2016年5月5日(木・祝)に開催された、子ども向けプログラミング教育推進運動『Hour of Code Japan こどもの日 1万人プログラミング』。今世界的に重要視されている「プログラミング教育」の現場体験レポートをお届けします。
全国約110カ所・1万2,633人の子ども達が同時にプログラミング!
「Hour of Code(以下アワー・オブ・コード)」は、2013年にアメリカのNPO「Code.org」が始めた、子どもたちにコンピューターサイエンス教育を普及させようという運動。今回のイベントを日本で主唱したのは「公教育でのプログラミング必修化の推進」をミッションに掲げている「一般社団法人みんなのコード(以下みんなのコード)」です。
「アワー・オブ・コード」のプログラミングってどんなもの?日本のプログラミング教育を推進する「みんなのコード」って?東京のメイン会場から日本全国110カ所に中継をつないで行われたこちらのイベント。総勢1万2,633人の子ども達が一斉にプログラミングに取り組みました!
著名人からの応援メッセージに、高まる参加者の期待
メイン会場である日本マイクロソフト株式会社 本社(東京都港区)に集まったのは、期待に胸を膨らませた約150名の子ども達。一緒に参加した親も合わせると、座りきれない程の人でいっぱいに!
イベント開始時間になると会場が暗転し、著名人からの応援メッセージがスクリーンに映し出されました。その著名人の顔ぶれが、何とも豪華です!
from バラク・オバマ氏(アメリカ合衆国大統領)
「携帯電話でただ遊ぶのをやめて、プログラミングをしよう」
from 南場智子氏(株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 会長)
「プログラミングはアイデアをカタチにする道具です。「使う側」から「創る側」へジャンプしよう。きっと世界が広がります。楽しんで!」
この他にも、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏からのメッセージが映し出されるなど、世界的に注目されている取り組みであることがうかがえます。
「いこーよ」も応援しています!
「いこーよ」もこのプログラミング教育推進活動に共感し「みんなのコード」の活動を応援しています!
小学生プログラマー・澁谷くんも登場!
イベントの前半には、小学生プログラマー澁谷知希(しぶやともき)くんへのインタビューが行われました。1歳でキーボードを叩き始め、4歳でExcelとHTMLを覚えてコードを書きブログも開設したという澁谷くん(!)。
現在は、JavaScript、HTML、コマンドプロンプト、Linuxのサーバーコマンド、Scratchと様々なプログラミングに挑戦中とのことです。
澁谷くんに聴く、プログラミングの魅力
Q.プログラミングで楽しいことは何ですか?
「コードを自分で作って、そのコードがちゃんと動作した時が嬉しい!」
Q.プログラミングスキルを上達させるにはどうすればいいですか?
「とにかく練習することですね。僕は分からないことがあったらリファレンスを見たりしています!」
(この「リファレンス」という発言に、会場にいたエンジニアの皆さんからは「おー」という驚きの声が!)
Q.これからどんなことをしたいですか?
「友だちにプログラミングを教えるのはちょっと恥ずかしいけど…一緒にできる友だちができたら、知ってるコードを共有し合ったりしたい! 将来は、子どもにも大人にも「すごい!」って喜んでもらえるゲームやアプリを作りたいです。」
澁谷くんが実際に作ったゲームのクオリティに驚愕!
インタビューの途中に披露されたこちらは、澁谷くんが実際に手がけた「冒険生活ゲーム」(右はコード画面)。プレイヤーの体力を現す表が作られたりするなど、そのクオリティの高さに会場が一時ざわつく事態に。
さぁ「アワー・オブ・コード」でプログラミングに挑戦しよう!
メイン会場に集まった子ども達全員で「アワー・オブ・コード!」と掛け声をかけたら、いよいよプログラミングに挑戦です!
プログラミングの世界にのめり込む子ども達
PCやタブレットを使った体験が始まると、黙々とプログラミングに取り組む子ども達。この日初めて会ったという友だちと教え合ったり、自分で作ったコード動作のトライ&エラーを何度も繰り返しながら、プログラミングの楽しさを体感していきます。
プログラミングに使用されたのは「マインクラフト」

