プールの季節になると流行するプール熱。子どもがプールで楽しく遊ぶためには、どのように予防すればいいのでしょうか? プール熱について、はまみこどもくりにっくの院長、佐藤研先生に伺いました。
「正式名称は咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)といい、夏風邪の一種です。39度~40度の高熱が4日~5日続き、のどの痛みが強く(咽頭痛)、目の充血や目ヤニが出ます(結膜炎)。さらに吐き気、腹痛、下痢を伴うこともあります。アデノウイルスという名前のウイルスが原因です。」
「感染力が強く、夏にプールを介して学童の間で流行するので『プール熱』の名があります。プールでは眼を見開いたり、口を開けた状態で泳ぐため、粘膜が無防備になります。そのため近くに感染者がいた場合、プールの水を通じて感染しやすくなります。しかし、プールに入らなくてもうつりますし、夏以外にも見られます。」
プールに入らなくてもうつる場合があるんですね! プール以外では、プール熱はどういった感染経路があるのでしょうか?
「多くは会話や咳・くしゃみといった、患者さんからの飛沫による感染、手指を介した接触感染、タオルなどを共用したことによる感染があります。」
プール熱は、幼児から学童までに多く見られる病気ですが、上の子が感染すると、下の子にもうつる可能性があります。兄弟姉妹がいる場合は特に注意が必要です。
「プール熱は、高熱やのどの赤み、結膜充血などの特徴的な症状から診断されます。クリニックでは、のどの拭い液などからウイルス抗原を検出するキット(検査)があり、診断に用いられています。」
「ほかの風邪と同様に特効薬はありません。自分の免疫力(自然治癒力)で治します。クリニックでも、出ている症状に対する対症療法のみです。例えば、熱やのどの痛みを抑える薬(解熱鎮痛剤)を処方します。」
自宅で親ができるサポートはどんなことがありますか?
「何日も高熱が続くので不安になるかも知れませんが、元気がある時は解熱鎮痛剤を使いすぎないようにしましょう。熱は体内のウイルスの増殖を抑えるための身体の防御反応なので、安易に解熱してしまうと、逆に症状が長引きます。」
「のどが痛く、熱も高いので、食欲がないのは仕方ありません。もし食事を嫌がる場合には、比較的食べやすいプリンやゼリー、アイスクリーム、冷めたおじや、豆腐などを試しましょう。脱水に気を付けて、食事ができない場合でも、水分は十分に取ってください。」
のどの痛みがあるので、のど越しの良い食べ物が良さそうです。痛みがひどく食べ物を口にできない場合は、水分補給だけでもしっかりしましょう。
ただ、症状が治まっても、体内のウイルスが完全に死滅したわけではなく、症状が消えた後も、1カ月ほどは便の中にウイルスが排出されます。登校可能な場合、基本的にはプールに入ることはできますが、プール前やトイレに行った後は手洗い、シャワー、腰まで浸かる消毒をしっかり受けさせましょう。
感染を拡大させないためにも、医師と相談してから登園・登校の時期、プールの授業への復帰時期を決めましょう。
「患者さんとの接触を避けることが基本で、他人とのタオルの貸し借りは止める等も大切です。流行時には帰宅時や食事前のうがいや手洗いを励行することが重要です。」
「プール熱は大人もかかります。看病する際は、保護者も手洗い、うがい等の感染予防をしっかりしましょう。長期間にわたり糞便にウイルスが排出されるので、お子さんがかかった場合には、発症中はもちろん症状が治まったあとも、排便後の手洗いを徹底させることが大切です。赤ちゃんがかかった場合には、親への二次感染を防ぐため、オムツ替え後に手洗いを十分するよう、注意してください。」
感染症を予防するには、手洗い、うがいが基本のよう。手洗いは、石けんをたっぷりあわ立て、手のひら、指、指の間、手の甲、指先、ツメの間、手首まで丁寧にこすり洗いし、十分に洗い流します。うがいは、口にふくんで強くうがいをする“クチュクチュペッ”を1回、上を向いてのどの奥まで届くようにうがいをする“ガラガラペッ”を2回、合計3回します。大人も子どもも、日頃から正しい手洗い、うがいを習慣づけておきましょう。
プールに入らなくてもうつるので注意!
