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産後ママは夏の肌荒れに要注意!日焼け止め選び&食事を見直そう

掲載日: 2016年7月15日更新日: 2016年9月1日富永明子

日増しに強まる日差し…。紫外線対策が気がかりな時期ですが、産後のママは今まで通りのケアをしていると肌荒れにつながることもあるそう! 産後だからこそ気をつけたい紫外線対策のポイントを、美容皮膚科「ウォブクリニック中目黒」の高瀬聡子先生に教えてもらいました。

産後ママはホルモンバランスの乱れで肌荒れしやすい!

そもそも、紫外線量のピークはいつなのでしょうか?

高瀬先生によると「5月から夏並みに上がり始め、6月で少し下がるものの、7月と8月の紫外線量は一年間でもっとも量が多くなります。その後、9月で少し下がって、紫外線量が落ち着いてくるのは10月」とのこと。これからの季節は、今まで以上に紫外線対策をしっかりしないといけないようです。

特に注意が必要なのが、産後のママ。産後は肌荒れしやすくなるため、これまでと同じようなケアだと、紫外線対策の結果、肌荒れを起こすことがあるそう。

産後はホルモンバランスが乱れるので、肌が敏感になりやすく、揺らぎやすいのが特徴です。今までは問題なく使っていた化粧品にかぶれたり、肌荒れを起こして吹出物ができたりする方は多いですよ。そのため、日焼け止めも常にビーチ用のような成分の強いものを使うと、肌荒れする可能性が高いです。」

個人差はありますが、産後6カ月〜1年ほどはホルモンバランスの影響で肌荒れしやすいようです。それと同時に、産後は浴びた紫外線がシミ等になりやすくなる時期でもあるので、「肌に優しい日焼け止め」を選んで使うことが大切です。


産後ママでも安心して使える日焼け止めの選び方は?

日焼け止めを選ぶときには、パッケージに記載された「SPF」と「PA」の値をチェックするのが基本ですが、日常的に使うものであれば、高い数値の日焼け止めは必要ないそうです。

ちなみに、SPFとは紫外線防御指数のこと。紫外線を浴びたあと、皮膚が赤くなって日焼けをするまでを引き延ばせる時間を表した指数です。また、PAとは真皮に届いてシワやたるみなどの老化現象を引き起こす、UVA(A波)を予防する度合いを表しています。いずれも値が高いほど、日焼けは予防しやすくなりますが、強い成分を使っているので肌荒れにつながることも。

デイリー用であればSPFは25〜35、PAは2+で十分です。値の高さよりも、塗り方を気にしたほうがいいですよ。SPFは測定時、一平方cmあたり2mgという規定があるのですが、それは私たちが日常的に使っている量の4倍から8倍にあたります。少々『塗りすぎ?』と思うくらい、しっかり塗らないと表示されている効果は得られません。とはいえ、白浮きするほど塗るのは抵抗がありますよね。その場合は数時間置きに、こまめに塗り直すことで、効果を持続させることができます。」

産後ママは肌に優しいノンケミカルの日焼け止めがベスト

さらに、高瀬先生によると「ホルモンバランスの崩れている産後ママが日焼け止めを選ぶ場合、紫外線吸収剤を使っていない『ノンケミカル』のものを選ぶとよい」そうです。

「日焼け止めの多くは紫外線のダメージを防ぐために、有機化合物である『紫外線吸収剤』を使用しています。これを使うことで紫外線が皮膚に浸透するのを防ぐのですが、非常に強い成分なので肌への刺激も強いものです。」

「一方で、ノンケミカルの日焼け止めは、『紫外線吸収剤』ではなく、『紫外線散乱剤』を使います。塗ったところが白くなりやすいというデメリットがあるものの、有機化合物ではないため肌刺激が少ないというメリットがあります。」

「以前は、ノンケミカルの日焼け止めは一般的な日焼け止めと比較して効果が薄いとされていましたが、最近はノンケミカルであっても、SPF50やPA4+のものも出ています。特に肌荒れしやすい産後ママは、肌に優しいノンケミカルの日焼け止めを使うことが大切ですよ。」


食生活を見直して、身体の内側から紫外線対策を!

また、日焼け止めによる身体の外側からのケアにプラスして、食生活を通して内側からのケアも重要です。

「紫外線を浴びると、体内に活性酸素が多く作られて、それがシミやシワなど老化の原因になります。そのため、抗酸化物質を多く含んだものを食べて、体内から活性酸素を除去するように努めることが必要です。たとえばサーモンなど赤身の海産物に含まれるアスタキサンチン、トマトなどに含まれるリコピンは、抗酸化物質を含んでいます。また、サプリメントで摂取することが多いですが、αリポ酸も有効な成分です。」

ただし紫外線を浴びたあと、慌ててケアするのではなく、日ごろから意識的にケアする必要があるそうです。

「とくに食生活は継続性が大切です。抗酸化物質は体内で蓄積されない特性があるので、紫外線を浴びたあとに慌てて食べても間に合いません。日ごろから食べものやサプリメントで補うとよいでしょう。」

産前と同じコンディションではない=意識的なケアが大切

最後に、ご自身も二人のお子さんを育てた経験者として、高瀬先生から産後ママたちにメッセージです。

「産後はホルモンバランスが崩れて乾燥しやすいのに、ケアをする時間がないから肌荒れが進み…と、負のスパイラルに陥りがちですよね。自分のためにスキンケアをする時間を取るのは大変ですが、子どもを産む前と同じコンディションではないので、できるだけ今のご自分に合うケアを心がけてみてください。」

時間が取りにくいママも肌にやさしい日焼け止めを選び、食事を工夫することで日焼けによる肌荒れや老化を防げます。猛暑が予想されている夏、お子さんだけでなくママ自身も日焼け対策を心がけましょう!

お話を聞いたのは…

  • 高瀬聡子さん

    皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。慈恵会医科大学卒業後、同付属病院皮膚科に皮膚科医として勤務。アトピー外来、レーザー外来などを担当。2003年にドクラーズコスメ「アンプルール化粧品」を立ち上げ、2007年にウォブクリニック中目黒を解説。専門は皮膚科と美容皮膚科。近著に『いちばんわかる スキンケアの教科書』(細川モモ氏と共著/講談社)、『スキンケア 大人の基本(TJ MOOK)』(宝島社)がある。

  • ウォブクリニック中目黒
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ライター紹介

富永明子

編集者・ライター。出版社勤務を経て、フリーランスに。食・健康・美容分野での編集・執筆が多く、料理研究家やフードコーディネーターと一緒にレシピ本を作ったり、専門家に取材して美容の記事を書いたりしています。趣味はクラシックバレエで、踊ることも観ることも大好き。バレエの専門書を作ることもあります。

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