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早生まれは体力・学力で不利!?親ができるサポートは?

2015年11月18日近藤 浩己

4月から、みんな同時にスタートする新学期。でも、同学年でも、早生まれ(1月〜3月生まれ)の子と、4月〜6月生まれの子では、1歳近くの差があります。生まれた時期が遅い早生まれの子は、ほかの月に生まれた子に比べて、学力や体力に差が出るものなのでしょうか? 専門家に聞いてみました。

「早生まれ」の定義って?

辞書によると、早生まれの定義は、「1月1日から4月1日までの間に生まれた人」。小学校での1学年は「4月1日から翌年の3月31日まで」と定められているため、早生まれの子どもは、6歳の誕生日が来てすぐに入学することになります。

4月2日生まれの子と、翌年の4月1日生まれの子が同じ学年になる場合に、6歳の誕生日から入学までの時間差は最大となり、丸1年も違うことに。ほかの子どもたちより少し幼い早生まれの子が、勉強や体育の授業で、みんなに遅れをとってしまうことはないのでしょうか?


知能面:差が大きく出るのは3歳まで。5歳頃には差なし

小学校に入学する頃には、早生まれの子とそうでない子との間に、発達による差はほとんどないと思います。」

こう話すのは、谷町こどもセンター(大阪市)で所長を務める、臨床心理士の日下紀子さん。発達段階の違いが大きく出るのは3歳くらいまでで、5歳を迎える頃にはそうした差はなくなってくると言います。

「3歳ごろまでは、ハサミやノリといった道具の使い方や、お絵かきで書く図形の複雑さなど、発達による差が確かにあると思います。でもそこからは、経験などによる個人差のほうが大きくなっていきますよ。」

つまり、小学校に入学する6歳〜7歳では、知能の発達面で早生まれによるハンディキャップはほとんどないということなんですね。

運動面:早生まれの運動選手もいっぱい!長所を伸ばそう

身長や体重などの体格差、運動能力の面ではどうなのでしょうか。

「トップアスリートは4月〜6月生まれが多いという海外の研究データもありますが、私は正直、あまり関係ないと思っています。だって、早生まれでも世界で活躍している選手はたくさんいますから。」

「例えば、サッカーの日本代表なんて、香川選手、遠藤選手、長谷部選手、川島選手など早生まれの選手がたくさん。野球でも、メジャーリーグで結果を残した黒田選手や青木選手など、数え上げればキリがありません(笑)。」

「小泉元首相もノーベル賞の湯川秀樹さんも早生まれ。生まれ月なんて気にせずに、子どもの長所をいっぱい見つけて伸ばしてあげればいいと思います。」

身長などの体格差、運動の得意・不得意も、それはそれぞれの個性と受け止めて、長所を伸ばすことが大切なんですね。


笑顔で見守ることが一番のフォロー

でも、発達の個人差が大きな5歳くらいまでは、同学年のお友達の遊びについていけないこともあるかもしれません。そんなとき、ママはどんなフォローをしてあげればよいのでしょうか?

基本的には、できていたところを褒めて自信をつけてあげてください。ヒーローごっこや、サッカーなどのボール遊びでも、体が小さいと力負けしてしまうこともあると思います。そんな時でも『まだ小さいのにがんばったね』『最後まで諦めなかったね』と、いいところを見つけて褒めてあげる。そうすると、またがんばろうと前向きに考えやすくなりますよ。」

ママの『がんばったね!』『大丈夫だよ!』の声と笑顔が、何よりも子どもの自信につながるそう。

「ママのがっかりした顔を見ると、子どもは『失敗したんだ』と感じます。子どもの自信を失わせないためにも、ママはできるだけニコニコと見守ってあげてくださいね。」

焦らず「今できること」を楽しもう!

ほかにも、「今できること」を楽しむのも、自信を失わせないフォローの一つだとか。

「サッカーのような複数人でゲームする遊びで力負けしてしまうと、気後れして遊びに参加できなくなるケースもあります。そんなときは、ママと二人でボールを蹴りあったり、『サッカーでいっぱい走れるように、かけっこの練習をしようか』などと声をかけて、無理なくできることを楽しめばいいと思います。」

発達の個人差があるうちは、どうしても筋力ではかなわないもの。そのうち差はなくなってくるので、今できる遊びをめいっぱい楽しめば良いのですね。


「早生まれだから仕方ないね」はNG!

フォローのつもりで言ったのに、逆に子どもがやる気を無くしてしまう言葉もあるそうです。

『早生まれだから仕方ない』という言葉は、できなくて当然なんだと思わせてしまいます。『がんばればうまくなれるかも!』という子どもの希望を閉ざしてしまう可能性もあるので、気をつけて。『これからまた大きくなって、どんどん上手になるよー!』と夢をもたせてあげてくださいね。」

比べて落ち込んでいるのはママの方?

最後に、早生まれの子を育てるママにぜひ伝えたいことがある、と日下さん。

「5歳くらいまでの子どもは、目の前の遊びにとにかく夢中。できる・できないをお友達と比べるということもあまりありません。どちらかというと、比べて気にしているのはママの方。小学校に入学する頃には同じように成長していますから、お友達の成長とあまり比較しないで、我が子の個性を伸ばしてあげてくださいね。」

早生まれだからといって、体力も学力も心配することはないのですね! 幼い頃に他の子より苦手なことがあっても「これも個性」と受け止めて、我が子の成長を見守りましょう。

お話を聞いたのは…

  • 日下紀子さん

    臨床心理士。教育学博士。精神科の診療所で臨床心理士として活躍後、親子のカウンセリングを行う「谷町こどもセンター」(大阪市)へ入所。現在は所長として、12名の臨床心理士と共に、日々親子の成長をサポートしている。

  • 谷町こどもセンター
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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