子どもの健康を脅かすカビや雑菌は、家中のいろんなところに潜んでいます。大掃除では、そんなカビや雑菌まですっきりきれいに退治して、子どもがのびのび過ごせる環境を整えたいもの。All About「家事・掃除・子育て」ガイド 藤原千秋さんに聞く、子どもの健康を守る大掃除の方法。第3回は洗濯機編です。
水分や洗剤の残りカス、汚れがカビの原因に
水を扱う上、洗剤の残りカスや衣類に付着した汚れなどがこびりつく洗濯槽は、カビや雑菌が繁殖しやすい場所。中でも、1年以上掃除をしていない洗濯機は、表面はきれいに見えても洗濯槽内にカビが大量発生している可能性が高いと言います。
「ピロピロとした黒いワカメのようなものが洗濯物に付着していたことはありませんか?それが洗濯槽の裏側に発生した黒カビです。また、目に見える黒カビはなくても、細かく砕かれたカビが水に混ざっていることも。このように、洗濯槽の内部にカビが生えると、カビが混ざった水で洗濯をすることになります。」
カビが混ざった水で洗うと、タオルや衣類にカビが付着。そうした形でカビに触れることが、アトピー性皮膚炎の原因の一つとも言われているそうです。
子どもをカビから守るためには、洗濯槽のカビを撃退する掃除が必要です。
専用の洗剤を、洗濯機のタイプに合わせて選んで
洗濯槽の掃除に使う洗剤は、大きく2つに分かれます。
- 主成分が酸素系漂白剤=縦型洗濯機
- 主成分が塩素系漂白剤=ドラム式洗濯機
「酢や重曹を使った掃除方法が紹介されていることもありますが、基本的にカビは、酢、重曹などでは取り除けません。市販されている洗濯槽用の洗剤を、洗濯機のタイプに合わせて選んでください。」
洗濯機の説明書を事前にしっかりチェック!
さらに大切なのは、洗濯槽洗剤と合わせて、洗濯機そのものの説明書を確認すること。洗濯機の説明書には、おすすめの洗濯槽洗剤や、洗濯機のメンテナンスの方法も記載されています。
「インターネットなどでいろいろな掃除方法を目にすることもあるかと思いますが、洗濯機を作ったメーカーが書いている説明書が一番の教科書。洗い方だけではなく、そうしたページも改めて確認してみてほしいですね。」
洗濯槽洗剤は、基本的に洗濯槽に投入して適したボタンを押すだけ。とはいえ、どのコースで使うのが一番効果的なのかなどは、洗濯機の説明書で確認したほうが安心です。
ちなみに、1年以上洗濯槽を掃除してなかった場合は、何回か繰り返して洗濯槽洗剤を使って掃除をしたほうがいいと藤原さん。
「1年以上掃除していない洗濯槽の裏側は、カビが層のようになっていることも。これまで放っておいた分、しっかりと掃除してあげてくださいね。」
日頃の注意でカビを予防することが大切
さらに、洗濯機で衣類などをきれいに洗うためには、生えたカビを除去するだけではなく、日頃からカビが生えないように心がけることも大切だと藤原さんは言います。
「カビが生えないように使えば、洗濯機そのものも長持ちします。汚れ物と水気が絶えない洗濯機は、どうしてもカビが生えやすいもの。でも、ちょっとした心がけでカビの発生を抑えられるので、普段から気をつけてもらえたらと思います。」
洗濯槽にカビを生やさないための予防法はこちら。
- 使っていない時は扉(蓋)を開けておく
- 洗濯時以外は、汚れものを洗濯槽に入れない
- 乾燥機が付いている機種なら、週に3回くらい乾燥機を使う
- 洗濯槽洗剤を使った洗浄を3カ月に1回は行う
洗濯機をなるべく乾燥させておくのがカビ防止のポイント
常に水を使う洗濯機は、なかなか内部まで乾かないもの。湿度を上げないためにも、使うとき以外は扉を開放しておいたほうが良いそうです。
また、洗濯槽をランドリーバッグ代わりに使うのはNG! 脱いだ衣類を、そのまま洗濯機に放り込んで洗濯機を回す時まで放置しておくのはやめましょう。洗っていない洗濯物には、汗や汚れが付着しています。それらを洗濯槽に入れっぱなしにすると、汚れと湿気によって洗濯物に雑菌が繁殖する原因にもなります。
「使用時以外は、洗濯槽の中には何も入れないこと。扉を開け、中を空っぽにしておくことで乾燥も促されますよ。」
乾燥機は、1時間だけでもいいので定期的に使うことで、洗濯槽をからりと乾燥させてくれるのだとか。機能が付いているなら、積極的に使ったほうが衛生面では効果的です。
こうした日頃のメンテナンスを行いながら、3カ月に1度程度洗濯槽を掃除すれば、子どもの衣類をいつも清潔に洗えます。
毎日安心して服に袖が通せるように、洗濯機のお掃除を一度見直してみてはいかがでしょうか。