子どもの学校行事や習い事、パパの予定に自分の都合まで、ママのスケジュール管理は本当に大変です。「家族の予定がスムーズにいくように調整したい」「時間を上手に管理したい」「自分の自由な時間を作りたい」など、常日頃の思っている人は多いはず。そこで、手帳評論家の舘神龍彦さんにお悩みタイプ別の「スケジュール管理術」を聞きました。
家族間ですれ違い!? お悩みタイプ別「スケジュール管理」改善術
きちんと家族のスケジュール管理をしているつもりでも、予定が増えたり減ったり、変更することは多々ありますよね。家族とのスケジュール共有がうまくいかないケースについて、お悩みタイプ別に原因と解決法を教えていただきました。
【タイプ1】同時進行する家族の予定に混乱してしまう

自分の予定だけでなく、パートナーや子どもの予定など、いくつものスケジュールが同時進行しますよね。「兄弟の予定がいつの間にか入れ替わっている!」なんてミスも考えられますね。
■原因はコレ!
「家族のスケジュールを管理するための『書き込みルール』ができていない可能性があります」
■解決策はコレ!
「まず、スケジュール管理ツールの中で、家族の情報を一元化しておくことが大切です。全員を同じページにまとめ、誰と誰のスケジュールが重なっているのか、などがわかるようにしておきましょう。手帳やカレンダーで管理する場合は、色付きのボールペンやマーカーを使って、家族を色分けすると一目でわかるので便利ですよ」
例えば、お兄ちゃんと妹が同じ習い事をしている場合でも、お兄ちゃんは青、妹は赤というふうに色分けをルールとして決めておけば、どちらのスケジュールなのかが一目瞭然ですね。
「また、家族向けのスケジュール管理を目的とした手帳を販売しているメーカーもあるので、そういったものを利用するのも手段の一つです」
たとえば、日本能率協会マネジメントセンターからは「ペイジェム ファミリーマンスリー」シリーズが発売されています。


従来の月間スケジュールページのほか、家族の予定が一目でわかるように色分けされた月間スケジュールページが入っています。日曜始まりと月曜始まりなど、合わせて8種類が用意されているので、使いやすいものが選べます。
サイズもB6版とそれより幅が狭いスリムタイプの2種類があり、持ち運びに便利です。日本能率協会マネジメントセンターの公式通販「JMAM eショップ 手帳の店」で購入することができます。
ほかのメーカーからも、「行事予定表などが入る外ポケット付き」など、いろんな種類が発売されているので、それぞれの家庭に合った使いやすいものを選ぶといいですね。
【タイプ2】自分は予定を把握できているのに家族との共有がうまくいかない

自分はきちんとわかっているのに、家族からは「そんな予定あるなんて聞いてないよ!」なんて言われることありませんか?
■原因はコレ!
「この場合はスケジュール管理というよりも、家族間のルールの問題だと思われます。そもそも、スケジュールを共有するという考え方が身についていないのかもしれません」
■解決策はコレ!
「まずは家族間でスケジュールの共有について話し合い、その上で共有するためのツールを選びましょう。グーグルカレンダーなどのクラウドサービスは、ネットに繋がる環境であればスマートフォンなどですぐに確認ができるのでとても便利です」
低学年の子どもやネット操作が苦手なおじいちゃんおばあちゃんがいるご家庭など、全員がクラウドサービスを使いこなせない場合は、どんな方法で管理するといいのでしょうか?
「一番簡単なのは、家族の予定が書き込める大きなカレンダーに予定を書き込んで、それを携帯やスマートフォンのカメラで撮影しておくことですね」
アナログとデジタルの合わせ技ですね! それならデジタルツールをうまく使えない家族がいても簡単に情報共有ができそうです。
「『毎週月曜日に更新する』というふうに、更新のルールを決めておくことも大切です。また、何週目の何曜日に撮った写真なのかがわかるように、カレンダー上で過ぎた日にバツなどの印をつけておくとわかりやすいですよ」
携帯やスマートフォンで撮った写真であれば、日付はデータで調べることもできますが、一目でわかる方がいいですよね。過ぎた日に色つきマーカーなどを使って印をつければ、カラフルで楽しいカレンダーになりそうです。
簡単な対策メモが意外に重要!

家事や育児、さらに仕事にも追われている子育て中のママが、スケジュール管理で覚えておきたいことはどんなことでしょうか。
「予定が入ったら、とにかく手帳などに書いて目で確認しましょう。同時に、その予定に対して起こりうるトラブルをあらかじめ想定しておきましょう」
「『もしこうなったら、こう対処しよう』という対策を立てて手帳などに書いておくと、急な予定変更があっても対応が早くなりますよ」
対策などは書かなくても頭で覚えていれば大丈夫と思ってしまいますが、書いておいたほうがよいのでしょうか。
「書くことによって簡単に確認ができますよね。必死に思い出す必要もなく、覚え間違いの心配もありません。その予定の目的や必要な準備など、その予定に関連したできごとが見えやすくなります」
確かに、頭で予定の日時を覚えているだけでは、その予定を取り巻く要素にも気づきにくいですね。
「また、トラブルがあった際にはその予定と一緒に対処法を書き残しておくと、似たことが起きたときに参考にできて便利です。子育て以外でも言えることですが、過去の失敗を記録しておくことで、次の対応が早くなります」
失敗だけではなく、おもしろいハプニングなども記録しておくと後から楽しめそうですね。
つい何度も開いてしまう! 我が家の「マイ手帳」
舘神さんは著書『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)の中で「マイ手帳」の作り方を紹介しています。
「マイ手帳とは、自分の生活スタイルや目的に合わせて欲しいツールだけを盛り込んだオリジナル手帳のこと。ベースになる手帳はどんなものでもかまいません。本来の使い方にとらわれず、自分に必要なツールや情報を好きなように加えていくだけです」
システム手帳の場合は、市販されているアクセサリーで簡単にカスタマイズできます。月間スケジュールページなどの自作リフィルを印刷できるサイトもたくさんあるそうです。
「綴り手帳の場合でも、使わない便覧ページに雑誌の切り抜きを貼ったり、アドレスページを簡単レシピのリストとして使う、といったことが可能です。手帳カバーの内側にメモ帳を挟み、お出かけした時のチケットや写真を貼ってミニアルバムにすることもできますよ」
こうして、手帳にどんどん家族の情報を載せていくことで、世界に一つだけの我が家の「マイ手帳」ができあがります。
「失敗しないように管理しなきゃ!」と難しく考えず、管理術のポイントをしっかり押さえ、家族日記をつけるような気持ちで楽しく家族の毎日を綴っていきましょう。