「紙オムツを洗濯機で洗ってしまった!」「鼻血のシミが取れない!」…こんなとき、一体どうすればいいでしょう? 子育て中に起こりがちな洗濯トラブルの正しい対処法について、花王でファブリックケアに携わる河野千絵さんにお話を聞きました。
紙オムツを洗濯機で洗ってしまった!

あやまって紙オムツを洗濯してしまった…。子育てママなら、一度は経験があるのではないでしょうか。洗濯機の中にはゼリー状の粒が散らばり、服にもびっしり。見ただけで泣きたくなりますが、どうすれば落ちるのでしょうか。
「ゼリー状のものは、正式には『高分子吸収体』。ポリマーとも呼ばれ、水分を吸収すると膨らんでゼリーのようになります。服がぬれた状態で、洋服ブラシで払い落とすか、衣類によっては傷めてしまう恐れがあるので注意が必要ですが、粘着テープで取り除くかすれば、大半が取れるはずです。」
服が乾いてからでは遅いのでしょうか。
「ポリマーは、乾燥するのにとても時間がかかるため、服が乾いてもゼリー状のままなんです。そのため、服がぬれているほうが取れやすいですね。服が乾いたあとも服の表面にポリマーが残っている場合は、もう一度洋服ブラシで落とすか、衣類をよく振って落としてください。それでも取りきれない場合は、もう一度洗濯をおすすめします。」
ちなみに、ポリマーは安全性が確認されている素材。肌に触れても心配ないそうです。
洗濯機に残ったポリマーは?
洗濯機の中に大量のポリマーが残っているときは、どうやってお掃除すればいいのでしょうか?
「まずは洗濯槽をティッシュペーパーなどで拭き取ってください。一度で取りきれない場合は、もう一度水をためてすすぐのが効果的です。くず取りネットにも回収されるので、中にたまったごみを捨ててくださいね。」
ちまたでは、塩を入れると高分子吸収体が溶けるとのうわさもあるそうですが、「花王としてはおすすめしていません」とのこと。塩を入れると洗濯機が錆びるなど故障の原因となることもあるので、できれば控えたほうが良さそうです。
【トラブル2】ウンチ汚れが取れない!

子どもにありがちなウンチのおもらし。でも、洋服まで汚れてしまって、シミが残ることがありますね。こんなときは、どうすればキレイになるのでしょうか?
「ひとまず、汚物を取り除き、ぬるま湯で予洗いをしましょう。そのあと、洗剤と漂白剤でつけ置きをするのですが、白物と色柄物では、使う漂白剤が違うんです。」
漂白剤には、塩素系と酸素系の2種類があります。塩素系は色落ちするので白物専用。一方、酸素系は色落ちの心配がないので白物はもちろん、色柄物でもOKなのだそうです。
「花王製品であれば、白物・色柄物に使える『ワイドハイター(酸素系漂白剤)』がおすすめです。白物の場合で、洗濯ラベルの“エンソサラシ”に×印がついてなければ、『ハイター(塩素系漂白剤)』が良いですね。」


なお、つけ置きの温度は、漂白剤の酵素が働きやすい「30度〜38度」が良いそうですよ。
【トラブル3】鼻血のシミが取れない!
時間が経てば経つほど、取れにくくなる血液のシミ。きれいに落とす方法について、河野さんに順を追って説明してもらいました。
用意するもの
洗剤、ティッシュ、歯ブラシ
血液染みを落とす手順
- ティッシュを敷き、シミがついている面を下にして洋服を置く。
- 水をつけた歯ブラシで、シミの周辺から中心に向かってたたき、下のティッシュにシミを移していく。
- 何度かティッシュの位置を変えて、シミの色がティッシュにつかなくなるまで優しくたたく。
この方法で大抵のシミは落ちるそうですが、それでもダメな場合はどうしたら良いのでしょうか?
「洗浄力が高い洗剤と、白物・色柄物ともに使える『ワイドハイター』などの酸素系漂白剤でのつけ置きがおすすめです。」
ただし、先のウンチの場合と違って血液の場合には冷水で洗うのがポイントだそう。
「血液はタンパク質と色素でできており、温度が高いと変質して落ちにくくなってしまうので、お湯はNGです。必ず水を使ってくださいね。」
子育て中に起こりがちな洗濯トラブルも、対処法がわかると安心ですね。困ったときにぜひ参考にしてみてください。