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いまさら聞けない!? 住宅がいま買い時の理由&購入のポイント!

掲載日: 2018年3月19日更新日: 2018年3月19日岡本有紗

マネーのプロが解説する「お金と子育て」の話。第14回は、「今、みんなが家を買う理由」。住宅購入のチャンスと言われる昨今ですが、なぜ今が買い時なのでしょうか? 買うタイミングのとらえ方、物件選びの際のポイント、注意点など、ファイナンシャル・プランナーの小川千尋さんに聞きました。

低金利が続く現在は住宅購入の好機!

どうして低金利だと「買い時」なのでしょうか?

数年前から、頻繁に「今が住宅の買い時」と言われていますが、実際はどうなのでしょうか?

確かに、買い時といえば買い時かもしれません。理由は、住宅ローンの金利が低いから。住宅ローン金利は2016年8月に過去最低を記録しましたが、実はその後も最低水準をうろうろしており、当面大きく上昇する気配はないようです

基本的なことかもしれませんが、金利って何でしょうか?

「銀行などからお金を借りた場合、返す際に借りた金額(元金)に対して、何%かの金額を上乗せして返さないといけません。金利とは、その上乗せ額(利息)を決めるための割合のことです」

「金利は時期により変動しますが、現在はその割合がとても低いので、少ない利息で住宅ローンを借りることができると考えられます」

ちなみに、住宅ローンをはじめ大半の金利は年利、つまり1年間借りたときに発生する利息を示すものとのこと。では単純に、100万円を借りて1年後に返済するとしたら、利息はいくらでしょうか。

100万円借り、1年後に返済

■金利5%では…
100万円(元金)×5%(金利)=50,000円(利息)

■金利1%では…
100万円(元金)×1%(金利)=10,000円(利息)

■金利0.5%では…
100万円(元金)×0.5%(金利)=5,000円(利息)

借入時の金利が高ければ高いほど、返済総額も多くなるとみていいのでしょうか。

「原則的にはそう考えていいでしょう。ただ、実際に発生する利息の額は、返済によって元金が減ればそのぶん小さくなり、逆に返済期間が長引けば増えるなど、条件により変動しますので、上の例のように単純には求められません。また、住宅ローンには『固定金利型』『変動金利型』などの設定があります」

固定金利型とは

「最初に決めた金利が最後まで適用される住宅ローンです。固定金利型は変動金利より金利が高めですが、毎月の返済額は一定なので、長期間借りる場合は安心です」

変動金利型とは

「一定期間ごとに金利が見直される住宅ローンです。変動金利型は、最初の金利は固定金利型より低率ですが、見直し後に金利が上がることはあります。10年から15年以内の短期で返しきる場合は、変動金利でもいいでしょう」

「『変動金利型』を選んだ場合は、一定期間で金利の見直しがありますし、『固定金利型』でも、最初に決めた返済期間より早く返すことで返済総額が小さくなったりします。借入時の金利だけが返済総額を左右するのではない、ということには留意してください」

なるほど。ちなみに、「現在は不動産価格そのものも全体的に低めに落ち着いている」とのこと。住宅購入を考えている人にとって、好機が続くのは間違いないようです。


買う側にとっての「買い時」とは?

住宅購入はライフスタイルとセットで検討しましょう

金利も低めであれば、少し無理しても急いで購入した方がいいのでしょうか。

「一概にそうとは言えません。金利などの条件は好都合だとしても、『あなたにとっての住宅の買い時』が今かどうかは別問題です。家族の状況や収入、資金などが一致してはじめて、買う側の買い時ではないかと思います。住宅購入はライフスタイルとセットと考えるべきです」

具体的にはどういったことを気にするべきでしょうか。

「具体的には、引っ越して生活が変わっても大丈夫なのか、住宅ローン返済はきちんとできるのか、頭金となる資金はあるのか。そういったことをしっかり検討する必要があるでしょう」

資金計画はどのように考えるべきでしょうか。

ローンを組むなら、基本的には60〜65歳には払い終えるのがベター。ご自身の年齢と照らし合わせたうえで、返済期間と支払い可能な額を検討することをおすすめします

返済額として可能な範囲は、「最大で、ボーナスを含めた手取り年収の30%」とのこと。

「最大ではちょっと苦しいので、手取りの20〜25%くらいに抑えるのが理想でしょう」

仮にボーナスを含む年収が500万円と仮定すると、手取りは年間370万円くらい。計算すると、年間74〜92万円くらいが可能な返済範囲ということになります。

「『頭金ゼロでも買えます』とか『月々の返済額は賃貸物件より低額です』というキャッチフレーズが散見されますが、それは35年ローンの場合が大半なので、注意してください」

たとえば、現在30歳の方ならキャッチフレーズに乗っかっても問題ないかもしれませんが、それ以上の年齢の場合だと、定年を迎えてなおローンを払うことになる可能性も…。

「老後の時期になって、そのローンが大変な重みを持ってのしかかってくるリスクを避けるためにも、もう少し早く払い終えられるように計画を立てましょう」

最近はいろいろなサイトで住宅ローンの返済シミュレーションができますので、利用してみると参考になるでしょう


できれば将来売れる・貸せる物件を選びたい

物件選びのポイントは?

住宅は、人生における大きな買い物。購入にあたっての注意点はどんな点でしょうか?

可能なら、将来的に資産価値が見込める、つまり『売れる、または貸せる物件になりうる』という点に目をつけてほしいですね

「たとえば、なるべく駅に近い物件や、多少ネームバリューのある地域を選ぶといったことです」

なるほど。万一、家に住み続けられない状況になったらと考えると、そういった物件の方が有利ですね。

「また、年をとっても住める家かどうかという点は、重視する価値があると思います」

特に建売の住宅は、身体が衰えると住みにくいような構造のものが意外に多いです。たとえば、狭くて車椅子が入らないとか、1階にはお風呂などしかなく、2階に上がれなくなったら暮らす場がないとかです。『終の棲家』として一生住むことを希望するなら、その点がクリアできるかどうかを良く検討しましょう

とはいえ、資産になりそうな家、老後も暮らせそうな家…といったことにこだわって、「今の自分や家族にとっての暮らしやすさを後回しにするのは本末転倒」とも話します。

「自分たちが家に求めるものは何か、それを満たせる家とはどんなものかを第一に、できれば資産としても価値が見込める家であるということを加味して考えてほしいですね」

金利的にはチャンスが続きそうな今の流れ。マイホームが欲しい方は、資金のシミュレーションや住みたい地域のリサーチなどを、少しずつ進めてみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…

  • 小川 千尋さん

    ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、終活コンサルタント、エディター&ライター、整理収納アドバイザー2級、ハッピーエンディングプランナー。1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャル・プランナーとして、主にマネー誌、一般誌などのマネー記事の編集・執筆・監修・セミナー講師などで活動。オールアバウトのガイドも務めている。親の生命保険に詳しい。

ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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