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はやり目(流行性各結膜炎)の原因・症状を解説 予防&対処法も

保育園や幼稚園で流行する「はやり目」。主な症状は目やにや充血などですが、ウイルス性で他人にも感染し、登園ができなくなってしまいます。もし発症した場合はどのように対処すればよいのでしょうか? はやり目の感染ルートや治療法、対処法について、元日本眼科医会理事の宮浦徹先生に教えてもらいました。

プールに入らなくてもうつる!? 「プール熱」とは?

はやり目の原因は「アデノウイルス」

そもそも、はやり目はどういった病気なのでしょうか。

正式には『流行性角結膜炎』という病名で、アデノウイルスと呼ばれるウイルスの感染が原因で、結膜や角膜に炎症が起こる病気です。夏場に流行する傾向が強い病気です」

はやり目は結膜だけでなく角膜にも炎症が起こるケースがあるため、「角結膜炎」と呼ばれるそう。結膜から角膜へとウイルスが感染すると、結膜炎のあとに角膜炎を引き起こすそうです

「ウイルス性の結膜炎は、雑菌やアレルギーによって起こる結膜炎より感染力が強く、症状もひどいのが特徴。アデノウイルスは乾燥に強いので、感染した子どもが目を触った手でドアノブやおもちゃに触れるだけで、園や学校に一気に広がるケースも多いですね

「ほかにも、プールで感染するケースもありますが、園や学校のプールに基準値の塩素が入っていれば基本的には問題ありません。アデノウイルスは塩素に弱いので、塩素濃度が基準値をクリアさえしていれば、ウイルスは数秒で不活化します」

なお、はやり目と同じく、夏場に流行する傾向が強いプール熱(咽頭結膜熱)も実はアデノウイルスが原因だとか。

プール熱もはやり目と同様、目の充血が見られますが、発熱、喉の痛み、咳、鼻水や下痢といった風邪に似た症状が出るのが特徴です

はやり目もプール熱も、塩素が入っていないビニールプールなどで子どもが集まって水遊びをする際は、注意が必要とのことです

涙目は要注意!

では、はやり目にかかると、どのような症状が見られるのでしょうか。

目やにや充血、涙目などが大きな症状として挙げられます。なかでも、『泣いているような涙目』は、はやり目の大きな特徴。あとは、耳の下や耳の前側のリンパ節が腫れる人もいます」

こうした症状が見られたら、まずは眼科を受診しましょう。

「ただし、アデノウイルスは風邪と同じで、ウイルスに直接効く特効薬がありません。そのため、症状に合わせた対処療法を行うことになります。炎症を抑えるための消炎剤や、別の細菌の混合感染を予防するために、抗菌剤の目薬を処方するのが一般的です」

また、アデノウイルスは潜伏期間が約1週間とやや長め。そのため、片方の目だけに症状が出て受診しても、数日後にもう片方の目に症状が表れることも少なくありません。病院によっては、最初に処方された目薬を後から症状が出た目にも使ってくださいとアドバイスしてくれるところもあるので、受診の際にはそうしたケースも含めて相談してみましょう。


医師の許可が出るまで登園・登校は禁止!

はやり目にかかってしまったら、まずは病院を受診して処方された薬をきちんと使うことが大切。では、受診後に気をつけるべきことはあるのでしょうか。

「はやり目と診断された場合は、医師が『感染の恐れがない』と証明するまで登園・登校は禁止です。これは学校保健安全法という法律で定められています。感染力が非常に強い病気なので、たとえ症状が治まっても医師の証明を受けるまでは、園や学校には行けません

一般的には1週間ほどで登園・登校できるケースが多いですが、個人差があるため、もっと早く治る子もいれば、時間がかかる子もいるそう。また、結膜炎が治りかけた頃に角膜へと感染が広がれば、そこからさらに1週間ほどかかることもあります

「はやり目の重症例は、子どもにはあまり見かけなくなりました。どちらかというと大人の方に多い印象です」

はやり目は、子どもだけでなく大人にも感染するので注意が必要。大人の場合でも感染すると出社を控える必要があるので、子どもがはやり目と診断されたら、まずは家庭内での感染を予防することが大切になります。

予防には手洗い&個別のタオル使いが効果的

では、家庭内での感染を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

家族もできるだけ自分の目を触らないこと、流水でこまめに手を洗うこと、感染した子どもとタオルを分けることです。とくに子どもに目薬をさした後は、石鹸できちんと手を洗いましょう。お風呂に入るときは、感染した子どもを最後に入浴させる方がいいですね」

また、薬局などで販売している目を洗浄するアイテムはあまり使わない方がいいのだとか。

「目にはまばたきしながら涙を流して、目の中を洗浄する自己洗浄作用があります。目のまわりの埃などは、その自然作用で勝手に洗浄されます。目を洗浄するアイテムを使用すると、逆に目のまわりの埃を集めて目に入れてしまう場合もあります。また、気持ちいいからと洗いすぎると、角膜を痛めてしまうこともあるので、あまり使用しない方がいいと思います

そもそもはやり目に感染しないために、できることはあるのでしょうか。

できるだけ手を洗うこと、あまり目をこすらないことですね。とにかく感染力が強いウイルスなので、注意のしようがあまりないのが現状です。とくに子どもは、目を触った手であちこち触るので、どうしても感染が広がりやすいです。感染を広げないために、子どもの目に充血や目やに、涙目が見られたら、早めに眼科を受診するというのが大切です」

感染力が強いために防ぐのが難しい「はやり目」。外から帰ってきたら手を洗うことを習慣づけて、気になる症状があれば早めに眼科を受診しましょう。

お話を聞いたのは…

  • 宮浦徹さん

    宮浦眼科 院長。大阪府眼科医会理事、大阪府医師会学校医部会常任委員を兼任。1977年、日本医科大学卒業後、大阪大学医学部眼科学教室に入局。1986年、大阪府吹田市に宮浦眼科を開業。長年、学校保健で目の健康に力を入れている。

  • 公益財団法人 日本学校保健会
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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