毎日怒ってばかりだったり、他人の子育てと比べて落ち込んだり、子供と2人きりの時間が辛くなったり…。育児が思い通りにいかなくて自信が持てなくなること、ありますよね。そんなとき、どう乗り越えれば良いのでしょうか。保育園での毎日を綴ったTwitterや書籍が人気のイケメン保育士、てぃ先生に伺いました。
●そのほかの「てぃ先生連載」一覧はこちら●子育ての悩みが大幅軽減!? 男の子は「聞く力」の成長がカギ!てぃ先生にも悩み多き時代があった!
園児との楽しいやりとりや子育て・保育の喜びを日々発信している、てぃ先生。とはいえ「キツい」「つらい」と言われることも多い保育士業、密かにストレスを感じる場面もあるのでは…とお聞きすると、「それが不思議と無いんですよねぇ」とにっこり。大声で怒ったり、イライラしたりする日々とは無縁のようです。
「でも、新人時代はイライラすることもありましたよ。話を聞いてくれないときとか、してほしいことをしてくれないときとか。あの先生の言うことは聞くのに、なんで僕だとダメなんだろうって悩んだりもしましたね」

てぃ先生も子育て中のパパ・ママと同じ悩みを抱えていた時期があったのですね! どうやって乗り越えたのですか?
「はじめから全員をまとめようとしていたんですけど、新人だから無理なんですよね。言うことを聞かせようと厳しく接するのも逆効果ですし。だから一人ひとりとじっくり向き合って、信頼関係を築くことから始めました。時間はかかりましたけどね」
最初から高い目標をクリアするのは難しいこと。できることからコツコツと取り組み、少しずつ自信をつけていったのですね。
今、育児に自信が持てないパパ・ママも、もしかしたら理想が高過ぎるのかも。少しハードルを下げるだけで、気持ちが楽になるかもしれませんね。
「基準」を捨てたらイライラしない
さらに、てぃ先生は「大人の勝手な期待・願望」が親と子の両方を苦しめていると言います。
「『他の子はグズグズしないのに』とか『なんでこの子はこんなに怒りっぽいの?』とか『普通はこうすると喜ぶのに』とか、他人や基準に当てはめるからイライラしたり、失望するんです。こんなはずじゃない!と子供に理想を押し付けたって、どうにもならないですから。だからまず、基準を捨てる。そして、この子はこうなんだ、と受け止めてあげてください」

それでもイライラが収まらなかったり、手をあげてしまいそうになったら、くるっと子供に背を向けて、目をつぶって10秒カウント! それがイライラを抑える秘訣だとか。
「パッと目を開けて子供を見てもまだイライラしてたら、怒ってもいいと思うんです。保育士はもちろんそんな風にはしないですけど、ママ・パパなら。でも、たいていそこまでにはならないんじゃないかな」
怒りを抑えるために数秒数える…とはよく聞きますが、「目をつぶる」というワンアクションがあると、効果も高そうですね。
子供に気づかい過ぎず、ママ・パパが楽しいことを
では、子供と2人きりでいるのを窮屈に感じたり、どう遊んでいいかわからなくなったりする場合は、どうしたら良いでしょうか?
「そう感じるママ・パパって、優しい人が多いと思うんです。『子供の言う通りにしてあげたい』とか『子供が笑っていないのは、私と遊んでもつまらないから?』と心配したり。変に子供に気を使い過ぎなんですよね」と、てぃ先生。「子供と遊べないなんて親失格」と落ち込みがちなママ・パパに、ホッとするアドバイスが。

「子供とどう遊ぶかではなく、『私が』コレをしたいから一緒にしよう、でいいんです。子供だけがいい思いをするんじゃなくて、まずはママ・パパがハッピーでなきゃ!」
ときには一時保育などを利用してリフレッシュするのも1つの手。また、通っている保育園や幼稚園、児童館の先生にも気軽に相談してほしいと、てぃ先生は言います。
てぃ先生が勤める保育園では、子供一人ひとりを全員の先生が見守る体制をとっていて「担任と保護者の二人三脚どころか、20人40脚くらいの安心感」があるとか。ママ・パパ自身が頼れる誰かを見つけることも、ハッピーな育児には欠かせないですね」
「極端な話で言えば、『ちょっとくらい手をあげる』『大声で叱る』、そういう育児だってあっていいんです。親の気分でしてしまうなら直したほうがいいけれど、子供のことを想ってしているなら、それがその親御さんのやり方。いいママ、悪いママなんていませんから」
と、最後にてぃ先生から子育て中のママとパパに向けて温かいアドバイスをいただきました。もしも、育児に自信が持てなくなったら、この言葉を思い出してみてくださいね。
次回は、「子供に伝わりやすい叱り方、褒め方」についてお伺いします。