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子供喜ぶ食育体験! 手づくり味噌で好奇心&味覚&理科好き育む

掲載日: 2014年12月26日更新日: 2019年3月25日高野 朋美

ひそかな人気となっている「味噌づくり」。実は、味噌の手づくり体験は、子供が科学に興味を持てる“学びの宝庫”なのです。楽しみながら子供を理科好きにしてくれて、味覚だって磨かれていく「手づくり味噌体験」。その魅力をお伝えします!

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味噌づくりは子供こそ楽しめる!

「味噌づくりって、大人より子供がすごく楽しめるものなんですよ」と話すのは、江戸時代から続く糀屋さん『糀屋雨風』の豊田実社長。

「味噌づくりは、まず、ゆでた大豆を指でつぶすところから始まりますが、つぶすという作業が子供にとっては楽しいようで、指先をどう使えば上手につぶせるのか、自然と考えるようです」

つまり、手・指の使い方が知らず知らずのうちに上達する、というわけですね。
手先をめいっぱい使って大豆をつぶしたあとは、蒸し米に麹菌を繁殖させた麹、それらに塩を加えてこね合わせ、ボール型に丸めていきます。

この作業が、粘土遊びの動きそのもの。お母さんやおばあちゃんと声をかけあいながら、おにぎりを作るように形成していきます。ほどよい大きさのボールを作るには、どれくらいの量を取ればよいのか、手で量を測る感覚も磨かれるそうです。

つぶしたり、丸めたりしているときには、大豆のいい香りもプ〜ン。五感がくすぐられそうです!


味噌づくりが子供の「なんで?」を刺激

ボールに丸めた味噌は、容器に入れて持ち帰り、3〜4ヶ月寝かせます。このとき活躍するのが、酵素や酵母などの微生物。大豆・米の成分を分解し、甘みや旨味を引き出す発酵が進んでいくのです。そして、あのまろやかな「お味噌の味」が出来上がっていきます。

「手づくりの味噌は、微生物の働きによって、毎日熟成が進んで味が変わっていきます。食べているうち、その変化を舌で感じられるんですね。すると『微生物のおかげで、味が変わっていくんだ!』ということが、子供にもわかってくるのです

なるほど! 子供が「なんで味が変わるの?」と聞いてきたときが、学びのチャンス。微生物の働きがどんなものか、一緒に調べてみるのも楽しいですよね。

「実は、スーパーなどで売られている味噌は、出荷するときに行う殺菌処理によって微生物が死滅し、時間とともに腐敗が進んでいきます。だから防腐剤が必要なのです。

でも手作り味噌は、微生物たちが生きているので、ずっと熟成し続け腐ることがないんですよ」(豊田さん)

微生物たちは気温や湿度によっても活動の具合が変わるので、手作り味噌を作るたび、味は毎回変わるのだとか。これもまた、子供にとっては興味津々だそう。子供の「なんでだろう?」の心を見逃さず、いっしょに味の変化を楽しんでみてはいかがでしょう。

味噌づくりで「子供の味覚」が育つ

味噌づくりに使用される材料は、大豆と麹、そして塩ととてもシンプル。長年日本で愛され続けてきた手作りの味噌には、よけいなものは入っていません。

「手作り味噌を食べた子供は、スーパーで売られている味噌とは味が違うと言い出し、手作り味噌ばかり食べるようになるんですよ」と豊田さん。食材そのものの味に触れることで、味覚が敏感になると言います。

化学調味料や添加物の入っていない昔ながらの味噌の味。自分たちで作った「マイ味噌」を通じて、子供に食べ物の「本来の味」を教えてあげたいですね

お話を聞いたのは…

  • 糀屋雨風

    1689年創業の老舗麹屋。国産の原料にこだわり、生麹・味噌・甘酒なども製造・販売。「手づくり味噌教室」は、希望があれば1人からでも参加OK。
    〒593-8322 大阪府堺市西区津久野町3丁32−11
    TEL:072-262-0333
    定休日:日曜(味噌づくり教室はこれに限らず)

  • 糀屋雨風
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ライター紹介

高野 朋美

1970年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」代表取締役。大卒後、新聞社で社会部記者を経験。子どもができたのを機に退職し、1年間は主婦&母の日々を送る。しかし「書くのが好き」という気持ちを抑えられずライターの道へ。保育園や学童へのお迎えにヒイヒイ言いながら子育てを乗り切る。日本酒が大好き。

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