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子供の頭痛は何歳から? 遺伝&傾向&予防法&対処法も!

2019年12月24日岡本有紗

風邪や熱はないのに、子供に「頭が痛い」と言われたら心配ですよね。特に原因のない頭痛に悩むのは決して大人だけでなく、幼児から低学年くらいの子供でも、同じように悩まされる場合があるそうです。

そこで今回は、小児・思春期頭痛外来で、子供の頭痛を専門分野とする小児科医の藤田光江先生に、子供の頭痛についてお話を聞きました。

頭痛が始まる年齢は?

頭痛は大人に多いイメージですが、子供も同じようにあるものなのでしょうか。

「大人と同様に、小さな子供にも頭痛に困っている子はいます」

頭痛は、明らかな原因がない一次性頭痛、病気が原因で起こる二次性頭痛、そのほかの原因で起こる頭痛と、大きく3つに分類されています。大人の一次性頭痛の場合、その中に片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛、その他の頭痛と多くのタイプがみられますが、子供に起こる一次性頭痛は、ほとんどが片頭痛か緊張型頭痛です

子供に頭痛があると、病気などが原因の二次性頭痛と思いがちですが、明らかな原因のない一次性頭痛の場合もあるのですね。

では、子供の頭痛は、何歳くらいから起きるものなのでしょうか?

本人が『頭が痛い』と表現できるのは3歳くらいですが、実際の発症年齢はもっと低いかもしれません。稀ですが、1歳半の子供が動かなくなり、吐いて眠ってしまったと聞いたことがあるからです。その子は小学生になって、片頭痛と診断されました」

乳児でも頭痛の症状が出ている可能性はありそうですね。それでは、小さな子供に多い頭痛は、どういったものでしょうか?

「先ほどお話ししたように、原因のない一次性頭痛で子供にみられるのは片頭痛と緊張型頭痛です。人口統計からみた調査では、子供に多いのは『緊張型頭痛』とみられています。ただし、受診するのは『片頭痛』の子供が多いです

なぜ、緊張型頭痛での受診より、片頭痛で受診する子供が多いのでしょうか?

緊張型頭痛は、何となく始まってダラダラと続きますが、痛み自体はさほど強くないのが特徴です。また、小さな子供の緊張型頭痛が、生活に影響するほどの頻度で出現することは稀です。そのため、親が気づきにくい可能性もあります。ともあれ、子供自身が困っていなければ、受診の必要はありません」

「一方で、片頭痛は痛みが強く、吐き気や嘔吐を伴うこともあり、日常生活に大きな支障が現れる頭痛です。また、親が片頭痛の患者であることも多いので、『この子も片頭痛?』と気づいてもらえることがあります。それが受診につながっていると思います」

なるほと、片頭痛は痛みに影響を受ける度合いが大きいのですね。

「はい。ただし片頭痛は発作性頭痛で、大人でも72時間以内に消失します。子供ではもっと短く、眠ると翌日には持ち越さないので、幼稚園や学校など、集団生活の欠席は少ないでしょう」

頭痛は遺伝する?

では、片頭痛を含めて、頭痛は遺伝するのですか?

「そうですね。私が行った調査では、片頭痛のお子さんに何らかの一次性頭痛を持つ家族がいる確率は75%。さらに、それは母親であることが多く、頭痛のタイプはほとんどが片頭痛。つまり、片頭痛に関しては、母親からの遺伝で起こっている可能性が高いと思われます。ただし、緊張型頭痛の遺伝の有無は、よくわかっていません」


子供の頭痛に気づくには? 対応はどうすべき?

頭が痛くても、子供は症状をうまく伝えられない可能性があります。親としては、どうすれば早めに気づいてあげられるでしょうか?

子供の場合、痛みに対して『痛い』という表現を使うとは限りません。そのことを知っているだけでも、だいぶ違う気がします。私が知っている例では、『頭がだるい』と表現した子がいます。また、いつもは元気なのに急に動きが鈍くなるなど、様子の変化に注意すると良いでしょう」

片頭痛の場合は、あくびが出る、顔色が悪くなるなどの予兆と言われる症状が出ることもあります。何度もあくびしたあと、具合が悪そうに動かなくなるといったことがあったら、『頭が痛いの?』と聞いてみてください。子供も約30%に、頭痛の前の前兆があります。多いのは見ようとしているところがぼやけ、回りが光る視覚前兆というものです」

頭痛が起きたときは、どう対応したらいいでしょうか。

片頭痛の場合は、動くと頭痛が強くなるので、いつも通りには行動できなくなります。暗い静かな部屋で休ませるのが良いでしょう。緊張型頭痛の場合は、基本的に寝込むほどの頭痛ではありません。まず『頭が痛いんだね』と頭痛があることを認めて、様子を見てください」

市販の鎮痛剤は服用OK?

