外で食事をするときに、子どもが待てずに退屈することは多いですよね。そんなパパママにおすすめなのが、待ち時間も遊びになる「おしぼりアート」です。
ペンギン、ネコ、バラの花など、おしぼりで楽しいモチーフが作れれば、子どもも大喜び間違いなし。簡単な作品なら、制作時間はわずか30秒! 食事が来るまでの時間も落ち着いて過ごせます。
30cm四方のおしぼりでいろいろ作れる!

小さなおしぼり1枚で、さまざまなものを表現できるおしぼりアート。今回は、おしぼりアートの本「超ウケる! おしぼりヒヨコのつくり方」などを上梓している笹川勇さんに作り方を紹介してもらいます。
普段使っているおしぼりについて聞いてみると、「一番使いやすいのは、30cm四方の一般的なおしぼり。僕はおしぼりアート用に200枚くらい持っていますが、すべてこのサイズです。これまでに作った作品で、特別なおしぼりを使ったことはありません」とのこと。
さらに、「色は作る作品によって決めるのがベスト。ネット通販で探せば、いろいろな色が入ったセットも売っています」と種類もいろいろあるようですが、お店で提供される白いおしぼりでも問題ないそうです。
それではさっそく、おしぼりアートの作り方を紹介しましょう。初級編・中級編・上級編のほか、初公開の新作や変化するアレンジテクニックも紹介します!
【初級編】つかみは完璧! 制作時間30秒の「ペンギン」

小学校などで、おしぼりアートの講義をすることもある笹川さん。最初に教えるのがこのペンギンだといいます。
「約30秒で作れる一番簡単な作品です。子どもでも簡単に作れるので、おしぼりアートの楽しさを伝えるにはぴったり。これでつかみは完璧です!」
さっそくペンギンの作り方をみていきましょう!
STEP1:三角形に折る

裏面を上にして広げ、手前が底辺になるように三角形に折ります。ズレないようにきっちり合わせましょう。
STEP2:三角形の左右を折る

左右の角を中心で合わせるようにして折ります。
STEP3:下から丸めていく


下から丸めていき(写真1)、上の角をすこし残します(写真2)。
STEP4:折り曲げる

残した角の部分をはさむようにして折り曲げます。
STEP5:くちばしを作って完成!

先端の部分を上下に広げてくちばしを作れば、ペンギンの完成!
ここがポイント!
「STEP3で残す角の分量によって、くちばしの大きさが決まります。短めにしたほうがペンギンらしく見えます」
【中級編】耳と手がキュートな「ネコ」

こちらは、伏せをしているネコ。かわいい耳や手もあります。体を固定するために輪ゴムを使いますが、「おしぼりの袋を割いたひもで縛ってもOK」とのことです。それでは作り方を紹介します!
STEP1:三角に折って下から丸める


おしぼりの裏面(縫い目が見える面)を上にして広げ、手前に底辺がくるよう三角に折り、そのまま下から丸めていきます(写真1)。ペンギンと同じように、少し角を残しましょう(写真2)。
STEP2:折り曲げる

残した角の部分をはさむようにして折り曲げます。
STEP3:さらに折り曲げる


2つに折ります(写真1)。このときに両端が少し飛び出るようにします(写真2)。
STEP4:輪ゴムで留める

写真のように輪ゴムで留めます。
STEP5:足をつくる

飛び出ている両端を調整して、ネコが伏せたような手の形にします。
STEP6:耳を整えたら完成!

最後にネコの耳の形に整えたら完成です!
ここがポイント!
「STEP1で残す角の分量を多くすれば、ウサギになります! チャレンジしてみてください」
【上級編】テーブルの上に咲く「バラの花」

いかにも複雑な形をしたバラの花は、工程が多く難易度も高め。それだけに、チャレンジのしがいがありますよね。「作っている途中ではわかりませんが、最後に突然バラの花になります。うまくできたときは感動ですよ!」
最後に突然バラの花になるとは…? 気になるバラの花の作り方をチェックしていきましょう!
STEP1:角を折ってひし形を作る


裏面を上にして広げ、4つの角を中心に合わせるように折り(写真1)、ひし形を作ります(写真2)。
STEP2:三角形を作る

ひし形を折り、三角形を作ります。
STEP3:下から巻いていく

三角形の底辺から巻いていき、角の部分を1/3ほど残します。
STEP4:端を差し込んでまとめる



どちらかひとつの端に、逆の端を差し込むようにしてまとめます。写真では左端に右端を差し込んでいます(写真1,2)。ギュッと差し込めば、硬くコンパクトにまとまります。植木鉢に咲いている植物のようなフォルムになります(写真3)。
STEP5:周囲を折っていく


STEP4で結んだ下部分を半分に折っていきます(写真1)。難易度高めの工程ですが、グルッと1周すべて折ります(写真2)。
STEP6:飛び出した角を広げる

飛び出した角をグッと広げます。ここが葉っぱになります。
STEP7:ひっくり返して完成!

