男の子は昆虫が大好き! でも、自然の中で昆虫をつかまえるのは、子どもでは難しいですよね。そこでパパが上手に採ってあげられたら、パパの株は急上昇間違いなし! 今回は、昆虫採集で人気のカブトムシやクワガタムシの見つけ方や捕まえ方を「昆虫大好きアイドル」のカブトムシゆかりさんに伺いました。
まずは樹液の出ている木を探す!見つからなくても奥の手が…

やみくもに探しても、なかなか出会えないカブトムシやクワガタムシ。いったい、どんな場所を探せばいいのでしょうか?
「雑木林の中でクヌギやコナラを探してください。といってもピンとこない人は『ドングリのなる木を探すべし!』です。ドングリのなる木が、クヌギやコナラなんです。その樹液を吸いに、カブトムシやクワガタムシが集まってきます。」
「クヌギやコナラの幹や葉の写真を用意して、昼間のうちに下見に出かけましょう。写真と照らし合わせながら、樹液の出ている木を見つけたらそこがポイント。夜になったら、採集に行ってみてください。」
カブトムシもクワガタムシも日没から夜明けまで活動しますが、最も数多く出会えるピークの時間帯が20時〜22時だとか。とくに、大物を狙うならこの時間帯はハズせないそうです。なぜなら、夜明けに近づくほど、ピーク時の樹液争いに破れた小さな個体が増えてくるからです。
「都内にも、クヌギやコナラの雑木林がある森林公園がたくさんあります。ただし、人気のスポットには先客がいることも。なので、少し早めに、18時くらいから採集に向かうことをおすすめします。こういう場所では、ピークの時間を待っていると先を越されてしまいますので。」
そして、もし住宅街の中などにひょっこりとクヌギやコナラが生えてる場所があれば、じつはそこが「穴場」。近所に小さな雑木林があるかどうか、一度確かめてみてもいいでしょう。
甘い香りでおびきよせる「バナナトラップ」
樹液が出ている木が見つからなければ、「バナナトラップ」を仕掛けましょう。
カブトムシゆかりさんから、バナナと焼酎、黒砂糖で簡単にトラップを作る方法を教わりました。トラップの材料に焼酎が入っているので、子どもと一緒に作る際は注意が必要です。
「黒くなったバナナがひたるくらいの量の焼酎に漬け、1本につき大さじ3杯の黒砂糖を溶かします。タッパで密閉したまま1日ほど常温で置き、発酵させれば完成です。お母さんのいらないストッキングにバナナを入れて、木にくくりつけましょう。甘い香りに誘われて、カブトムシやクワガタムシが寄ってきますよ。」
カブトムシゆかりさんの場合は、17時頃にセットして、晩ご飯を食べてから採取に向かうのがいつものコース。昼にセットすると、公園などの場合は清掃員に撤去されてしまうことがあるそうです。
そして「セットしたトラップは放置せず、必ず回収!」というのも、絶対守るべきルールです。
続いては、樹液のある木やトラップを仕掛けた場所での捕獲法を紹介します。
いざ、夜の昆虫採集へ!装備や注意点は?
夜の森や林は、足元が暗く、すべりやすいので昼間以上に安全に注意する必要があります。蚊に刺されるのはもちろん、足をすべらせたり、スズメバチなどに刺されたりする心配もあります。
「蚊の対策には、とにかく肌を出さないこと。長袖・長ズボンを着用し、虫除けスプレーやシールパッチも効果的です。首にはタオルを巻き、頭は帽子で防御すれば、木の枝で怪我をすることも防げます。」
「足元はしっかりとしたトレッキングシューズがベスト。長靴はすべるので危険です。ライトは広範囲を照らすヘッドライトと、ピンポイントで虫を探す懐中電灯の2つを用意しましょう。白い光は強すぎて虫が逃げてしまうので、オレンジっぽいライトを使うか、色つきのレジ袋をかけたりしてトーンダウンしてください。」
そして、夜の昆虫採集で最も怖いのがスズメバチだといいます。
「夏の終わりになると、スズメバチの活動が盛んになります。とくに、カチカチと歯を鳴らしてきたら要注意。『これ以上近寄るな』という威かく音なので、すぐに引き返してください。」
ほかにも、ヘビやムカデなど、林の中には危険な生物がたくさんいます。けっして深入りせず、危ないと思ったらちゅうちょなく逃げる。これもパパの大切な役目です。
逃げられにくいカブトムシとクワガタムシの捕まえ方!
せっかくカブトムシやクワガタムシを見つけても、逃げられてしまったら子どもはがっかり。パパの面目も立ちません。的確に捕まえられる採り方も教わりました。
「カブトムシはとってもパワフル。胴体を持つと、足の力で振り払われてしまうことがあるので、ピョコッと生えている小さいほうの角を持ってください。大きな角は、メスやエサ場をほかのオスと奪い合う際に使う大事な部分です。あまり触らないであげましょう。」

