子どもの写真を撮るのに、いつでも持ち歩けてすぐに撮影ができるのがスマホのカメラ。シャッターチャンスを逃さない便利なアイテムですが、いつでも使える分、適当にシャッターを押してしまうことも。ブレていたり、暗すぎたり、いつも似たような構図になってしまったり…。そこで「子どもをかわいく撮るためのママフォトレッスン」の講師をされているカメラマン、栗原美穂さんにスマホで子どもの写真を撮るコツを伺いました。
※本記事は、iOS標準のカメラの機能をもとに構成しています。機能が標準で搭載されていないスマホのカメラもありますのでご了承ください。
「子どもの顔など、焦点を合わせたい部分を画面上でタップすると、カメラが自動的にピントを合わせ、光の露出を調整してくれます。この機能を使えば、簡単に子どもに焦点の合ったキレイな写真を撮ることができます。また、全体的に暗い写真になってしまうときには、暗い部分をタップすると露出を調整し明るい写真にすることができます。」
画面をタップするだけで撮りたい写真にぐっと近づけることができるので、ぜひ活用したい機能ですね。
「オシャレな写真を撮りたいなら『三分割構図』を使いましょう。三分割構図は、画面の縦・横それぞれを三分割にするラインを引いた場合の、交点に被写体を合わせる構図です。」
こう聞くと少し難しく感じてしまいますが、実はスマホのグリッド線を表示する機能を使うと簡単にできます(iPhoneでは、設定アプリから【写真とカメラ】を選択。そして【グリッド】をオンにすることでグリッド線を表示)。グリッド線を表示し、ラインが交わる点4箇所のどれかに、子どもの顔を合わせて撮影すれば、簡単に三分割構図になります。
「難しければ、真ん中よりちょっとずらして撮影するだけでも大丈夫ですよ」と栗原さん。被写体が真ん中から少し外れただけで、抜け感のある素敵な写真が撮れます。
さらに、写真を撮る画面の方向を変えるだけでも印象が大分変わるものなんだとか。
「スマホだと縦長の写真が多くなってしまうので、スマホを倒して横長の写真も撮ってみてください。広がりのある写真が撮れますよ。」
いろいろと構図を工夫してみると、撮れる写真のバリエーションも増えそうです。
そこで栗原さんがおすすめするのは、子どもと同じ目線で撮影する「アイレベル」というアングルです。
「子どもの生き生きとした写真を撮りたいなら、大人がしゃがんで子どもと目線を合わせて写真を撮ることが大切です。すると、子どもが見ている世界観を撮影することができますよ。」
また、自分が動かずに寄り引きを変えるのに「ズーム」を使ったり、暗いからといって「フラッシュ」を安易に使うのは禁物とのこと。
「スマホのズームは一般的なカメラとは違って、画面を引き伸ばして寄るので画像が粗くなってしまいます。またフラッシュも不自然な写真になるのでおすすめしません。」
子どものよい写真を撮るには、自分から動いて寄りや引きの写真を撮ったり、子どもの周りを360度回りながらよい光をキャッチして撮ったりすることが必要だそうです。労を惜しまずに子どもの周りを動き回って、ベストショットを狙いましょう。
「スマホカメラのシャッターボタンを長押しすることで連写ができます。撮影した10~20枚の中から、ベストショットを探すとよい写真が見つかりますよ。」
確かに、昔のカメラと違って、たくさん撮影しても不要な画像は後から消去できるので、気にせずに連写して子どものよい表情やポーズの瞬間をあとから探すのも手。特に、動き回る子どもを捉えるには効果的です。
子どものいる家の中は散らかりやすく、いつも不要なものが写りこんでしまったり、またねんねの赤ちゃんの場合はベッドの中で寝ている同じような写真になってしまいます。
「例えば、部屋の中でいつもキレイに片付ける場所を一箇所決めて、そこを撮影スタジオのようにするのがおすすめです。ねんねの赤ちゃんならベビーベッドでも大丈夫です。同じような写真にならないように、子どものお気に入りのおもちゃや洋服などを敷き詰めて、色の変化をつけてみると華やかな写真が撮れますよ。」
おもちゃや洋服などは子どもが成長してしまうと使えなくなってしまうので、子どもと一緒に写真に残すことで、見返した時に思い出にもなりますね。
もうひとつ、室内の撮影で注意した方がよいのが光の問題。
「室内の照明の中で撮影したり、薄暗い中で撮影したりするのは、スマホのカメラの機能では上手に撮影することが難しいんです。できるだけ、日中の自然光で撮影してください。窓辺でカーテン越しのふんわりとした光で撮影すると、素敵な写真が撮れます」と栗原さん。
室内灯の人工的な光よりも太陽の自然な光で撮影する方が、子どもの表情もより自然に写るそうです。
