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子供の血液型いつわかる? 医師が教える必要性&輸血&検査方法

2017年12月25日高柳涼子

子どもの血液型は生まれてすぐに知りたくなるものですが、出産後すぐにはなかなか断定できないのが一般的です。では、いつ・どのタイミングで正しい血液型がわかるのでしょうか。「雑司が谷 赤ちゃん・こどもクリニック」で院長を務める青柳裕之先生に、血液型を調べる必要性も踏まえて教えてもらいました。

産まれてすぐにわからないのはどうして?

昔は、子どもが産まれてすぐに教えられることが多かった血液型。最近は教えてもらえないケースが多いですね。「産まれてすぐは血液型がわからない」というのが理由の一つのようですが、どういうことなのでしょうか?

「わからないというより確定しないというのが正確です。血液型は赤血球の表面にある『抗原』や、それ以外の成分である血清の中の『抗体』を調べることでわかりますが、1歳くらいまではこの検査値が安定しません。産まれてからの期間が短いほど、抗体が作られている途中だったり、抗原の反応が弱かったりするため、検査のたびに違う結果が出ることもありえます

血液型は1歳くらいまで確定しないということですね。では、もしこの時期に輸血などが必要になった場合、どうするのでしょうか?

輸血が必要な治療を受ける場合は、子どもも大人も関係なく必ず検査をします。輸血のたびに血液型を確認し、そのときの状態を最優先します。それ以外の理由で必要に迫られて血液型を調べることはありません」

1歳以上になったらすぐに調べるべき?

筆者の手元にあった3冊の母子手帳で血液型についての記載がないかを確認してみたところ、全く記載がないもの・メモ程度に記載があるもの・血液検査の結果も添付されているものがありました

いずれの母子手帳にも血液型を記入する欄はなく、出産した施設から口頭で伝えられた記憶もありません。赤ちゃんが産まれてすぐに必ず行う先天性代謝異常の検査のついでに調べたと思われるものもありましたが、その記載も正しくない可能性があるのですね。

1歳をすぎたらすぐに調べたほうがよいのでしょうか?

「1歳を過ぎれば検査は可能ですが、採血は子どもにとって痛みや心理的な負担が強いもの。知っておく必要もないので、わざわざ調べるのはオススメしません」と青柳先生。


血液型を知らないと困ることは?

とはいえ、小学校や幼稚園で提出する書類に、血液型の記入欄が設けられている場合もあります。血液型を知らないままでいて困ることは本当にないのでしょうか?

「血液型占いができないことくらいでしょうか(笑)…というのは冗談ですが、知らないままで困ることは、本当にそれくらい何もありません

「もしも輸血が必要になった場合、たとえ緊急の場合であっても血液型を必ず調べます。血液型にはお馴染みのA型、B型、O型、AB型、そしてRhという分類方式以外にもさまざまな分類があり、数千種類もの型があるといわれています。本人の記憶が間違っていたり、自分でも知らずに珍しい血液型を持っている可能性もあります。もし型の合わない血液を輸血すると命に関わる危険もあるので、たとえ血液型の申告や書類があったとしても、実際の血液型を調べることなく血液を輸血することはありえません

ですから学校などへの提出書類に『血液型不明』と書いておいても、医学的にはなんの問題もありません。仮に血液型を調べる余裕もないほど緊急の場合でも、対応方法が定められているそうです。

「めったに起きないことではありますが、O型の血液は大量でなければどの型にも輸血できるため、O型の赤血球製剤を輸血しながら同時進行で血液型の検査を行い、型がわかった時点ですぐに合う型の血液に切り替えるという手段がとられます

ドラマによくある家族の輸血は「ありえない」

また、子どもの血液型を知っておけば、万一のときに家族の血液を提供できると考える方もいるかもしれません。ドラマなどでも緊急時に家族の間で輸血するシーンを見かけることがありますね。ですが、これは医学的にはありえないことだそう

「近親間の輸血では『輸血後GVHD』という副作用がかなり起きやすくなります。これは輸血後1〜2週間で発熱などの症状が始まって、その後全身に影響が及びほぼ全員が死に至るという恐ろしいものです。また、採血したばかりの血液を使うのは感染症の危険もあります

現在、輸血に使われる血液は、さまざまな検査に合格し、副作用を防ぐ処置を済ませた上で出荷されています。こうしたことを知れば知るほど、血液型を知らずに困るということはあまりないことがわかりますね。


調べたい場合の費用や方法は?

それでもどうしても調べておきたいといった場合は、どうしたらよいのでしょうか。

「血液型を調べる検査は、抗原を調べる『オモテ試験』と、抗体を調べる『ウラ試験』の2種類。かかりつけの医療機関で依頼できます。血液型のみの検査もできますし、アレルギー検査など採血を伴う検査を受ける際に一緒に調べてもらうこともできます。施設内で検査まで行える医療機関もありますが、規模の小さいクリニックなどは外部の検査機関に血液を送って調べてもらうことが多いですね」

なお、その際の費用は全額自費となります。別の検査のついでに行う場合でも、血液型検査の分は別途費用がかかります。病院によってかかる費用に差があり、数百円から数千円までと幅がありました

「医学的な必要性がないという理由から、保険診療は適用されません。金額は医療機関ごとに決定されているので、ばらつきがあります。私のクリニックでは血液型を調べるだけの場合、3000円ほどかかります」

調べる必要性がここまで低いのは少し意外でしたが、血液型を知らないことに不安を感じていたパパママも、安心できたのではないでしょうか。それでも調べたい場合は、子どもへの負担の少なさを第一に考えてあげたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 青柳裕之先生

    東京女子医科大学母子総合医療センター 新生児部門(NICU)勤務経験を持つ小児科専門医・青柳先生が院長を務め、小児科領域の幅広い診療を行うクリニック。平日は夜23時まで、日曜祝日も受付し、子どもの不調はもちろん、パパママの不安も取り除くような診察をめざしている。

  • 雑司が谷 赤ちゃん・こどもクリニック
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ライター紹介

高柳涼子

雑誌編集部勤務を経てフリーランスに。ライティングと校正を中心に、ときどき編集もやる3児の母です。これまでに関わった分野は、求人、進学、ウェディング、アート、手芸、田舎暮らし、食育、仏教、料理など。

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