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子供とバイクでツーリング、何歳からOK?

2015年8月3日橋 喜平

自由を感じさせる乗り物、バイク。子供と同じ風を感じて、タンデム(2人乗り)ツーリングに出かけてみたい…そんな思いを持つバイク好きのお父さん、お母さんもいるのではないでしょうか。しかし、バイクは車ほどの安全性が保たれているとは言い難い面がある乗り物であることは事実。では、バイクで子供との2人乗りを楽しむために必要な装備や、注意すべきこととは?

バイクの2人乗りに関する法的な制限とは?

まず知りたいのは「子供は何歳から二人乗りが可能なのか」という点。今回、バイクのツーリング情報に詳しい、枻(えい)出版社『BikeJIN』の中村編集長にお話を伺いました。

年齢制限は無いが、小学生以下だと難しい

「実は
道路交通法にはバイクの2人乗り同乗者の年齢制限は記載されていません。2人乗りに関しての法的な制限としてあるのは運転者側の制限でして、一般道では、排気量50cc以上の自動二輪車の経験が1年以上、高速道路は年齢20歳以上かつ、排気量50cc以上の自動二輪車の経験が3年以上必要とされています。」

ということは、極端な話、赤ちゃんをバイクに乗せるのもアリ、ってことなのですか?

「それは難しいでしょうね。まず、
バイクに乗るには運転者、同乗者ともにヘルメットの着用が義務付けられています。キッズ用のバイクヘルメットは存在しますが、極端に小さなものは販売されていません。もちろん、ヘルメットはかぶってさえいればいいというものではなく、安全のためにジャストサイズで着用すべきものですから。また、後部座席のステップに足が着くことが望ましいともされています。」

「これらのことから明確な決まりはないとはいえ、
同乗するお子さんの年齢は、小学校低学年あたりからが適した年齢と考えるのが妥当なのではないでしょうか。」

排気量、乗せる場所には当然決まりがある

ちなみに筆者は過去に、交通量はほぼ皆無な田舎道でしたが、原付バイクのステップに米袋と共に子供を立たせて乗っている人や、バイクのタンクに子供をまたがらせて走行している人にすれ違ったことがあります…。

「それは完全にアウトです。そもそも
排気量が50cc以下のバイクは2人乗りが禁止されていますし、道路交通法でも『乗車のために設備された場所以外の場所への乗車を禁止』しています。絶対にやってはいけません。」

小さい子供だからいいだろう、ちょっとだけだから大丈夫だろう。そんな考えが親御さんにあったら残念ですね。なにより子供の命に係わることなのですから。


子供をバイクに乗せる時に必要な装備とは?

ヘルメットはもちろん、服装にも注意が必要

では、子供との安全な2人乗りを考えると、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

「まず、服装から見て行けば、先ほども言ったように
ヘルメットの着用は絶対です。安全性を考えれば、アゴまで守れるフルフェイスが理想であるのは言うまでもないでしょう。ほか半袖、サンダルといった服装は安全面から適していません。最低でも長そで、長ズボン、くるぶしまである靴の着用は必須ですね。できれば、ひじ・ひざのプロテクター、胸部や脊椎を守るプロテクターの入ったジャケットの着用もしていただきたいところです。」

このあたりは、大人のライダーでも一緒。それが子供の安全に関わることなのですから尚の事、安全への投資を怠れませんよね。では、身に着けるもの以外で、用意すべきグッズなどはありますでしょうか?

何より怖い、子供の居眠りによる落下。それを防止するには…


子供との2人乗りで何より怖いのは、落下させてしまうこと。子供は平気で居眠りをしますからね。後部座席に『背もたれ付きの座席』となるような装備を取り付ければ、落下の危険性も減りますし、お子さんも快適なタンデムを楽しめるかと思います。」

「また、ここまで大げさなものでなくとも、おんぶ紐のような形で、子供を固定するグッズが出ています。子供が体を支えやすいように取っ手がついているものであれば、ずっと運転者にしがみ付いているよりもお子さんも、運転者も楽でいられるはず。それでいてバイク2人乗りの一体感も損なわれないということで人気の商品のようです。タンデムライダーズというメーカーのものが有名ですから、気になるかたは検索してみてはいかがでしょうか?」

確かに、
子供にいくら「ちゃんとつかまっていなさい」と教えたところで限界はありますからね、こうした装備も必須だと感じます。ただし、こうしたグッズも転倒事故などを起こした際は、子供がとっさにとる反射的な行動の妨げになる可能性もゼロではないでしょう。万全の準備をしても、慢心は禁物でしょうね。

