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3歳児健診の視力検査は重要! 斜視・弱視の原因と治療法も紹介

掲載日: 2017年7月26日更新日: 2017年8月3日堀内優子

「3歳児健診前に視力検査キットが送られてきたけれど、あんな簡単な検査と問診表でちゃんと診断できるの?」と思ってしまいますが、実は「弱視」や視力の発達を妨げる「斜視」を見つけるための大切な検査なんです! 弱視や斜視の症状や見分け方、治療法について、日本眼科医会理事の宮浦徹先生にわかりやすく解説してもらいます。

斜視や弱視はどんな病気? どうして起こるの?

3歳児健診の視力検査は、「斜視」や「弱視」などの目の病気がないかどうかを調べるのが目的です。あまり聞き慣れませんが、一体どんな病気なのでしょうか?

斜視とは、ものを見るときに両目が同じところを向かず、片方の目が違うところを向いている状態です。目を動かす筋肉のバランスが悪いことにより起こり、弱視の原因になります。一方、遠くは見えるのに近くが見えにくい強い『遠視』では両目が内側に寄る内斜視となり、この場合も弱視の原因となります」

片方の目が外側に向いているのを「外斜視」、内側に向いているのを「内斜視」といいます。

なかでも多いのは、間欠性の外斜視です。間欠性とは『ときどき』という意味で、普段は両目とも同じ方向を見ていますが、疲れたり、眠くなったりしたときに、片方の目が外側に向いてしまう状態です」

なるほど、斜視にもいろんな種類があるのですね。では、弱視はどんな病気なのでしょうか?

弱視は、メガネをかけても視力が1.0に満たない状態をいいます。幼児の目はものをしっかり見ることで発達し、3歳までに60%〜70%の子どもが視力1.0以上になります。ですが、遠視や乱視、斜視などがあると網膜にピントをうまくあわせることができず、視力を伸ばすことができません」

なかでも片目だけ弱視である「不同視弱視」が多いのだとか。片方の目は視力が良いため日常生活に不自由がなく、特に斜視がない子で片眼に強い遠視や乱視がある場合は、周りの者も気づき難いそうです。

それだけに視力検査が重要です。保育園や幼稚園での視力検査の結果にも十分注意しましょう。


どうやって見分ければいいの? 日頃の様子に気を配ろう

弱視は、3歳ごろから治療を始めれば、ほとんど治ります。8歳を過ぎると手遅れになるといわれていますが、治療するのが早ければ早いほど、治る可能性が高くなります。そのため、いち早く気づいてあげるのが大切です。

そこで重要なのが3歳児健診です。健診の前に、輪の一箇所が切れた「ランドルト環」と呼ばれる検査キットが自宅に送られてくるので、2.5m離れたところから見て、視力が0.5以上あるかを測定します。もしうまくできなかった場合は、健診の際に専門スタッフが検査します。

もちろん、気をつけていれば日常生活の中で気づくこともできます。日常生活の中で斜視や弱視を見分けるポイントを宮浦先生に伺いました。

斜視の見分け方

・日常的にスマートフォンなどで、子どもの顔の写真を撮って観察する

毎日子どもと接していても気づかないことが多いですが、写真だと目の方向の違いに気づきやすくなるそうです。

「病院に行くときも写真を持って行ってください。診察のときに子どもがじっとしてくれないこともあるので、診断の役に立ちます」

強い斜視は1歳未満でも明らかにわかりますが、多くは1歳前後から目立つようになるため、1歳児健診でも見つかることが多いそうです。

「赤ちゃんは目と目の間が広いため両眼が内に寄る内斜視のように見えることがあります。『偽斜視』と呼ばれるもので、成長に伴い治ることも多いです」

赤ちゃんの鼻の付け根をつまんで両目がまっすぐ向いていたら偽斜視だそうです。

弱視の見分け方

・離れたところにある好きな食べ物やキャラクターを認識できるかどうかチェックする

視力検査ができない乳幼児では、日常生活の見え方を参考にして、視力の発達状態を予想することができます。

ものを見つけたときに名前を言えたら、日常生活の中できちんと見えている証拠です。散歩のときに、ちょうちょなど小さなものを見つけられる場合は相当の見え方をしていることが判断できます。心配いらないそうです。

離れたところにある好きな食べ物やキャラクターにまったく気づかないようであれば弱視の疑いがあります

子どもが視力検査のやり方を理解できるようになるのは3歳頃からなので、3歳児健診でしっかりチェックすることが大切です。ただし、程度によっては眼科で視力検査をはじめ詳しい検査をしないとわからない場合もあるので、普段から目の向きがおかしいなど気になる症状がある場合は、一度眼科へ連れて行きましょう。


斜視や弱視と診断されたらどんな治療法があるの?

斜視や弱視と診断された場合、どうすればいいのでしょうか? 具体的な治療法を教えてもらいました。

【斜視】

・ときどき斜視になる「間欠性の斜視」の場合
自宅での簡単なトレーニングで改善する場合があります。

「まずはトレーニング法を試してみます。おもちゃでも何でもいいので手に持って、1mほど離れたところから『これを見ていてね』と言って近づいたり離れたりして、お子さんに目で追わせてください。これを毎日2〜3分続けると、だんだん斜視の時間が短くなり、改善していきます。ただし、1週間続けても効果がなければ、病院へ連れて行ってください」

・常に斜視の症状がみられる場合
目を動かす筋肉の異常が原因なので、筋肉のバランスを整える手術が必要になります。

【弱視】

「斜視による弱視では、ものをきちんと見えるようにするのが大切です」

・斜視が原因の場合
まずは弱視を治す治療を行い、必要に応じて斜視の治療を行います。目の位置をまっすぐにすることで、視力の向上を図ります。

・遠視や乱視が原因の場合
遠視用や乱視用のメガネをかけることで、目の発達を促します。

早期治療が大切な斜視と弱視。普段から子どもの様子に気を配ることで、早期発見につながります。自宅で視力検査を行うのはもちろん、3歳児検診でしっかりと診察してもらい、目の発達をサポートしてあげましょう。

お話を聞いたのは…

  • 宮浦徹さん

    宮浦眼科 院長。日本眼科医会 理事、大阪府眼科医会 理事、大阪府医師会学校医部会 常任委員を兼任。1977年、日本医科大学卒業後、大阪大学医学部眼科学教室に入局。1986年、大阪府吹田市に宮浦眼科を開業。長年、学校保健で目の健康に力を入れている。

  • 「日本眼科医会 」ホームページ
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ライター紹介

堀内優子

大阪生まれ、大阪育ちのフリーライター。大学卒業後、丸の内OLとして約2年間勤務。しかし「自分ならではのクリエイティブなことがしたい!」という思いから大阪に戻り、ライターの世界に入る。話題のお店に行くのが好きで、グルメ系のライティングが得意。海外ドラマ(特に英国ドラマ)にハマっている。

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