1人目出産と2人目以降の出産の違いはいろいろありますが、大きく違うことの1つは、産後の過ごし方。1人目出産後はできるだけ横になり体力回復に努めていたママも、2人目以降となると、「家事や上の子の世話でフツーに動き回っていた」という人が少なくないようです。「いこーよ」では、2人目出産を経験したママorパパにアンケートを実施。何より大変だったこと、工夫したこと…生の声をご紹介します!
2人目出産後、家事はどのように乗り切った?
産後は赤ちゃんの生活リズムが整わず、ママはしばらく昼夜問わず忙しい日々を送ることに。2人目の場合、上の子のお世話もあって、普段通りに家事をこなすのはなかなか大変です。2人目の産後、ママたちはどのようにして家事を乗り切っているのでしょうか?
アンケートの結果、いつも通り、あるいはいつもより手抜きしつつも自分で家事をこなす、という人が多数派のようです。上の子どもの生活リズムもあり、これまでの家事スタイルを180度変えることは難しいのでしょう。
家事の中でも、特に食事の用意は「今日はナシ」では済まないもの。大人だけならなんとかなるものの、上の子がいるとバランスのとれた食事が必要になり、1人目出産後との違いを顕著に感じるようです。料理や買い物の負担を軽減させる工夫をしていたという声が多く聞かれました。
手抜き料理でなんとか乗り切る
買い物は旦那に行ってもらい、簡単な食事をつくることでなんとか乗り切った。(4歳と0歳の女の子、2歳の男の子のママ)
ネットスーパー様様です!
買い物に出られず、ネットスーパーを使いインスタントやレトルト、お弁当屋さんを利用した。(5歳と3歳の男の子のママ)
チンして食べられるものを用意
野菜とかは茹でて冷凍したり、鶏肉やハンバーグなども火を通してから冷凍していました。チンするだけで食べられるようにしていました。(りりさん、6歳と1歳の女の子のママ)
上の子の保育園や幼稚園の送り迎えは誰が?
家事と合わせて、2人目出産後のママたちを悩ませるのが、上の子の保育園や幼稚園の送り迎え。アンケートの結果、夫婦で協力したり両親の手を借りる人もいますが、病時などピンチのとき以外はママが行う人が多いようです。
しかし、赤ちゃん連れでの送迎は、ママの体力的な問題に加えて、お昼寝など赤ちゃんの生活リズムの面でも負担となるもの。ママたちはさまざまな工夫をして乗り切っているようです。
一緒にお昼寝して体力温存
上の子の幼稚園の送迎は気合いで乗り切るしかなかった。寝られる時には一緒に昼寝をするようにした。(8歳と3歳の女の子のママ)
送迎とお昼寝タイムがバッティング
幼稚園の送り迎えと下の子のお昼寝時間がぶつかることも。寝てしまったら家に帰らず、迎えの時間まで車でウロウロしていた。(7歳の男の子、3歳の女の子のママ)
雨の中、抱っこで徒歩30分…
幼稚園の行事などに乳児がいると大変だった。平日で夫も仕事が休めないと、雨の中歩いて30分の距離を抱っこで向かったことも。(6歳と3歳の女の子のママ)
これぞ試練…!子どもの病気、ママの体調不良
「2人目の出産後大変だったこと」の質問にはいろいろな意見が上がりましたが、自分を含めた家族の病気は、特に大変さを感じるよう。
1人が病気でも2人連れて病院へ
子どもが病気の時、二人を病院に連れて行かなくてはならない。工夫はないです! 気合いで乗り切るしかありません。(ちえっぺさん/12才/男,9才/女,6才/男)
インフルエンザで隔離生活
上の子が園からもらってきたであろうインフルエンザにかかり、生後4カ月の下の子にうつってしまったこと。上の子と主人に2階で就寝してもらい、入浴以外はすべて離れて生活した。(みちゃおさん/6歳の女の子、2歳の男の子のママ)
ママが病気。でもすぐ病院には行けず
自分が体調を崩した時に子どもをあずける場所がなくて、なかなか病院に行けなかったこと。旦那が帰宅してからあずけて夜間病院に行きました。(リリさん/4歳と1歳の女の子のママ)
何よりつらかった「産後うつ」
自分の体調がなかなか上向きにならず、産後うつになったこと。(10歳と5歳の男の子のママ)
上の子の赤ちゃん返り。こう向き合ってます!