今回のイベントで使用された教材は子ども達に大人気のものづくりゲーム「マインクラフト」。草を刈ったりブロックを崩したり、家を建てたりする動作の全ての工程を自分で考えてプログラミングしていきます。自ら作ったコードに従って動いていくゲームの主人公の姿に、子ども達は静かに興奮している様子。のめり込んでコード作りに熱中していました。
チューターと一緒に一喜一憂
難易度の高い場面に遭遇した場合は、チューターと一緒に挑戦。このチューターの皆さんの中には、普段大手IT企業等で働く一流エンジニアも! 子ども達との会話を通して、プログラミングの楽しさを伝えていきます。難しいコードを完成させた時には、思わずガッツポーズが出る場面も。
澁谷くんのプログラミングもちょっとだけ拝見!
イベント中には、小学生プログラマー澁谷くんのプログラミングが披露される場面も。こちらは文字でコードを打ち込んでいくという本格的なプログラミング。軽やかにキーボードを叩く澁谷くんの手元に目が釘付け!
初めてプログラミングをしてみた感想は「面白い!」
約1時間のプログラミング体験をした後は、子ども達に感想を聞くインタビュータイム!
子ども達の感想
- 初めてだったけど、全然難しくなくって、楽しかった!(小学2年生の女の子)
- 自分で作ったコードの通りに主人公が動いていくのが嬉しい。(小学1年生の男の子)
- 今まではマインクラフトで遊ぶだけだったけど、作る方も楽しい!(小学2年生の女の子)
- プログラミングって、色んなことができるんだなって思いました。(小学4年生の男の子)
- 将来はピアノや英語を楽しく学べるゲームを作ってみたくなった!(小学1年生の女の子)
また、イベントに参加した親の皆さんからも、発見と喜びの声が聞こえました。
親の感想
- プログラミングに興味を持ってほしいな…と思っていたけど、今日とても楽しそうにしていたので、今後は子どもの方から希望してプログラミングに取り組む機会ができそう。(小学4年生男の子の母)
- いつもはYou tubeでマインクラフトを一緒に見ているだけだったけど、今度は親子で一緒にプログラミングをしてみたい。(小学生5年生男の子の父)
- 学んで絶対に損のないことだと思うので、将来の選択肢の一つとして、今後もプログラミングに触れていきたい。(小学4年生女の子の母)
プログラミングを終えた全員に修了証を授与
約1時間のプログラミング体験を終えた子ども達全員に、チューターの皆さんから修了証を授与。全レベルをクリアして大満足そうな子、まだやり残したことがあって悔しそうな子など、体験を始める1時間前とは全く異なる表情を見せた子ども達でした。
全国各地からも続々と報告された子ども達の笑顔


同時に開催されていた全国110カ所のイベント会場からも、続々と子ども達の笑顔の報告が! 1万2,633人の子ども達と一斉にプログラミングの楽しさを体感したという経験も、親子にとっては特別な体験に。
ロボット漫才コンビ「ペッパーズ」も登場
イベント終盤には、ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」と吉本興業の芸人金子さんによるロボット漫才コンビ「ペッパーズ」が登場!
漫才中にPepperが会場内を撮影し「笑ってない奴の顔を覚えたぞ」とすごむシーンや、なぞなぞの回答をネット検索するなどロボットならではの笑いに会場は大盛り上がり。
そんなPepperを動かしているのも「プログラミング」。子ども達にとっては、プログラミングの可能性の幅の広さを知るきっかけに。
おまけ:プログラミングでこんなこともできる!
例1:自動販売機のアクション操作
例2:信号機の点灯操作
最後には、プログラミングでできることの例を紹介。普段の生活で良く見かけるモノが実はプログラミングによって動いているということを知ることは、子ども達はもちろん、大人にとってもモノの見方が変わる機会となりました。
「みんなのコード」が主催するプログラミングイベント、次回の開催は8月予定!
「みんなのコード」が主催するこの大規模なプログラミングイベント「アワー・オブ・コード」、次回は2016年8月に開催予定です。次回の開催場所は、なんと「学校」で、日本全国の小学校等と連携してプログラミング体験を実施する予定とのこと。世界的に注目されているプログラミング教育に触れる次回のチャンスに、ぜひご期待ください!
※イベント情報は随時、いこーよサイト上でも発信していきます。
「アワー・オブ・コード」についての詳しい情報はこちら!

プログラミング教育の普及を進める「みんなのコード」って?