「子どもの写真を撮る際に、子どもに声をかけてから撮る方が多いですが、緊張してしまったり、作り笑顔になってしまったりと不自然な表情になってしまいます。子どもの自然な姿を残すには、何かの遊びに夢中になっている時や、家族と一緒にリラックスして楽しんでいる時を狙って撮影してみてください。きっと、その子らしいよい表情が撮れますよ。」
確かに、ハイチーズと言って撮ってしまうと、同じようなピース写真になってしまいます。カメラ目線でなくても、その子らしい素敵な写真が残せるとよいですね。
息子を芝生の上に座らせ自分はかがんで「アイレベル」にして、グリッド線を表示して「三分割構図」を意識したり(1枚目)。「連写」を使うことで、狙っては撮れないような自然な表情が撮れたり(2枚目)。部屋の一部を片付けた即席スタジオで、子どもと一緒におもちゃや絵本を意図的に写しこんでみたり(3枚目)。
自分では、今まで撮ってきた写真に比べると、大分雰囲気の違った写真が撮れたと思います! コツを知っているだけで、撮影する際にいろいろと考えるようになり、ちょっとしたカメラマン気分にもなりました。「もっとよい写真を撮りたい」という欲も湧いてきて、カメラのことをもう少し勉強してみようかなんて気も……!
みなさんも、今回のスマホで撮影するコツを早速実践して、お子さんの素敵な写真をたくさん撮ってみてくださいね。
※本記事は、iOS標準のカメラの機能をもとに構成しています。機能が標準で搭載されていないスマホのカメラもありますのでご了承ください。
画面をタップしてピントを合わせよう
子どもを撮影する際に一番困ってしまうのが、子どもが動き回ってなかなか焦点が合わないこと。そんなときに便利なスマホの機能が「オートフォーカス」と「オート露出」だそうです。「子どもの顔など、焦点を合わせたい部分を画面上でタップすると、カメラが自動的にピントを合わせ、光の露出を調整してくれます。この機能を使えば、簡単に子どもに焦点の合ったキレイな写真を撮ることができます。また、全体的に暗い写真になってしまうときには、暗い部分をタップすると露出を調整し明るい写真にすることができます。」
画面をタップするだけで撮りたい写真にぐっと近づけることができるので、ぜひ活用したい機能ですね。
グリッド線を表示して構図を意識しよう
では今度は構図を少し意識してみましょう。よく撮ってしまいがちな構図は、子どもの顔をど真ん中にして撮る写真。日本の国旗に例えて「日の丸構図」というそうです。写真の中心に子どもが写っていると、どれも同じような印象になってしまう上、どうしても素人っぽさが出てしまいます。「オシャレな写真を撮りたいなら『三分割構図』を使いましょう。三分割構図は、画面の縦・横それぞれを三分割にするラインを引いた場合の、交点に被写体を合わせる構図です。」
こう聞くと少し難しく感じてしまいますが、実はスマホのグリッド線を表示する機能を使うと簡単にできます(iPhoneでは、設定アプリから【写真とカメラ】を選択。そして【グリッド】をオンにすることでグリッド線を表示)。グリッド線を表示し、ラインが交わる点4箇所のどれかに、子どもの顔を合わせて撮影すれば、簡単に三分割構図になります。
「難しければ、真ん中よりちょっとずらして撮影するだけでも大丈夫ですよ」と栗原さん。被写体が真ん中から少し外れただけで、抜け感のある素敵な写真が撮れます。
さらに、写真を撮る画面の方向を変えるだけでも印象が大分変わるものなんだとか。
「スマホだと縦長の写真が多くなってしまうので、スマホを倒して横長の写真も撮ってみてください。広がりのある写真が撮れますよ。」
いろいろと構図を工夫してみると、撮れる写真のバリエーションも増えそうです。
子どもの目線で撮ってみよう
もう一つ気をつけたいのは、ママがどの位置から子どもの写真を撮るかです。いつもついつい似たような角度から写真を撮ってしまいませんか。そこで栗原さんがおすすめするのは、子どもと同じ目線で撮影する「アイレベル」というアングルです。
「子どもの生き生きとした写真を撮りたいなら、大人がしゃがんで子どもと目線を合わせて写真を撮ることが大切です。すると、子どもが見ている世界観を撮影することができますよ。」
また、自分が動かずに寄り引きを変えるのに「ズーム」を使ったり、暗いからといって「フラッシュ」を安易に使うのは禁物とのこと。
「スマホのズームは一般的なカメラとは違って、画面を引き伸ばして寄るので画像が粗くなってしまいます。またフラッシュも不自然な写真になるのでおすすめしません。」
子どものよい写真を撮るには、自分から動いて寄りや引きの写真を撮ったり、子どもの周りを360度回りながらよい光をキャッチして撮ったりすることが必要だそうです。労を惜しまずに子どもの周りを動き回って、ベストショットを狙いましょう。
屋外では、連写して動き回る子どもをキャッチ!