市販の鎮痛薬を子供に飲ませても大丈夫ですか?

市販薬は複合鎮痛薬(カフェインなどを含むもの)が多いので、子供にはおすすめできません。頭痛の頻度が高い場合は、受診して、まず頭痛の診断をしてもらう必要があります

「子供の頭痛には第一に薬によらない治療、たとえば睡眠時間を増やすなど生活習慣の見直しが有効です。片頭痛の場合は鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を処方してもらうのが良いと思います。子供には注意深い使用が必要ですが、片頭痛には特効薬もあります」

受診するとしたら、何科に行くべきでしょうか?

「かかりつけの小児科を受診して、必要なら小児神経外来や頭痛専門外来を紹介してもらうのがベターでしょう。もちろん、最初から専門外来を受診してもOKです」


頭痛発生を防ぐコツは?

頭痛を予防するには、どうしたらいいでしょうか。

頭痛は、睡眠不足やストレスと密接にかかわっていると思います。日頃から、子供が楽しく生活できているかどうかを見守りましょう

「楽しく遊んでいるか、習い事などが忙しくなりすぎていないか、食事をしっかりとれているか、夜寝るのが遅くなっていないかなど、生活のペースを整えるのが大切です」

そのほか、頭痛になりやすい行為や行動などはあるのでしょうか。

これはあくまでも片頭痛に関してだけですが、強い光や気圧の変化、チョコレートやチーズといった一部の食べ物、匂い、人混みなどが、頭痛の引き金となることが知られています

「それぞれの子供にとって、何が引き金になるかはわかりませんが、避けられるものはなるべく避けると良いでしょう」

「それから、緊張型頭痛は片頭痛に比べると生活の支障が少ないと言いましたが、何かをきっかけに、子供が『強い』と感じる頭痛に変わることがあります。きっかけとみられるのは、その子を取り巻く人間関係がごたついたときや、その子にとってスケジュールが過密になったときなどです」

「また、緊張型頭痛が『強い』と感じる頭痛に変わるのは文句を言わない良い子に多いので、子供の性格を知っておくことと、頭痛の訴えが増えたときは子供の置かれた環境をもう一度見直すことが大切です

なるほど。子供の頭痛と環境の結びつきは強いのですね。

「なお、原因のある頭痛(二次性頭痛)にも気を付けてください。今までにない激しい頭痛や、手足のまひ、けいれん、意識消失などを伴う頭痛は緊急性が高いので、すぐ画像検査ができる大きな医療機関での受診が必要です。頭痛の強さや頻度がだんだん上がると感じる場合も、早めに受診しましょう」

「もうひとつ、子供にも脳腫瘍や脳内に異常な血管が作られて血流不足を起こす『もやもや病』の発症があり、それらが頭痛を引き起こす場合があることを覚えておくと良いかと思います。脳腫瘍は頭痛のほか、視力や歩行に影響が出ることがありますが、もやもや病は頭痛症状だけでの来院も多いです」

ママとパパはホームドクターです。頭痛を防ぐ生活習慣を整えつつ、子供の様子をしっかり見守っていきましょう。

お話を聞いたのは…

  • 藤田光江さん

    1970年北海道大学医学部卒。北海道社会保険病院などを経て、1980年から筑波学園病院小児科部長、2010年定年退職後同病院および東京クリニック小児・思春期頭痛外来で診療。2男2女を育てながら小児科医として勤務を続けた経験をもとに「0歳-6歳の子どもをもつ お母さんの悩み相談室」(婦人之友社)を執筆。専門は小児・思春期の頭痛,頭痛に関連するこころの病気。近著に「わかってほしい!子ども・思春期の頭痛」(南山堂)がある。

  • わかってほしい!子ども・思春期の頭痛
  • 一般社団法人日本頭痛協会
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ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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