子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

子どもと一緒の『動物園』が10倍楽しくなる方法

図鑑ではなく、本物の動物たちが間近に観察できるとあって、子どもたちのテンションもぐーんと上がる『動物園』。でも、「ちょっとしたポイントをおさえるともっと楽しくなりますよ!」と教えてくれたのは、恩賜上野動物園の井内岳志さん。そのポイントとは!?

ちびっこには、触れる小動物が大人気!

ヤギ(画像提供/(公財)東京動物園協会)
我が子と一緒にやってきた動物園! さてさて、どこのコーナーから巡ろうかしら…、と思案するママも多いはず。

「親心としては、せっかく来たからにはやっぱりライオン、シマウマ、ゾウなど、普段は見られないスペシャルな動物を見せてあげたいと思いますよね。でも、 小さいお子さんは案外さりげない動物に興味を示すことが多いんですよ。」

ウサギ(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「例えば、上野動物園では モルモットやウサギ、ヤギなどと触れ合える『子ども動物園』が親子連れには大人気です。触れられない動物でも、プレーリードッグやネズミの仲間など、至近距離で見られる小動物はお子さんに根強い人気ですね。」
プレーリードッグ
(画像提供/(公財)東京動物園協会)
大きな動物は、どうしても遠くから見ることになりますが、子どもたちにとっては、目の前で見られることが感動するポイントのようです。

違いはどこだ? 比較すると面白い動物たち

たくさんの動物が集まっている動物園は、種類の近い動物を比較できるのも醍醐味。実際にお子さんと一緒に見比べてみたい動物をご紹介します。

見分けられるかな? 「アシカ」と「アザラシ」

カリフォルニアアシカ(左)とゼニガタアザラシ
(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「動物園や水族館でよく見かけるアシカとアザラシは、ぱっと見よく似ていますよね。でも、よーく見ると全然違うんです。たとえば、 アシカは頭に小さな耳たぶがありますが、アザラシはつるんとした丸い頭をしています。」

その他にも、 泳ぐときも陸に上がるときも前足を器用に使うアシカに比べ、アザラシは前足を使いません。泳ぐときは体の横にピタッとつけて、陸でもお腹を波打たせてズリズリと移動するそうですよ。お子さんと一緒に「これはアシカかな? アザラシかな?」なんて、一緒にクイズをするのも楽しそう。

食事風景に注目! 「ジャイアントパンダ」とほかのクマ

ジャイアントパンダ(上)とツキノワグマ
(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「パンダはクマの仲間で、普段の動きはクマとよく似ているのですが、食事の時は違います。 パンダの手首には第6、第7の指といわれる突起があって、ササやタケを器用に掴んで食べることができるんです。」

その点、 一般のクマは掴む動作ができません。樹木や果実などのエサを前足を使わずに直接食べるツキノワグマやヒグマのお食事風景と見比べてみると、前足の
違いがよりハッキリわかるんだとか。

子どももびっくり!? ユニークな習性をもつ動物たち

オスのツノに変化が起きる「シカ」

エゾシカ(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「比較的多くの動物園で飼われているのがシカ。 シカは、春先になるとオスのツノがポロリと取れるんです。面白いことに、ツノがあるときとないときでは性格も一変。あるときは強気だったのに、なくなった途端に弱気になるんですよ。」

ちなみに、一つのツノの重さは約2キロ。片方が落ちるとバランスが崩れるのか、一日中頭をふって気にしていて、すぐに反対の角も落ちてしまいます。運がよければ、角が落ちる貴重な瞬間を見られるかもしれません!

「ちなみに、ツノが落ちたシカの頭には再び新しいツノが生え、秋には元通りになります。このツノは若さや栄養状態を示すバロメーターの役割があり、これが立派だと草の豊かな土地をなわばりとしているというサインになって、メスにモテモテなんですよ。」

「こんにちは」に握手!? 鼻を上手に使うゾウ

アジアゾウ(画像提供/(公財)東京動物園協会)
ゾウを見ていると、相手の肩を鼻でトントンとたたいて呼んだり、鼻と鼻をからませていたりする姿が見られます。これは、『こんにちは』の挨拶や“握手”の意。群れで暮らす動物はコミュニケーション能力が発達しているんですよ。」

ちなみに、ゾウの鼻は食事の時も大活躍。地面においてある干し草を鼻で器用に巻きとって、パッパッと砂を払って食べたり、ゾウ用のエサであるペレットとよばれる固形飼料の小さな粒をひと粒ずつつまんで口に運んだり。この信じられない器用さ、お子さんもびっくりしちゃうかも。

長いのは首だけじゃないキリン

キリン(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「キリンが長いのは首だけかと思いきや、ベロを出しているところに出くわすとその長さに驚くはず!  キリンの長い首は高いところの枝の葉っぱを食べるのに便利ですが、さらに遠くの葉っぱも食べられるように舌が長く器用になったと考えられています。」

ゾウの場合は手が使えない代わりに鼻を発達させましたが、キリンは舌を使って遠くの枝をたぐりよせたり、枝に巻きつかせて根こそぎ葉っぱをとって食べたりするんだそう。ちなみに、その長さはなんと約40cm。自分の舌の長さと比べてみても面白いですね。

動物園がもっと楽しくなる巡り方

小動物と触れ合うもよし、ユニークな動物に注目するもよしの動物園。でも、楽しみ方はこれだけじゃないんです! 井内さんが教えてくれたお楽しみポイントはこちら。

動物たちが活発に動く「朝」&「夕」を狙って!

