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子どもの左利きは矯正しない方がいい!?【育児の新常識】

子どもが左利きと気づいた場合、右利きに矯正したほうがいいのか悩む方も少なくないと思います。昔は矯正するのが当たり前でしたが、今は左利きのままでよいという風潮に変わってきているようです。そこで、子どもの左利きは矯正しない方がいいのか、教育評論家の親野智可等さんにお話を伺いました。

「左利きは右利き社会で不便」と言われていたけれど…

昔は、「左利きの子は、右利きに矯正したほうがいい」という考えが一般的で、左利きの子どもを見ること自体がめずらしかったように思えます。

「多くの人が右利きなので、昔はそれに合わせて、ハサミなどの文房具を始め、社会のあらゆるものが右手用に作られていました。左利きにとってはとても不便な社会だったので、右利き中心の社会に対応できるように、左利きの子は矯正するのが当たり前だと昔は教育されていたのです。また、昔は何事においても、『少数派は間違っている。直さなければ』という発想が多かったのもひとつの要因です。」

しかし、今は左利きのままで矯正しないことも多いよう。

「最近は社会も多様化し、『みんな違っていい』という考えが浸透してきて、『個性尊重』『人権尊重』と言われ始めてきています。そのおかげで現在では『左利きも個性』と見なされるようになり、矯正しなくてもよいと考えられるようになりました。」


親は子どもの左利きを個性と捉え、受け入れるべき

こうした時代背景とともに、矯正による子どもの精神的ストレスが大きいことも、矯正を勧めなくなった理由の1つだとか。

「そもそも『左利きを直す』という言葉自体に、差別的発想がある」と親野さん。「左利きではいけない」と感じて、子どもは自分が否定されたように感じてしまうそうです。

「利き手を直すのは、子どもにとって簡単なことではありません。なので、大人にいくら『右利きに直しなさい』と言われて、子どもがその気になっても、思い通りに直せないでいると、自分の能力や努力不足のせいと思い込み、自信を失くしてしまう可能性があるのです。」

さらに、左利きがなかなか直らない子どもに対して、「左手はダメでしょ」「何度言ったらわかるの?」「習字は右手と言ったでしょ?」と親が叱ったり、怒ることは、子どもの自信を喪失させるだけでなく、親子の良好な関係の形成を妨げることにもなるそう。

「子どもは叱られることが多いと、『自分は愛されていないのではないか』『もしかしたら嫌われているのではないか』などの疑念が出て、親への不信感にもつながってしまうんです。」

「それでも厳しく矯正し続けると、そのうちに大人がいるところでは右手、いないところでは左手と、子どもは使い分けをするようになります。これが、子どもの心にうしろめたさや心苦しさを覚えさせてしまいます。それが積み重なると、大人に対して反発心を持つようになってしまいます。」

矯正により子どもを苦しませるぐらいなら、左利きという個性をセールスポイントにするぐらいの気持ちで子育てをしてほしいです。実際、今の時代は、『人と違う個性がセールスポイントになる時代』『自分の特色を最大限生かせる時代』なのです。まずは、子どもに左利きであることに自信を持たせてほしいです。」


左利きのメリットを話して、子どもに自信を持たせよう

個性が生かせる世の中に変わってきているのは、左利きの子を持つ親にとってはうれしいことですが、まだまだ左利きはめずらしがられる存在でもあります。

子ども自身が「なぜ、ぼくは左利きなの?」と聞いてきたり、「右利きに直さなくていいの? みんなは右利きだけど…」などと、気にすることもあるかもしれません。そんなときは、「生まれつき、右利きの人もいれば左利きの人もいるのよ。左利きでできることを伸ばせばいいんだよ」と伝えるといいそうです。

子ども自身が左利きであることをコンプレックスに感じている場合には、左利きのメリットを話すと、自信を持たせることができます

左利きは右脳が発達していて、イメージによる把握や直感的な理解に優れているので、芸術家や独創的なひらめきを持つ、天才の割合が多いと言われています。」

左利きには天才やスポーツ選手が多い!? 

実際、歴代の偉人たちには、左利きの人も多いそう。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ピカソ、ミケランジェロ、ベートーヴェンなどの芸術家や、発明家として知られるエジソン、そしてニュートンやアインシュタインも左利きとして知られています。

現代社会で活躍している文化人でいえば、ビル・ゲイツ、オバマ大統領などがいます。日本人では、坂本龍一さん、ダウンタウンの松本人志さん、小栗旬さんなど、個性的で各ジャンルの第一線で活躍している人ばかりです。

さらに、野球やサッカーなどのスポーツでも、左利きの選手が活躍していたり、重宝されています。

野球では、一塁に近いバッターボックスに立てる左利きの選手は、バッティングでは特に有利なのです。そのため、イチロー選手のように、本来右利きなのに、打つときだけは左で打てるように練習する人もいるようです。また、ピッチャーでも左投手は有利とされています。」

サッカーでも、メッシ選手や本田圭佑選手など、利き足が左の選手は『レフティ』と特別な名称で呼ばれるほど貴重で、優秀な選手が多いです。これは、その時々の状況を、右脳で瞬時に判断できるからだと言われています。」

ボクシングなど他のスポーツでも、多くの選手が右利きで、左利きの選手に慣れていないため、左利きが有利な場合も多く見られます。

ぜひ、左利きの子どもには、「左利きにもいいことがたくさんある」ということを伝えて、自信を持たせてください。


左利きの子どもが不自由しない社会を作るために

最後に、左利きの子を育てているご両親に、親野先生からのメッセージです。

「昔よりは左利きに理解のある世の中になったとはいえ、今でも左利きにとっては不便な点もあります。ですが、左利きを直すことに時間を割くよりも、自分が好きなことに打ち込める時間を取った方が子どもにとって将来のためになります。」

「左利きの子どもを持つ親には、『自分たちが社会をより良くしていく』くらいの気持ちを持ち、子どもの個性を伸ばしてほしいです。矯正せずにいることで、いかに右利き優先の社会になっているかを世間に訴えることもできます。」

「すると、右利きの人たちも社会全体がいかに左利きの人たちを差別しているかを理解して、左利きの人も不自由な思いをしない社会になっていくと思います。」

左利きは矯正するのが当たり前だった、昔。左利きが個性として認められる、現代。時代とともに社会の常識も変わっていきます。当事者だけでなく社会全体で問題意識を持って、これからも左利きの人がより住みやすい環境作りを進めていけるといいですね。

お話を聞いたのは…

  • 親野智可等さん

    公立小学校で23年間教師を務め、現在は教育評論家として、全国各地の小・中学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村で教育講演会を開催。メールマガジン「親力で決まる子供の将来」やブログ「親力講座」は随時更新中。著書も多数。

  • 親野智可等さん公式サイト「親力」
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ライター紹介

宮平なつき

フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。

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