そして、大変だったこととしてもっとも多くの人が挙げていたのが「上の子どもの赤ちゃん返りや焼きもち」に関する回答でした。皆さん、あらゆる対策をとっていたようです。
赤ちゃんが寝ている間は、上の子との時間
大変だったのは上の兄弟のヤキモチ。赤ちゃんが寝ている時は、いつも以上にかわいがっていました。(anoさん/4歳と2歳の男の子のパパ)
時々、上の子と二人でお出かけ
下の子をパパにお願いして、上の子と二人でお出かけしたりして甘えてもいい時間をつくるようにしました。(7歳の女の子、4歳の男の子のママ)
「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
上の子には、今まで以上に、あなたに注目しているよ!という感じを出して、何でも優先させてあげた。お兄ちゃん、お兄ちゃん、と声かけをして本人にも意識させた。(3歳の男の子、0歳の女の子のママ)
「ちょっとだけ待っててね」
年子なので下の子の授乳中に上の子がぐずったりしてきた時。上の子に「ちょっとだけ待ってね」と待ってもらっていた。(MIKIママさん/1歳の女の子、0歳の男の子のママ)
赤ちゃんを愛しいと思う気持ちを育てる
上の子が赤ちゃん返りしないよう「お姉さんとは」という意識を育て、下の子を愛おしいと思う気持ちを持たせるように声掛けしたり、常日頃から心のケアをしたこと。上の子と2人で1週間に1回は出かけるなど、「下の子ばっかり!いいなあ〜」と言わせない環境をつくった。(SMMさん/8歳と4歳の女の子のママ)
上の子のヤキモチや赤ちゃん返りには、気持ちをしっかりと受け止めてあげることが大事なんですね。
また、3人育児を経験しているママからは、こんな意見も寄せられました。
やさしいお母さんなんて無理!
とにかく毎日戦争! お風呂で泣き叫び、夜泣きに、風邪、おねしょの布団洗い、抱っこ抱っこの大合唱! ともかく、完璧は無理! やさしいお母さんは無理!そんな感じで今も奮闘中。(7歳と2歳の女の子、4歳の男の子のママ)
「私もそうだった!」「今まさにそう!」と共感する方も多いのではないでしょうか。やはり、赤ちゃんに加えて上の子のお世話もしなければならない状況では、家事も育児も完璧を目指すのはなかなか難しいということですね。
「2人目の出産は1人目よりラク」でも休息が大切!
そんな状況でがんばるママたちへ、専門家の方に「2人目出産後の過ごし方」、中でも「子どもとの関わり方」についてアドバイスいただきました。
お話をお聞きしたのは、東京都世田谷区の助産院、アクア・バースハウスの院長の高橋ゴールドマン浩美さん。年間60組のお産に立ち会い、産後ケアのサポートにも力を入れている助産師さんです。
「日本では産後20日〜1カ月は『産褥(さんじょく)期』と呼ばれ、出産で費やした体力が回復する期間とされてきました。『産後を大事にする』という考え方は、お母さんのためだけではなく、実は赤ちゃんのためでもあると私は考えています。ゆったり快適に、急かされない生活をすると、ママはオキシトシンという母乳の分泌を促すホルモンが出るため、赤ちゃんの成長を促すことになるのです。」
「2人目の出産は通常、1人目よりもラクというママが多いですよね。体が出産を記憶しているからだと思います。産後でも、思うままに動いても意外と大丈夫だったというママも多いです。しかし、体や心の疲れを感じたときには、早めに声を上げられるようにしておくことが肝心です。パパに声を上げられなければ、お住まいの地域のサポートサービスを検討してみるといいでしょう。」
赤ちゃんを待たせることに罪悪感を覚えなくていい!
高橋さんによると、産後は基本的に赤ちゃんのリズムに添って生活することが赤ちゃんにとって望ましいとのこと。ですが、上の子のお世話もある中では、そうもしていられないのが現実。赤ちゃんに「ちょっと待っててね」と言う場面が増えますが、「少しくらい待たせても心配しなくて大丈夫」と高橋さんは話します。
「赤ちゃん自身も、1人目と2人目では意識が違うようです。おなかにいる頃からお兄ちゃんお姉ちゃんの声を聞いているので、家庭の状況をちゃんと理解しているのではないでしょうか。少しくらい泣いている赤ちゃんを待たせても、罪悪感を覚える必要はありません。」
なるほど、「赤ちゃんがかわいそう」という罪悪感を持たなくなるだけで、ママの気持ちはずいぶん軽くなるかもしれません。この大変さは期間限定かもしれませんが、心身共にムリをせず、周囲と協力して乗りきりたいですね。