「クワガタムシは、アゴの下にある胸部を持ちます。ただ、クワガタムシは体が平たいので、狭い隙間に逃げ込まれてしまうことも。そんなときのために、シリコン製のやわらかいピンセットを用意しておくと便利です。」

カブトムシやクワガタムシを捕まえたら、すぐに虫かごに入れるのがいいのでしょうか?
「虫かごにまとめて入れると、中でケンカして傷ついてしまいます。私はいつも、小さいタッパに一匹ずつ入れて持ち帰るようにしています。」
ただし、中にエサとして果物などを入れておくのは厳禁。知らぬ間に発酵が始まり、虫たちが酸欠を起こしてしまうそうです。
続いては、都内で手軽に昆虫採集が楽しめる公園やイベントをチェック!
いこーよ編集部厳選!昆虫採集ができる都内の公園&昆虫イベント
都内で手軽に昆虫採集を楽しめる公園と、親子で楽しめる昆虫イベントを「いこーよ編集部」が厳選してご紹介します。なお、公園で昆虫採集を楽しむときは、必ず各公園のルールに従ってください。
小金井公園
玉川上水沿いに位置した、日比谷公園の4.8倍もの広大な面積を持つ公園。広々とした草地を取り巻くように雑木林があり、カブトムシやクワガタムシ採りの人気スポットになっています。
施設情報石神井公園
三宝寺池、石神井池の2つの池を中心とした公園。公園を含む周辺の区域は、環境や景観を保持するため風致地区に指定され、23区内とは思えないほど豊かな武蔵野の自然が残っています。園内には雑木林があり、クヌギの木がたくさん生えています。
施設情報砧公園
芝生の広場やアスレチック広場などを備えた、子どもに人気の公園。園内には広大なクヌギ林があり、運がよければ、日中に園内を歩いているだけでカブトムシを見かけることもあります。
施設情報「大昆虫展」in東京スカイツリータウン
昨年も開催され、大好評を博した「大昆虫展」が、今年も東京スカイツリータウンで開催されます。150匹以上のカブトムシが集結する「ふれあいの里」や、世界の昆虫標本や昆虫の不思議がわかる解説つき展示、専門家による楽しい昆虫教室など、もりだくさんの内容です。
大昆虫展については、以下にも詳しい記事がありますので要チェックです!
ポケモンセンターや大昆虫展!夏休みは家族で東京ソラマチへ!イベント情報昆虫採集のワクワク感は、子どもの心にも残ります!
そして最後に、カブトムシゆかりさんはこんなことを話してくれました。
「昆虫採集では、昼と夜の2回、林や森に行くことになります。一日を通して、虫たちの移り変わりを見るのも楽しいものです。そして、懐中電灯を持って夜の森を探検するワクワク感。きっと子どもの心にも残ると思いますよ!」
夜の林や森は、子どもにとってはもちろん、大人にとっても非日常。そんな場所でドキドキワクワクを一緒に体験すれば、パパへの信頼感もいっそう強まるはず。この夏は、昆虫採集で父子の絆を深めましょう!