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ほおづえ、指しゃぶりはNG!歯並びを悪くする子どもの生活習慣

親として気になる子どもの歯の健康。虫歯はもちろん、歯並びにも気を配りたいところですが、じつは普段の何気ない生活習慣が歯並びを悪くしてしまうことがあるそう。そこで、矯正専門の歯科医院を40年以上営む大野粛英(としひで)先生に、歯並びを悪くする生活習慣と予防法についてお話を聞きました。

乳歯は永久歯が生えるための道案内役

ひと口に「悪い歯並び」といっても、どのようなものがあるのでしょうか?

「『出っ歯』のほか、下あごが前に出たかみ合わせである『受け口』、奥歯をかんでいるのに上下の前歯の間にすき間ができてしまう『開咬(かいこう)』などがあります。」

「悪い歯並びには、親の骨格や歯並びが遺伝した先天性のものもありますが、指しゃぶりなどの習慣によって生じてしまう後天的なものがありますね。例えば、開咬になると食べるときにクチャクチャ音が出たり、幼児っぽい不明瞭な発音になったりするなど、見た目以外にもさまざまな悪影響が現れます。」

乳歯はやがて永久歯に生え変わってしまいます。永久歯に生え変わっても、歯並びはそのまま変わらないのでしょうか?

乳歯は永久歯がきちんと生えてくるための道案内役です。顔やあごの成長期である乳児期に歯並びが悪くなってしまうと、その歯並びのまま永久歯に変わってしまいます。歯並びに良くない習慣は、早めに対策をたてるとよいでしょう。」

「乳歯は抜けてしまうから」と楽観視せず、乳歯の時期にこそ良い歯並びを保つようにすれば、大人になってからもキレイな歯並びでいられるというわけですね。


指しゃぶり、ほおづえ…歯並びに影響がある習慣とは

歯並びが悪くなってしまう生活習慣といえば、代表的なものが「指しゃぶり」です。

「ひと昔前は、指しゃぶりをするのは欲求不満のあらわれなどと言われていました。現在は指しゃぶりの9割は、一度覚えたものが習慣化したものとされています。特別な理由なしに、『気分が落ち着く』などでついついやってしまうのですね。」

「頑固な指しゃぶりは、上下の前歯にすき間ができ、出っ歯や開咬の原因となります。とくに親指をしゃぶると、上の前歯や上あごを前方に押し出して出っ歯になります。」

大野先生によると、指だけでなく、下唇を吸う癖(咬唇癖[こうしんへき]という)や、タオルをしゃぶったりする癖も同様に出っ歯になってしまうそう。また、舌の癖にも要注意。開咬では、前歯に開いたすき間から飲み込むときに舌を出す癖がついてしまうと、舌で前歯を押し開けてしまいうという悪循環になるのだとか。

放置すると顔にゆがみが現れる癖も

そして指しゃぶり以外に気をつけたいのが「ほおづえ」や「寝癖」です。

「成長期の顔の骨格はまだ柔らかいため、『ほおづえ』をつくなどして顔の外側から常に力を加えていると、顔にゆがみが現れてしまいます。テレビを見たり、本を読んだりするときは、あまり『ほおづえ』をつかないほうがいいですね。また、寝るときにどちらか片方ばかり下にしているのも、顔の骨格をゆがめる原因になります。」

その他、アレルギー性鼻炎などがなくても、普段の生活で習慣的に口を開けている口呼吸は歯並びを悪くするそう。

また、生活習慣以外では「虫歯」も歯並びを悪くする原因になります。乳歯だからといって虫歯を放置したり、歯を抜いてすき間ができたりすると、永久歯が正しい位置に生えてこないのだとか。食事のあとの歯みがきなど、基本的な歯のケアもお忘れなく。


歯並びに良くない習慣をやめさせるには…?

大野先生によると、生活習慣が原因で歯並びが悪くなっている場合、乳歯列(4〜6歳)のうちに習慣を改善すれば、矯正治療をしなくても歯並びが元に戻るそう。

「まだ乳歯列であれば、成長にともなって歯並びが自然にあるべき姿に戻ってきます。前歯が永久歯に生え変わると矯正治療が必要となってしまうので、早いうちに悪い癖を取りのぞいてしまうことが大切です。」

歯並びに最も悪影響がある指しゃぶりについて、大野先生は目安として「5歳までにはやめるようにしたい」と言います。

2〜3歳の指しゃぶりは生理的なものなので、無理にやめさせずに見守ってください。4〜5歳の指しゃぶりはただ学習した習慣が続いているものなので、この頃までにやめるようにしたいですね。昔は指にカラシを塗るなどしたものですが、やはり一度ついた習慣は無理に変えようとしてもなかなかうまくいきません。」

禁煙やダイエットの経験がある大人なら、ある日突然、生活習慣を変えても長く続かないことはわかりますよね。習慣を少しずつ改善するために、大野先生の医院では行動療法を活用した、指しゃぶりをやめさせるカレンダーを使っているそうです。

ごほうびの設定で楽しく指しゃぶりをやめさせる

具体的な方法は『2週間シールが続いたら欲しかったものを買う』など、ごほうびを設定して「指しゃぶりをしないで済んだ日にはカレンダーにシールを貼ります。子どもが自分の意志で指しゃぶりをやめるよう指導しています。ただ、寝つくときに無意識に指しゃぶりをしてしまう場合は、昼間遊ばせて寝入りを早くする、添い寝のときに手をつなぐなど、親の協力も必要になります。」

指しゃぶりやほおづえを続けると歯がどうなってしまうか、親よりも歯科医などの第三者に説明されると、子どもも納得しやすいそう。子ども・親・歯科医が力を合わせながら、きれいな歯並びを守っていきましょう。

★この記事のポイント★

  1. 乳歯の時期によい歯並びを保つ習慣をつけることが大事
  2. 「指しゃぶり」は出っ歯の原因に
  3. 「ほおづえ」や「寝癖」は顔の骨格に影響する
  4. 指しゃぶりは5歳までにやめさせる
  5. 親と歯科医との連携でわるい習慣をやめさせる

お話を聞いたのは…

  • 大野粛英さん(大野矯正クリニック理事)

    日本歯科大学大学院卒業後、1970年、大野矯正クリニック開業。子どもの指しゃぶりや舌癖を治す治療を行う、全国でも数少ない歯科医院。園医や校医も長年務め、子どもの歯科治療に広く携わっている。著書に、絵本「ゆびしゃぶりやめられるかな」「指しゃぶり-基礎から指導の実際-」(ともに共著/わかば出版)など多数。

  • 大野矯正クリニック
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ライター紹介

井上マサキ

1975年生まれ。小学生の娘と保育園の息子を持つ二児の父です。SE時代に会社で男性初の育児休暇を取得。フリーライターに転身後も家事育児を続け「ほぼ主夫」状態に。IT、ネット、スマホが得意分野。路線図が好きで、額縁に入れて飾るほど。

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