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マッチ1本&初心者でもできる!焚き火を楽しむテクニック

掲載日: 2016年3月28日更新日: 2017年5月16日小田巻 美穂子

外で過ごすのが気持ち良い季節になってきました。アウトドアと言えば焚き火を思い浮かべる方も多いと思いますが、薪に火をつけるのは難しそうなイメージがありますよね。そこで今回はイベントなどでキャンプファイヤーなどの火起こしを担当しているアウトドアライターの渡辺信吾さんに焚き火の魅力とやり方について伺いました。

暖かいだけじゃない! 焚き火には癒やし効果もある

画像提供:渡辺信吾さん

春から夏にかけてのアウトドアシーズン。夏に焚き火なんて…と思う方もいるかもしれませんが、実は高原などにあるキャンプ場の夜は冷えるため、焚き火をするキャンパーは多いそうです。まずは、焚き火の魅力についてお聞きしました。

暖かいのはもちろんですが、火を見ていると飽きないんですよね。燃え始めとか、炎が揺れている状態とか眺めているだけでおもしろいんです。炎の揺れ方は人に快適感やヒーリング効果を与えると言われている『1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ』とも言われています。気がつけばキャンプでは年中焚き火をしていますね。一度やってみたらその魅力がわかってもらえると思います」(渡辺さん)。

暖を取ることだけが目的ではなく、ヒーリング効果まであるとは! 焚き火の楽しさに惹きつけられる人が多いのも頷けます。


焚き火をやって良い場所、必要な道具を教えて!

では、どこで焚き火をすればいいのか。キャンプ場ならどこでもOKなのでしょうか?

キャンプ場ならどこでも大丈夫ですが、直火(地面に石や薪を置いて火を付ける行為)はNGとしているキャンプ場が多いですね。直火OKのキャンプ場は少ないので、焚き火をしたいと思ったら、焚き火台を購入する方がおすすめです。キャンプ場でレンタルできる場合もありますよ」

焚き火台のほか、焚き火に必要な道具は以下の通り。どれもホームセンターなどで購入できます。

焚き火に必要な道具

◎マッチ(ライター)
◎焚き火台(芝生の上で使う場合はプレート or 専用シートも)
◎鉈(なた・薪を細くするのに必要。ホームセンターで購入できる)
◎トング(焚き火台から落ちた薪を拾うため)
◎薪(キャンプ場で販売されていることが多い)
▲グローブ(トング越しでも手が熱くなる場合があるのであると安心)

薪を細く割るのに便利な鉈(画像提供:渡辺信吾さん)

薪の太さを5段階にしておくと着火しやすい

着火には細い薪を使うのが重要(画像提供:渡辺信吾さん)

薪を購入したら、まずは鉈で5段階の太さに割っておくと、燃えやすくなるそうです。

「キャンプ場で薪を購入したら、まずは鉈で薪を細く割って燃えやすくする材料を作ります。太さの目安は5段階。

用意したい薪の太さの目安

  1. 笹がきゴボウくらいのものを10本くらい
  2. 割り箸程度の細さのものを10本
  3. 小指くらいの太さのものを5〜6本
  4. 親指くらいの太さのものを4〜5本
  5. 指2本分くらいの太さのものを4〜5本

さらに松や杉の枯れ葉を2つまみほど用意します。キャンプ場で販売されている薪はたいていが太いまま。太い薪にいきなり火をつけてもいつまで経っても燃えません。細かい薪を作ることで着火しやすくなるんです。この作業をしっかりしておけばあとは楽勝ですよ!」

少し面倒な気もしますが、薪を割っておくことで火のつきやすさが変わるなら重要ですね。鉈を初めて使う人は怪我をしないように注意しながらトライしてみましょう。


炎が広がりやすい三角形に薪を組み上げよう

薪はティピー型に組むのがポイント(画像提供:渡辺信吾さん)

ではいよいよ火をつけます。まずは割った薪を焚き火台の上に組み上げていく作業から

一番下に枯れ葉、そして小割にした薪を細い方から順に焚き火台の上にティピー型(縦長の三角形)にのせていきます。その際、後ろに太めの薪を置いておいてそこに立て掛けるようにして置いていくとスムースです。なぜティピー型がいいかというと、炎は下から上へと燃えていくため。一番効率的な形です」

薪が組み上がったらいよいよ着火。マッチもしくは極細の『1』の薪にライターで着火して、それをティピー型に組んだ薪の中心部に入れます。しばらくすると細い薪に火が移りだんだんと燃えてきます。ワクワクする瞬間でもあります。ここでのポイントは風があたらないようにすること。風がある場合は周りを人で囲むか風防を作るといいでしょう。『1』の材を多めに用意しておくと火がうまく付かなかった場合にそれを追加してすぐにリトライ(追い薪)できるので時間のロスが防げます」

薪の割り方と組み方しだいで、マッチ1本で簡単に火をつけることができるとは驚きですね。

着火の際の注意点

やってはいけないのは着火してすぐに吹いたりあおいだりすること。温度が下がって火が消えてしまいます。最初は風があたらないようにしてじっと見守りましょう。吹いたりあおいだりが有効なのは熾火(おきび・薪がオレンジ色になった状態)になったとき。この状態で酸素をおくってあげると火は勢いを取り戻します」

基本的なやり方がわかったら、あとは何度も実践することで自分なりのコツがつかめると渡辺さん。バーベキューなどで使った炭を焚き火の着火剤として利用すると炭の処理もできて一石二鳥だそうです。また、内側にパラフィン紙がついている牛乳パックは着火剤代わりになるので、いざという時のために常備しておくと良いとか。

ササッと火がおこせたら一目置かれること間違いなし! また火起こしは男性担当とされがちですが、この方法なら誰でも簡単にできますので女性もぜひ挑戦してみてください!

お話を聞いたのは…

  • 渡辺信吾さん

    アウトドア系野良ライター。フェス会場でのキャンパーサポートやコーディネーターとしても活動中。波乗り、雪乗りで一年中真っ黒。

ライター紹介

小田巻 美穂子

1976年生まれ。フリーランスで編集者・ライターとして、アウトドア系雑誌を中心に(一般誌も少々)活動中。6歳男児+現在妊娠5か月です。キャンプ&登山が家族共通のアクティビティ。博物館や美術館系のワークショップ、イベント事にはやや疎く、誘われて参加することが多いです。個人的な趣味はコーヒーと手芸。現在、靴制作の修行中です。

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