「お子さんを動物園に連れてきてあげるときは時間も重要!  一番のオススメは開園と同時です。というのも、朝の時間帯が最も動物たちの動きがいいため。たいていは夜間は寝室で寝て、朝になると運動場のなわばりをパトロール。カバやジャイアントパンダは、それから朝ごはんを食べるんです。」

ある程度食べると、お昼寝に入ったりして動かなくなっちゃうことも多いんだとか。 朝を逃した場合は夕方の閉園間際の時間帯もオススメ。夕ごはんを食べたり、寝室に帰ったりと、動物たちが活発に動く時間帯なんだそうです。

毛、ウンチ、歯、ごはんなど、注目するものを決めてみよう!

お子さんが興味をもちやすいものを観察して、『じゃあ、次の動物でもそれを見てみようよ』とナビゲートしていくのも手。なかでもウンチは人気ですね(笑)。動物によってポロポロだったりすごく大きかったりと違いがあります。」

また、 食事のとりかたも、動物の特徴がよくあらわれる部分。先にご紹介したアザラシやアシカの場合、食事では魚を丸呑みにしますが、その時は必ず「頭から」。ウロコやエラがひっかからないように、しっぽから先に渡すとくわえなおして頭から呑みこむんだそう。

お子さんの「なぜ?」に答える、飼育員の動物相談室や機器を活用しよう!

上野動物園で無料貸出を実施している「ユビキタス」(画像提供/(公財)東京動物園協会)
「動物を観察していると、お子さんの『?』がいっぱい生まれると思います。東京都内ですと、 上野動物園や多摩動物園には、ベテラン飼育係OBがみなさんからの質問に答えられるように待機する『動物相談室』があります。ふしぎに思ったことをお子さんと一緒に質問してみてください!」

動物園によっては飼育員がお話する時間、解説員がガイドツアーをおこなう時間、ボランティアが解説する時間を設けています。事前にホームページで調べて、解説やガイドの時間に合わせていくのもおすすめ。

また、 携帯情報端末の貸出をおこない、それで動物の情報を調べることができる動物園も! 上野動物園でも、「ユビキタス」の名前で無料貸出を行っています。

必携! 動物との距離が縮まる「オペラグラス」

子供と一緒に園内を巡る時に、持っていると良いのが オペラグラスや双眼鏡。じっくり動物を観察するためには欠かせないものだとか。

「オペラグラスがあると、お子さんと動物の距離を縮めてくれます。積極的に動物を観察するきっかけにもなりますし、キリンの舌やまつ毛のような高い位置にあるものでも気軽に見られます。例えば、横浜にある動物園『ズーラシア』などは、動物との距離があるので双眼鏡のレンタルをしていますね。」

子どものペースを厳守! ゆっくりじっくり回ろう

「ついなるべく子供に多くの動物を見せてあげたくなって、足早にコーナーを巡りそうになるのですが、 お子さんのペースで進むのが第一。お子さんが見飽きるまでじっくりと付き合って、何度でも来たほうが発見も多いはずです。」

動物園の中にはベンチがたくさん置いてある園も多いので、持参のお弁当を食べてくつろいでいると、近くに鳥が寄ってくることも。こうしたなにげない体験も、お子さんにとっては「楽しい!」につながるようです。

新しい発見と感動がいっぱい詰まった動物園。本物の動物を見た後は、骨格標本が見られる科学館や博物館を訪ねてみるのも楽しそうですよ!


いろんな動物園情報が知りたい! 動物園探しはココから!

お話を聞いたのは…

  • 井内岳志さん

    上野動物園教育普及係。学芸員。学生時代は下北半島の山の中で,テントで寝泊まりしながら野生のサルの群れを追いかけていた。動物園に就職してからは,仕事を終えて事務所を出ると飛び回っているコウモリを調べている。日本哺乳類学会,日本動物園水族館教育研究会に所属。

  • 「上野動物園」ホームページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • RSS
  • follow us in feedly
  • チェック

ライター紹介

矢口 あやは

1983年生まれ。大阪府出身。フリーライターとして活動する傍ら、生き物の世界に魅せられて、狩猟免許を取得。沖縄から北海道まで、国内の自然と動物を訪ね歩いています。現在は、世界一周を目指して貯金の日々。

ライターの最新記事