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出産ダメージを克服!自宅で出来る骨盤起こしのポーズ

掲載日: 2015年7月9日更新日: 2017年5月16日蜂谷智子
出産後「なんだか体調がすぐれない」「体型が変わってしまった」とお悩みのママ。その原因は骨盤の歪みかもしれません。骨盤を正しい位置に整えると、体調も体型も改善するそう! 今回はヨガインストラクターの大島ノアさんに、お家でもできる骨盤起こしのポーズをうかがいました。

ホルモンの影響も! 出産によって骨盤はどう変わる?

出産を経験すると女性の体は大きく変わりますが、特に大きな影響を受けるのが骨盤だそうです。子どもを授かってから出産までに、女性の骨盤はどのような影響を受けるのでしょうか?

出産前、赤ちゃんの成長に合わせて骨盤は大きく広がります。またお腹が大きくなるとその重みに従い、骨盤が前に傾きます。すると背中のS字カーブがきつくなり、そり腰の状態に。そのため、腰痛や背中の痛みを感じる方が多いのです。またホルモンの影響で関節が柔らかくなり、骨盤は開き、それに伴って、足を開いた状態で歩くようになります。」

赤ちゃんの大きさや重みによって、骨盤の状態が変わっていくだけでなく、ホルモンの影響も加わっているのですから、骨盤に与えるダメージが大きいのも納得。出産後、自然に戻ると楽観するのは危険なのだとか。

骨盤の歪みは、自律神経や代謝にも影響する!?

「出産後、体は骨盤が傾斜した状態を戻そうとしますが、腹筋と背筋が弱いと、骨盤が後ろにずれるケースが多く見られます。骨盤が後ろにずれ胸やお腹が後ろに引っ込んだ、猫背のような姿勢は、腰痛の原因になってしまいます。」

「また、出産前の歩き方のくせが残り、足を開いたガニ股歩きになるケースも。足を開いた歩き方を続けると、ももの内側の筋肉を使わず、外体重になります。外体重になると骨盤に体重がきちんと乗せられないので、腰や背中で上半身の体重を支える状態になり、こちらも腰痛の原因に。さらに、骨盤が支える背骨には自律神経が通っていますので、自律神経のバランスも失いがちになります。」

抱っこをしたりかがみ込んだり、子育てに腰痛はつきものだと思って諦めていましたが、もしかしたら根本的な原因は骨盤の歪みかもしれないのですね。そのうえ自律神経のバランスも崩してしまうとは、恐ろしい限り! しかも、骨盤の歪みは美容の大敵でもあるようで…。

「土台にあたる骨盤が傾いていると、骨盤が支える背骨も曲がり、姿勢が悪くなります。姿勢が悪いと、深い呼吸ができず全身の代謝が落ちて、太りやすくなったり、むくみの原因にもなります。」

ただでさえ出産は体重が増えるのに、太りやすくなったら困ります! 一体どうしたら骨盤の位置を正常に戻せるのでしょうか?

骨盤の正しい位置に戻すと、見た目の美しさもアップ

「骨盤は、出産時には大きく開きますが、骨盤がきちんと起きている状態にすること、骨盤を締めることを意識すれば、骨盤は元の位置に戻ります。」

「骨盤を起こすためには、骨盤が前傾になってそり腰になったり、背もたれに寄りかかり過ぎて骨盤が後傾になることがないよう、お腹の力と背中の緩やかなS字カーブを意識して、姿勢を整えましょう。」

骨盤が前にずれた状態、後ろにずれた状態、正しい姿勢を見せてもらいました(以下、写真参照)。
骨盤が前にずれた状態
骨盤が後ろにずれた状態
正しい姿勢

実演していただくと、骨盤の位置によって、見た目の印象も変わることが分かります。正しい姿勢は見た目も美しいですね。では、姿勢を保つために、どんなトレーニングすればよいのでしょうか。

「骨盤が閉まっている状態にするためには、骨盤の底にある骨盤底筋群がほどよく閉まっていることを意識する必要があります。骨盤底の引き締めは、両足の太ももを引き寄せる力と連動していますので、太ももの内側を鍛えると効果的です。」

そこで、おうちでも簡単にできる、骨盤を締めるヨガのポーズを教えてもらいました。

育児の合間に実践! 骨盤に効くヨガのポーズ

大島さんによると、骨盤を締めるヨガのポーズを行うことで次のようなメリットがあるそう。

  • 腹筋、背筋、下半身の筋肉が鍛えられます
  • 正しい姿勢を意識することで、骨盤の傾きを治します
  • 骨盤の左右のバランスがとれます
  • 自律神経の働きをととのえ、前向きで元気になります

