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患者の80%以上が女性!今から備える「骨粗しょう症」予防法

掲載日: 2016年9月5日更新日: 2016年9月5日平野 友紀子

女性に非常に多く見られる「骨粗しょう症」。じつに患者の80%以上が女性といわれています。産後の健診などで骨密度を測定したことがある人もいるのでは? そこで、骨粗しょう症の症状と予防のためにできることを、「とびた整形外科クリニック」院長の飛田健治先生に話を伺いました。

50歳以上の女性の3人に1人は「骨粗しょう症」!

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気のこと。

「女性に圧倒的に多く、50歳を過ぎたすべての女性が注意しなければならない」と飛田先生は警鐘を鳴らします。

「骨の密度は30歳まで増え続け、30歳がピーク。その後、30代・40代では大きく変わりませんが、50歳くらいになると、ガクっと骨密度が落ちます。日本では、50歳を過ぎた女性の3人に1人が骨粗しょうにかかっています。」

「骨粗しょう症」の原因は?

なぜ50歳を過ぎた女性は骨密度が低下してしまうのでしょうか?

「骨は一度できあがると、その後変わらないもののように思われがちですが、じつは骨のカルシウムは絶えず溶け出し、2年〜4年のサイクルですべて入れ替わっています。骨を壊す破骨細胞と骨を作る骨芽細胞によって、骨は破壊と再生を繰り返しており、この骨の新陳代謝のバランスを保つのが女性ホルモン、エストロゲンです。」

女性は閉経を迎えるとエストロゲンの分泌量が低下します。エストロゲンは、骨からカルシウムが溶けることを妨げる働きがあるので、エストロゲンの分泌量が低下すると、破骨細胞の活動が高まり、骨の形成が追いつかなくなります。そして、骨の新陳代謝のバランスが崩れた結果、骨が弱くなってしまうのです。」

閉経の平均年齢は50歳。さらに、加齢とともにカルシウムの吸収率が低下するため、年を重ねるほど骨密度が減少しやすくなるのだとか。閉経と加齢、2つの要因が重なり合うため、50歳以降の女性にとって骨粗しょう症は身近な病気なのです。


妊娠・出産によるホルモンバランスの変化は骨密度に影響する?

閉経と同じく、女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期として、妊娠・出産がありますが、この時期に骨粗しょう症になるリスクはないのでしょうか?

妊娠や出産、授乳でカルシウムを失いやすいと言われていますが、女性ホルモンのバランスが変わることはあっても、そこで骨密度が減ることはありません。」

出産した人と出産していない人で骨密度が変わるというデータはないそう。普通の出産であればそこまで気にしなくて大丈夫のようです。

「ただし、妊娠後期では血糖値が高くなる傾向にあり、妊娠糖尿病になる場合があります。糖尿病になると体全体に影響を及ぼし、骨粗しょう症を招きやすくなりますので注意しましょう。」

20歳までの生活習慣が大切!今からできる予防法は?

骨粗しょう症を予防するには、20歳までの生活習慣が大切」と飛田先生。

「骨の作られている期間に運動をして骨に刺激が与えられると、体がもっと強い骨を作ろうと働くので、しっかりとした骨が出来上がっていきます。そのため、骨の成長が始まる10歳頃から成長が終わる20歳までにいかに骨を強化できるかということが大事で、これを『ボーンストック』と言います。20歳までにしっかりとした運動習慣があった人と、全く運動していなかった人では、骨の強度が違います。」

ただし、20歳を過ぎていても生活習慣を気を付けることで、骨密度が減少するのを緩やかにできると言います。そこで、今すぐ実践できる骨粗しょう症の予防方法を紹介します。


運動習慣

「骨に強い負荷がかかるウェイトトレーニングと、腸管でのカルシウムの吸収を向上させて骨の代謝を促進するウォーキングなどの軽い運動がおすすめ。運動をして絶えず骨に刺激を与えることが一番大事なので、運動量や運動内容よりも、継続的に続けられるものを選ぶのがポイントです。自分のやりたいものを見つける、1人でできない場合はグループで取り組むなど工夫すると良いでしょう。」

食事習慣

「骨の強化に欠かせないカルシウム(牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆・大豆製品)、ビタミンD(魚類、きのこ類)、ビタミンK(納豆、緑色野菜)を多く含む食品を積極的に摂りましょう。逆に、カルシウムの吸収を妨げるリン(インスタントなどの加工食品、コーラ)や尿と一緒にカルシウムを排出してしまうカフェイン(コーヒー)を多く含む食品の摂り過ぎには気を付けましょう。」

骨粗しょう症の検査

骨粗しょう症の初期は、自覚症状はなく、気付かない間に進行していることが多いので、若くても気になる症状があれば、早めに検査をするのが大切だそう。

「骨密度が減ってきた時に最初に折れるのが手首。その後、腰の骨折、太ももの骨折と続きます。手首を骨折した人は、骨粗しょう症の可能性も含め、医師に相談すると良いでしょう。」

骨粗しょう症は、骨の量を測る骨密度測定、X線検査、血液検査、尿検査、問診などから総合的に診断されます

現在、国が行っている公的な検診は、40歳から70歳の女性を対象に5歳刻みで行われている節目検診があります。また、多くの市町村では、もっと早い年齢から検診を行っていたり、講習を開催したりしています。近くの保健所や保健センターに問い合せてみると良いでしょう。

「いまは薬も多く、その人にあった治療が可能です。採血をして、骨の新陳代謝のバランスを調べてもらうようにしましょう。」


検査や治療法も向上されつつあるようですが、まずは将来の骨折を防ぐために、いまから生活習慣を見直したいですね。

お話を聞いたのは…

  • 飛田健治さん

    とびた整形外科クリニック院長。1999年東京医科大学卒業。日本でも有数の外傷病院を遍歴し、整形外科医として数千例におよぶ骨延長・変形矯正や難治骨折の治療を行う。うち、東大病院では小児先天性骨系統疾患や低身長を来す小児疾患の診療を行い、小児科と整形外科、ふたつの領域を横断する医療を展開。現職では小児の身長相談や治療をはじめ、数少ない身長の専門医として、日本の医療の重責を担っている。

  • とびた整形外科クリニック
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ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

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