大人がいくら動いてよい写真を撮ろうとしても、子どもが元気よく動いていては追いかけきれないし、ブレてしまいます。そこでおすすめなのが「連写」を使うことです。「スマホカメラのシャッターボタンを長押しすることで連写ができます。撮影した10~20枚の中から、ベストショットを探すとよい写真が見つかりますよ。」
確かに、昔のカメラと違って、たくさん撮影しても不要な画像は後から消去できるので、気にせずに連写して子どものよい表情やポーズの瞬間をあとから探すのも手。特に、動き回る子どもを捉えるには効果的です。
動き回る子どもは連写を使うのがベスト。ふと空を見上げた瞬間など、
子どもの何気ない動作の中で、狙っては撮れない自然な表情が撮れます
子どもの何気ない動作の中で、狙っては撮れない自然な表情が撮れます
室内では、子どものアイテムも一緒に撮影
では、室内で撮るときはどうしたらよいのでしょう?子どものいる家の中は散らかりやすく、いつも不要なものが写りこんでしまったり、またねんねの赤ちゃんの場合はベッドの中で寝ている同じような写真になってしまいます。
「例えば、部屋の中でいつもキレイに片付ける場所を一箇所決めて、そこを撮影スタジオのようにするのがおすすめです。ねんねの赤ちゃんならベビーベッドでも大丈夫です。同じような写真にならないように、子どものお気に入りのおもちゃや洋服などを敷き詰めて、色の変化をつけてみると華やかな写真が撮れますよ。」
おもちゃや洋服などは子どもが成長してしまうと使えなくなってしまうので、子どもと一緒に写真に残すことで、見返した時に思い出にもなりますね。
「日の丸構図」を避け、あいたスペースにカラフルなおもちゃや絵本を
意図的に入れることで、グッとオシャレな写真に
意図的に入れることで、グッとオシャレな写真に
もうひとつ、室内の撮影で注意した方がよいのが光の問題。
「室内の照明の中で撮影したり、薄暗い中で撮影したりするのは、スマホのカメラの機能では上手に撮影することが難しいんです。できるだけ、日中の自然光で撮影してください。窓辺でカーテン越しのふんわりとした光で撮影すると、素敵な写真が撮れます」と栗原さん。
室内灯の人工的な光よりも太陽の自然な光で撮影する方が、子どもの表情もより自然に写るそうです。
子どもの自然な姿を残そう
最後に、子どものみずみずしい表情を引き出すのにちょっとしたコツも伺いました。「子どもの写真を撮る際に、子どもに声をかけてから撮る方が多いですが、緊張してしまったり、作り笑顔になってしまったりと不自然な表情になってしまいます。子どもの自然な姿を残すには、何かの遊びに夢中になっている時や、家族と一緒にリラックスして楽しんでいる時を狙って撮影してみてください。きっと、その子らしいよい表情が撮れますよ。」
確かに、ハイチーズと言って撮ってしまうと、同じようなピース写真になってしまいます。カメラ目線でなくても、その子らしい素敵な写真が残せるとよいですね。
実際に子どもの写真を撮ってみたら…
実は、この記事の作例写真は、栗原さんに伺ったコツを元に、一児の母でもある筆者自身がスマホで撮影してみたのですが、いかがでしょうか?息子を芝生の上に座らせ自分はかがんで「アイレベル」にして、グリッド線を表示して「三分割構図」を意識したり(1枚目)。「連写」を使うことで、狙っては撮れないような自然な表情が撮れたり(2枚目)。部屋の一部を片付けた即席スタジオで、子どもと一緒におもちゃや絵本を意図的に写しこんでみたり(3枚目)。
自分では、今まで撮ってきた写真に比べると、大分雰囲気の違った写真が撮れたと思います! コツを知っているだけで、撮影する際にいろいろと考えるようになり、ちょっとしたカメラマン気分にもなりました。「もっとよい写真を撮りたい」という欲も湧いてきて、カメラのことをもう少し勉強してみようかなんて気も……!
みなさんも、今回のスマホで撮影するコツを早速実践して、お子さんの素敵な写真をたくさん撮ってみてくださいね。
いつもより広がりのある写真になります