「お子さんやご家族のお世話もあり、自分の時間が取れない方も多いと思います。絶対にやらなければ!と無理せず、空いた時間を利用して行うようにしましょう。」

太ももの内側を鍛え、骨盤を閉める

■太鼓橋のポーズ
膝が開かないように注意しながら腰を持ち上げることで、内股の筋肉を鍛え、骨盤を安定させてくれるポーズです。背中がのびるので、姿勢の矯正にもなります。
太鼓橋のポーズ
  1. 仰向けになり、両膝を立て膝にします。足の間はこぶし一個分くらい開きましょう。かかとはお尻に近づけ、足の裏をしっかり床につけます。
  2. 息を吸いながらお尻と背中を持ち上げます。足の間のこぶし一個分の間隔を保つようにします。腰は、反らすというより伸ばすようにします。足の裏でしっかり床を押しながら、胸を反らします。
  3. 数呼吸キープしたら、吐く息でゆっくり腰を床に下ろしましょう。

■ピラミッドのポーズ

足を内側に寄せるような意識で行うことで、足を閉じる筋肉を鍛え、骨盤底筋群を引き締めるポーズです。
ピラミッドのポーズ
  1. 足を大きく開いて立ちます。下腹部(おへその下あたり)は軽く締めているようにします。
  2. ゆっくりと前屈します。開いた足を内側に寄せるような意識で行いましょう。つらくなければ、手を床について呼吸を繰り返します。

骨盤の左右のバランスを整える

■ねじりのポーズ
左右のねじりにより、ゆがんだ骨盤のバランスを取り戻します。下半身の代謝をよくし、おなかの引き締めにも効果的です。
ねじりのポーズ
  1. 座って左足を前に伸ばし、かかとを突き出すようにつま先をたてます。右足を立て膝にして、伸ばした左足の外側にかけます。
  2. 左手を伸ばし、右足の外側にかけます。右手は、体の後ろに軽く添えます。
  3. 吐く息とともに、少しずつ右後ろを振り返るようにして、上半身をねじります。反対側も同様に行いましょう。

■プチワニのポーズ
背骨を伸ばし、腰やお尻回りの緊張を解いてくれるポーズです。左右行うことで、骨盤の調整に役立ちます。
プチワニのポーズ
  1. 仰向けになり、左足を伸ばし、右足を立て膝にします。
  2. 右足の裏を左足の太ももの上にのせ、左の手を右膝の外側にかけます。右膝を左側にパタンと倒し、できれば床につけ安定させます。足の裏をももにつけている状態だと腰のねじりがきつすぎる場合は、足の裏をももから離してもかまいません。
  3. 右の手は真横に開いて、胸の開放感を感じます。吐く息とともに、お尻と腰の緊張がとけていくのを感じましょう。反対側も同様に行いましょう。

骨盤周りの血流をよくしてコリをほぐす

■足に顔をつけるポーズ
骨盤周りの血流をよくしてくれるポーズです。足裏の伸び、背中の伸びを感じましょう。
足に顔をつけるポーズ
  1. 左膝を、あぐらをかくように曲げて座り、かかとを股間に近づけます。右足は無理のない角度(90度程度)に開いて伸ばします。
  2. 息を吸って両手を頭上に伸ばし、吐く息でゆっくりと太ももにおへそを近づけるように、上半身を前に倒していきます。反対側も同様に行いましょう。

■合踵(がっせき)のポーズ

腿や骨盤周りなど、下半身の血流をよくし、コリをほぐします。足のむくみにも効果的なポーズです。
合踵(がっせき)のポーズ
  1. 床に座り、両膝を開いて、足裏同士をつけます。
  2. 息を吸って背骨を伸ばし、吐く息とともに、上半身を前に倒します。首や肩の力は抜きましょう。

どのポーズも育児の合間にチャレンジできそうなものばかりですね。子育て中のママはいつでも家族が最優先で、自分のケアはおざなりになってしまいがち。でも出産でダメージを受けた骨盤は放って置くと不調の原因になります。ヨガを生活に取り入れてリラックスしながらケアしていきましょう。

お話を聞いたのは…

  • 大島ノアさん

    フリーランスのヨーガ・ティーチャーとして瞑想、呼吸法含め、日常に活かせるヨーガの叡智を伝えている。現在は呼吸を通して自分を見つめる「ハート・オブ・ヨガ」を指導。保育園ママ向けのヨーガ指導など、ヨーガスタジオに行くのが難しい方方のもとに出向いての指導も積極的に行なっている。

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ライター紹介

蜂谷智子

ライター・編集者。学び系の出版社勤務後、フリーランスに。現在はライフスタイルやカルチャーに関するメディアを中心に活動中。趣味は映画や音楽などのアートに浸ることと、おいしいお酒を飲むこと。去年からはそこに娘の子育ても加わって大忙しの毎日。親子で趣味を共有することを夢見て、美術館や音楽鑑賞に連れ出しては娘の反応をうかがっている。

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