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インフルエンザに2回かかるのはなぜ? 理由&原因&対策も紹介

掲載日: 2019年9月9日更新日: 2019年9月9日別当 律子

高熱や全身のだるさなどの症状を伴うインフルエンザ。季節によって大流行するだけでなく、1シーズンに2回以上感染することもあるようです。

そこで今回は、小児科医の加納友環氏に、インフルエンザに何度も感染する原因や理由、予防・対策などについて聞きました。

インフルエンザは1シーズンに何度も感染するの?

1シーズンに2度以上インフルエンザに感染することが話題になりましたが、実際によくあることでしょうか。

はい、2回以上感染することもあります。例年、日本では12月〜翌年3月ごろにかけて、季節性のインフルエンザが流行します。原因となるウィルスには、大きく分けて『A型』と『B型』の2つがあります。さらに、A型には『A/H3N2(香港型)』や『A/H1N1(ソ連型)』に代表されるような亜種も多数あります」

1シーズンの間には、同時期に香港型とソ連型、B型が流行することもあるため、A型に2回感染するケースや、A型2回に加えてB型にも感染する場合がありえます。頻度は多くありませんが、続けざまに感染するケースも実際にあります

予防接種をしてもインフルエンザにかかることも、タイプの違いによるものでしょうか。

予防接種をしたにもかかわらず、インフルエンザに感染する原因も型の違いにあります。予防接種のワクチンは、その年に流行が予想されるウィルスに合わせて作られるため、別の型が流行した場合には、予防接種の効果が期待できません」

「何度も感染する人とそうでない人の違いは、特別な体質の差などではなく、違う型にかかってしまっただけといえます」

誰でも複数回インフルエンザに感染するリスクがあるのですね。

予防接種は医師と相談して決めた方がいい!

一気に大流行するインフルエンザですが、ワクチンを打つタイミングはどうわかるのでしょうか。

インフルエンザの予防接種は、生後6カ月以上13歳未満の場合、『1シーズンに2回接種』が基本です。本格的な流行が始まる前に、適切な期間を空けて2回接種する必要があるので、早い時期から計画を立てる必要があります

「一般的に、インフルエンザが爆発的に流行するのは冬なので、流行シーズンに備えて、秋になったら、医師とインフルエンザの予防接種の時期について相談するようにしてください」

予防接種を打つ時期については、早めの対策が必要不可欠のようです。

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インフルエンザに感染したときの注意点

インフルエンザに感染したときには、どんなことに注意すべきでしょうか。

感染の回数に関係なく、インフルエンザによって起こる異常言動や意識障害、呼吸困難などに注意してください。たとえば、厚生労働省が発表しているインフルエンザ感染時の代表的な異常行動には、次のようなものがあります」

  • 突然立ち上がり部屋から出ようとする
  • 興奮して窓を開けベランダに出て飛び降りようとする
  • 人に襲われる感覚を覚え外に走り出す
  • 突然笑い出し階段を駆け上がろうとする
  • 変なことを言い出し泣きながら部屋の中を動き回る など

「これらの症状は、抗インフルエンザ薬の服用の有無や種類にかかわらず、実際の事故が報告されている事例です。就学以降の小児、未成年者の男子は、インフルエンザを原因とする発熱から2日以内のケースでリスクが高い傾向があります」

発熱から2日以内に、どんなことをしたらいいのでしょうか。

「発熱から2日以内の間は、できるだけ次のような対策を心がけてください」

  • できるだけ子どもから目を離さない
  • 玄関やすべての部屋の窓を確実に施錠しておく
  • 窓に格子がつけられた部屋があればできるだけその部屋で寝かせる
  • ベランダに面していない部屋に寝かせる
  • 2階建の家なら1階の部屋に寝かせる

回数に関係なく、上記のことには必ず気を付けましょう。

感染予防の基本は「予防接種」と「手洗い」

毎年流行するインフルエンザの型はわかるものなのでしょうか。

実際にどのタイプのインフルエンザが流行するのかは、正確に事前予測することは難しいです。感染予防の基本対策は、やはり流行前の予防接種と手洗いの徹底しかありません。ほかにも、厚生労働省が推奨している予防方法には、次のようなものがあります。参考にしてみてください」

  • 室内を適度な湿度(50〜60%)に保持して乾燥を防ぐ
  • 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を心がける
  • 流行中は人混みや繁華街への外出を控える
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ちなみに、東南アジアでは年間を通してインフルエンザが発生しています。さらに、日本とは季節が反対の南半球では、日本が夏の時に冬にあたるので、インフルエンザのピークでもあります。

さらに、2020年には日本で五輪が開催されるとあって、訪日外国人の増加に伴い、季節に関係なくインフルエンザウィルスが持ち込まれるリスクも上昇するとあって、注意が必要ですね。

インフルエンザは、子供にとって、時に命の危険に直結する病気です。流行そのものを抑え込むことは難しいので、流行前の予防接種や手洗いの徹底で、子供をインフルエンザから守りましょう!

お話を聞いたのは…

  • 加納友環医師

    2児(2歳、4歳)の父で小児科専門医。パパ小児科医(ぱぱしょー)名義で、TwitterやInstagramを中心に子育て当事者の立場から、また医療者の立場から子育てに役立つ情報を発信している。

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ライター紹介

別当 律子

フリーランスの編集者・ライター。出産をきっかけに育児雑誌のライターに転向し、その後子どもとのお出かけ情報を中心に雑誌、本、絵本、web媒体等で執筆。保活、中学受験、部活や留学サポート等々を経験した今だからこそわかる、話せる子育て情報を発信中。

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