの大好物なので、少しでも湿っていたら、またカビが生えてきてしまいます。
ちなみに、フィルターの掃除頻度の目安は、2週間に1回程度。毎回水洗いが無理なら、2週間に1度、掃除機でほこりを吸うだけでもエアコン内部が汚れにくくなるそうです。
エアコンの吹き出し口もチェック!水拭きはカビを増やすのでNG
また、フィルター以外にも、カビ予防のためにマメに掃除をしてほしい場所があると藤原さん。
「エアコンの吹き出し口もほこりやカビがたまりやすい場所。ただし、水拭きだけだと逆にカビに栄養を与えてしまうので、消毒用エタノールやキッチン用アルコールを使って掃除をしてくださいね。」
とはいえ、そんなに大がかりなことではなく、消毒用エタノールやキッチン用アルコールをテッシュペーパーに染み込ませてサッと拭くだけでOK!それだけで、カビの発生がぐっと抑えられます。
2年掃除をしていなければ専門業者に依頼

ただし、2年以上フィルター掃除をしていないエアコンの場合は、専門業者に依頼して内部清掃をしたほうがいいと藤原さんは話します。
「フィルター掃除を長期間怠っていた場合は、エアコン内部のいろんなところにカビが発生している可能性が大。しかし、エアコン内部は構造がとても複雑なので、むやみに手を出すと故障させてしまう危険性があります。」
市販されているエアコンの内部清掃キットなども、実は扱いが難しく、素人にはあまりおすすめできないのだとか。専門業者にお願いする方が、より安全・きれいに清掃できると言います。
エアコン清掃を業者に依頼するときの注意事項
「ひとつ注意してもらいたいのは、業者の使う洗剤は強力なものが多い点。強い薬剤は、逆に子どもの健康をおびやかす可能性があります。まずは『赤ちゃんがいる』ときちんと伝え、あまり強い薬剤は使わないでほしいとお願いすること。使用する洗剤の商品名を聞いて、自分で調べてもいいですね。」
業者を探す際、「赤ちゃんにも安心!」などと書かれているかどうかも目安の一つに。それでも、改めて「安全に」と伝えておいた方が安心なようです。
ちなみに、エアコン清掃を業者にお願いした場合の予算は、エアコン1台につき1万円〜2万円が相場。自動清掃機能が付いているエアコンは、より構造が複雑なので、もっと高くなるそうです。
10分の換気でエアコンのカビを防ぐ
エアコンにカビを発生させないために、掃除以外ではどんなことに気をつければよいのでしょうか。
「エアコンが吸い込んだほこりなどの汚れが、そもそものカビの原因。部屋の空気をきれいにすることが、エアコンの汚れ防止、ひいてはカビの予防につながります。そのためにも、まずは部屋の掃除や換気を心がけてほしいですね。」
換気の目安は1日に2回程度。窓を2カ所以上開けて、空気の出入り口を作るのがコツです。時間は、1回およそ10〜15分。それだけでも部屋にほこりがたまりにくくなるそうです。
ついついさぼりがちなエアコン掃除ですが、大切な我が子の健康のためにも、まずはフィルター掃除からはじめてみませんか?