ひっくり返し、形を整えればバラの花が完成!
ここがPOINT!
「大切なのが、STEP4で端部分をしっかりと差し込むこと。差し込みが甘いと、STEP5で半分に折っていく途中でほどけてしまいます」
【新作編】初公開! あのロボット掃除機を再現「おしぼりルンバ」

今回、いこーよのために考案してくれたロボット掃除機「ルンバ」。ブログにも本にも載っていない完全新作です! ぜひ作り方をマスターしてくださいね。
STEP1:上下を折る


これまでの作品とは逆に表面を上にして広げ、上下の縁を真ん中まで折ります(写真1)。上の縁が下の縁に折り返し分だけかかるようにします(写真2)。
STEP2:両端から丸める



ひっくり返し、左端・右端それぞれ中心まで巻きます(写真1,2)。巻き終わったら、もう一度ひっくり返します(写真3)。
STEP3:重なりの上側をめくり上げ、横に引っ掛ける


中心部分の布が上下に重なっていることを確認しましょう。写真では右側が上、左側が下にきています(写真1,2)。まずは上側を横に向かってはがすようにして、端に引っ掛けます(写真3)。
STEP4:反対側も同じように


反対側も同じようにはがし(写真1)、端に引っ掛けます(写真2)。
STEP5:丸く形を整える

ひっくり返して、丸い形に整えます
STEP6:形を整えたら完成!

再度ひっくり返して、形を整えれば、おしぼりルンバの完成!
ここがポイント!
「難易度は『中級』でしょうか。STEP3とSTEP4で慎重さが求められますが、それほど難しくはありません」
アレンジで楽しみが広がるおしぼりアート!

新作の「ルンバ」は、過去に作った「赤血球」をアレンジしたものだとか。「完成した作品から別の作品を生み出すのも、おしぼりアートの醍醐味」とのことです。
最後は、「クラゲ」→「フライドポテト」→「キリン」に3変化するアレンジ技を紹介します!
STEP1:上下を巻く


裏面を上にして広げ、上下から中心に向かって巻きます(写真1)。両端を持ちながら、きつく巻いていくのがコツ(写真2)。
STEP2:折り曲げる

写真のように折り曲げます。
STEP3:クラゲの「かさ」を作る



折り曲げた中心部分の上側をほどくようにして広げていきます(写真1,2)。全体の2/3くらいまで広げればクラゲの「かさ」になります(写真3)。
STEP4:まずは「クラゲ」の完成!

「かさ」の形を整えるとクラゲの完成!
STEP5:逆さにすると「フライドポテト」

クラゲを逆さにして、「かさ」部分を四角に整えるとフライドポテトに!
STEP6:ポテトの両側を曲げると「キリン」

さらに、ポテト部分の両端を折り曲げると、キリンの顔になります!
身近なおしぼりを使って、いろいろなものが作れる「おしぼりアート」。これまでに作った作品は、250以上にもなるそうです。これなら、外食のときに子どもが騒いで困る心配もなさそうですね。
また、おしぼりアートは親子のコミュニケーションにも最適だといいます。
「身近なおしぼりがペンギンやネコになるのを見て、子どもは目を輝かせます。おしぼりでどんなものが作れるか、ぜひ一緒に考えてみてください。子どものやわらかい感性で、思いがけないものができるかもしれません」
実際に、小学校でおしぼりアートの講演をすると、子どもの発想力におどろかされることがよくあるといいます。
「講演では、簡単な作り方をいくつか教え、あとは自由に作らせます。適当に折ったり丸めたりとめちゃくちゃですが、必ずそこから何かの形を作り出します。子どもは合体させるのが好きなので、家族全員分のおしぼりも渡して大作を作らせてみてもいいですね」
安心して外食に出かけられ、子どもと楽しい時間を過ごすことができ、想像力まで育むおしぼりアート。次の外食の機会に、ぜひ親子で楽しんでみてください!