そもそもプール熱とはどういう病気なのでしょうか?「正式名称は咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)といい、夏風邪の一種です。39度~40度の高熱が4日~5日続き、のどの痛みが強く(咽頭痛)、目の充血や目ヤニが出ます(結膜炎)。さらに吐き気、腹痛、下痢を伴うこともあります。アデノウイルスという名前のウイルスが原因です。」
「感染力が強く、夏にプールを介して学童の間で流行するので『プール熱』の名があります。プールでは眼を見開いたり、口を開けた状態で泳ぐため、粘膜が無防備になります。そのため近くに感染者がいた場合、プールの水を通じて感染しやすくなります。しかし、プールに入らなくてもうつりますし、夏以外にも見られます。」
プールに入らなくてもうつる場合があるんですね! プール以外では、プール熱はどういった感染経路があるのでしょうか?
「多くは会話や咳・くしゃみといった、患者さんからの飛沫による感染、手指を介した接触感染、タオルなどを共用したことによる感染があります。」
プール熱は、幼児から学童までに多く見られる病気ですが、上の子が感染すると、下の子にもうつる可能性があります。兄弟姉妹がいる場合は特に注意が必要です。
プール熱にかかったらどうする?
プール熱の診断方法
では、プール熱はどのように診断されるのでしょうか?「プール熱は、高熱やのどの赤み、結膜充血などの特徴的な症状から診断されます。クリニックでは、のどの拭い液などからウイルス抗原を検出するキット(検査)があり、診断に用いられています。」
プール熱の対処法
万が一かかってしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?「ほかの風邪と同様に特効薬はありません。自分の免疫力(自然治癒力)で治します。クリニックでも、出ている症状に対する対症療法のみです。例えば、熱やのどの痛みを抑える薬(解熱鎮痛剤)を処方します。」
自宅で親ができるサポートはどんなことがありますか?
「何日も高熱が続くので不安になるかも知れませんが、元気がある時は解熱鎮痛剤を使いすぎないようにしましょう。熱は体内のウイルスの増殖を抑えるための身体の防御反応なので、安易に解熱してしまうと、逆に症状が長引きます。」
「のどが痛く、熱も高いので、食欲がないのは仕方ありません。もし食事を嫌がる場合には、比較的食べやすいプリンやゼリー、アイスクリーム、冷めたおじや、豆腐などを試しましょう。脱水に気を付けて、食事ができない場合でも、水分は十分に取ってください。」
のどの痛みがあるので、のど越しの良い食べ物が良さそうです。痛みがひどく食べ物を口にできない場合は、水分補給だけでもしっかりしましょう。
登園・登校可能時期
「学校保健安全法によると、熱が下がってのどの痛みがなくなってから2日経過すれば、保育所の登園や学校などの登校は可能です。」ただ、症状が治まっても、体内のウイルスが完全に死滅したわけではなく、症状が消えた後も、1カ月ほどは便の中にウイルスが排出されます。登校可能な場合、基本的にはプールに入ることはできますが、プール前やトイレに行った後は手洗い、シャワー、腰まで浸かる消毒をしっかり受けさせましょう。
感染を拡大させないためにも、医師と相談してから登園・登校の時期、プールの授業への復帰時期を決めましょう。
プール熱予防の基本は、手洗い、うがい
感染力が高いプール熱を予防する方法はあるのでしょうか?「患者さんとの接触を避けることが基本で、他人とのタオルの貸し借りは止める等も大切です。流行時には帰宅時や食事前のうがいや手洗いを励行することが重要です。」
「プール熱は大人もかかります。看病する際は、保護者も手洗い、うがい等の感染予防をしっかりしましょう。長期間にわたり糞便にウイルスが排出されるので、お子さんがかかった場合には、発症中はもちろん症状が治まったあとも、排便後の手洗いを徹底させることが大切です。赤ちゃんがかかった場合には、親への二次感染を防ぐため、オムツ替え後に手洗いを十分するよう、注意してください。」
感染症を予防するには、手洗い、うがいが基本のよう。手洗いは、石けんをたっぷりあわ立て、手のひら、指、指の間、手の甲、指先、ツメの間、手首まで丁寧にこすり洗いし、十分に洗い流します。うがいは、口にふくんで強くうがいをする“クチュクチュペッ”を1回、上を向いてのどの奥まで届くようにうがいをする“ガラガラペッ”を2回、合計3回します。大人も子どもも、日頃から正しい手洗い、うがいを習慣づけておきましょう。