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ひょっとして『上の子可愛くない症候群』?主な原因と解決への道

掲載日: 2016年12月20日更新日: 2016年12月20日堀内優子

「2人目が生まれてから、上の子にイライラしてしまう…」。それはもしかすると、『上の子可愛くない症候群』かもしれません。同じわが子なのに、一体なぜこんなふうに思ってしまうのでしょうか? その原因と解決策を幼児教育評論家の平川裕貴さんに聞きました。

『上の子可愛くない症候群』とは、どんな状況?

2人目の出産後、「今まであんなに愛おしかった上の子が可愛く思えない…。2人とも平等に愛すべきなのに、どうして?」と悩むママは多いようです。

上の子が近寄ってきたときに、イライラしたり、うるさく感じたりする状況が続くことを一般的に『上の子可愛くない症候群』と呼びます。中には、きつく『あっちに行ってなさい!』と怒鳴ってしまう場合も。はっきりと上の子が“可愛くない”と自覚していなくても、こうした言動が続けば『上の子可愛くない症候群』の可能性があります。」

ママが『上の子可愛くない症候群』に陥るのは、どんな時期なのでしょうか。

下の子がハイハイをするようになり、目が離せなくなってくる頃に『上の子可愛くない症候群』になりやすいですね。これは、ママが上の子に家事や育児を邪魔されたと感じてしまうためです。」

真面目なママ&兄・妹の組み合わせの場合は要注意!

では、どんなママが『上の子可愛くない症候群』になりやすいのでしょうか。

真面目で何でもきっちりこなすタイプのママに多く見られます。上の子に自分のペースを乱されるため、ストレスを感じてしまうのでしょう。また、2歳〜3歳差でお兄ちゃん&妹という場合は要注意。下の女の子は表情やしぐさなどが可愛いらしいのに対し、上の男の子はやんちゃな時期なので、どうしても可愛いと思いづらいんです。」

しかし、なぜ同じわが子なのに、上の子を可愛いと思えないのでしょうか。


上の子を可愛く思えない原因は?

小さいものが可愛いと思う人間の本能が働くからです。さらに、身体機能が未熟な赤ちゃんを守ってあげないといけないという母性本能が働くのも一因です」と平川さん。

また、一度子育てを経験している分、ママが赤ちゃんを可愛く感じる余裕があることも、下の子をより可愛いと思う要因だそう。

「1人目は初めての子育てでママも必死なので、そもそも赤ちゃんを可愛いと思う余裕がないものですが、2人目は精神的に余裕が生まれるため、赤ちゃんのことを可愛いと感じるのです。」

なるほど。下の子を可愛いと思うあまり、上の子を可愛く思う気持ちが薄れてしまうというわけですね。

2人目の産後、上の子にどう接すればいいの?

下の子が生まれると、上の子はかまってほしい気持ちが強くなり、赤ちゃんにママを取られたとヤキモチを焼いてしまいます。上の子の赤ちゃん返りは『上の子可愛くない症候群』につながりやすく、ママのイライラを助長してしまいがち。しかし、しっかりママの愛情を感じて安心できれば、上の子の赤ちゃん返りも少し落ち着くそうです。

「下の子のお世話をしているときに、『あなたもこんなに小さかったのよ』『あなたのときはもっと手がかかったのよ』など、上の子に赤ちゃんの頃のエピソードをどんどん話してあげましょう。そうすれば、上の子は『下の子だけがかまってもらってるんじゃなくて、自分もこうやって大きくなってきたんだ』と、安心することができます。」

平川さんいわく、ママの声かけ次第で上の子の態度に変化が見られることも多いのだとか。

「上の子がかまってほしいときは『あっちに行ってなさい』や『自分でやりなさい』ではなく、『ママを助けてくれる?』などと、“自分がママの役に立っているとかママと一緒に存在している”と上の子が思えるような言い方を心がけましょう。手伝ってほしくないときは、「そこで見ててくれる?」とお願いするのがベターです。」


心配しないで大丈夫!気持ちを切り替えることが大切

『上の子可愛くない症候群』の間は、ママも罪悪感からストレスを抱えてしまいがち。しかし、もし上の子をきつく叱ってしまった場合でも、それほど気にする必要はないのだそう。

「親も人間なので失敗して当然です。『今度から言わないようにしよう』と反省したら、あとで優しい言葉をたくさんかけてあげれば問題ありません。」

『上の子可愛くない症候群』は、下の子が「何もできない赤ちゃん」であるからで、成長に伴って解消することがほとんどだそう。

下の子が2歳半から3歳ぐらいになると、だんだん手がかからなくなってくるので、上の子に対してのイライラも薄れてきますよ。」

『上の子可愛くない症候群』にも終わりが来る!

最後に、『上の子可愛くない症候群』を乗り越えるために、大切な心構えを平川さんが教えてくれました。

子どもにとって何よりも大事なのは、ママがハッピーであること。上の子に対して、きつくあたってしまったと落ち込むのではなく、失敗もすべて勉強だと思って、前向きに子育てに向き合いましょう。幼児期はアッという間。いつか振り返ったときに、『あのときは大変だったけど楽しかった』と思えるときが必ず来ますから。」

幼児期は、最も母親を必要とする時期だからこそ、子育てがもっとも大変なときでもあります。『上の子可愛くない症候群』もいつか終わりが来るので、穏やかな気持ちで子育てをしましょう。

★この記事のポイント★

  1. 2人目の産後、上の子にイライラしたり、うるさく感じることを一般的に『上の子可愛くない症候群』と呼ぶ。
  2. 真面目で何でもきっちりこなすタイプのママに多く見られる。
  3. 小さいものが可愛いと思う人間の本能・未熟な赤ちゃんを守る母性本能などが原因。
  4. 上の子にしっかりママの愛情を伝えて安心させることが大切。
  5. 『上の子可愛くない症候群』は、下の子の成長に伴い解消することがほとんど。穏やかな気持ちで子育てを。

お話を聞いたのは…

  • 平川裕貴さん

    元日本航空CA。外資系英語スクールマネージャーを経て、1988年子ども英語スクールを開校。現在、英語の幼稚園型スクールとして幅広い視野と思いやりを持ったバイリンガルを育てている。また、スクール経営の傍ら、長年欧米文化に触れてきた経験から、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱する幼児教育研究家として活動。フジテレビ『ホンマでっか!?TV』 に子ども教育評論家として出演や、著書、ママ向けサイト『ウレぴあ総研ハピママ』『IT Mama』などで英語やしつけに関するコラムを多数執筆している。

  • 著書『グローバル社会に生きる子どものための6歳までに身に付けさせたいしつけと習慣 』

ライター紹介

堀内優子

大阪生まれ、大阪育ちのフリーライター。大学卒業後、丸の内OLとして約2年間勤務。しかし「自分ならではのクリエイティブなことがしたい!」という思いから大阪に戻り、ライターの世界に入る。話題のお店に行くのが好きで、グルメ系のライティングが得意。海外ドラマ(特に英国ドラマ)にハマっている。

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