「子供の居眠りによる落下を防止するには、こうした物理的な方法をとるもの以外にも、有効な装備があります。
オススメしたいのがインターコム…つまりヘルメットに装着するトランシーバーのようなものを導入すること。走行中のバイクは、周りの騒音とヘルメットのせいで同乗者との会話もままなりません。しかし、これがあれば常時コミュニケーションをとることができます。子供を退屈させないように、また知らない内に寝られてしまうことを防ぐために、是非お勧めしておきたい装備ですね。」


装備だけではない。2人乗りで気を付けるべきこと

同乗者には最大限の気配りを

なるほど。では、装備以外で気を付けるべきことはどんなものがあるのでしょうか?

「もし、2人乗りを意識してこれからバイクを購入するのであれば、
なるべく後部座席の面積が大きく、パワフルすぎないバイクがいいでしょうね。ただどんなバイクであろうと、急加速、急停止は不安定になるため、いずれにせよ慎重な運転を心がけることが必要です。また、ただ後ろに乗っているだけとはいえ、風に当たっているだけでも体力は消耗しますし、体が冷えてしまうもの。少なくとも1時間に1度は休憩をとり、必要であれば重ね着をさせるなどの配慮が大切でしょう。」

「それから乗る前にはお子さんに、
『運転者にしっかりつかまっていること』、『高速運転時は風圧でヘルメットごとあたまが持って行かれるのでキョロキョロしないこと』、『バイクの挙動が不安定になるので動かずにガマンしていること』を教え込む必要があります。それに、インターコムがなければ『眠くなってしまった』『止まって欲しい』といった場合には背中を叩くなどのサインを決めておく必要もあるでしょう。」

これは、年齢の話にも通じますね。このあたりを言って聞かせて理解、実行できる年齢でなければ、近所への買い物ならともかく、ロングツーリングなどは怖くてできないはずですから。車と同じノリで駄々っ子をされたら困りますもんね。

「駄々っ子といえば、ちょっと面白い話があります。お子さんとのツーリングを経験された親御さんへの取材で、なんどか耳にしたのですが。それは普段、あまり言うことを聞かない子供でもバイクに乗ると大人しくなるということ。子供ながらに『車と違って、良い子にしていないと危ない』ということは肌感覚でわかるらしく、バイクに乗ると言うことを聞くようになるケースが多いようです。ただ、繰り返しになりますがこうした安心材料になる話もあるとはいえ、
子供はどんな行動をするかわからないものと考え、安全への配慮は怠らないでください。」


バイクは危険なだけの乗り物ではない

ツーリングは小さな冒険の旅〜

バイクは曲がる際、運転者は体を傾ける必要があります。それが楽しいところなのですが、その体の傾きに同乗者も合わせる必要があります。そして速度が早ければそれだけ、コーナーでの傾きも強くなるもの。慣れない同乗者は恐怖を感じるでしょうから、ひらひらと軽快に車体を倒しての走行は難しくなるはず。そう考えると、
バイクは楽しくて自由な乗り物である反面、誰かを乗せて走るには気軽な乗り物ではないとも言えそうです。装備を整え、スピードを抑え、急発信、急停止にも気をつける…、臆病なくらいに安全運転を心がけないといけないんですね。

「確かに、そういった面はあります。なにより
子供の安全を考えれば慎重であればあるほど良いのは間違いありませんから。そもそもバイクは、暑さ寒さ、風、雨の影響といった自然の厳しさをダイレクトに受けてしまう不安定な乗り物ではあります。また、スリル…を感じさせる運転をしてはいけないのは大前提ですが、どんなに安全運転を心がけても車にはない緊張感を同乗者に与えてしまうことも否めません。しかし、それは子供の冒険心、アドベンチャーへの憧れを満たすことにもつながります。これもまた一つの学習と捉えることも出来るのではないでしょうか。」

電車の旅、車の旅もいいものですが、そうした乗り物では得難い体験ができるのがバイクツーリング。「今日はがんばったな」というようなことを偉そうにいいながら、夕日を眺める大きな影と、寄り添う小さな影…ああ、ウットリ。と、思わず妄想が先走ってしまいましたが、
ドキドキを共有しながら“冒険”を乗り越え、我が子の1日の成長を実感できる旅が出来ることは間違いないようです。

お話を聞いたのは…

  • 中村淳一さん

    ビギナーからベテランまで。旅するライダー必見のバイクやルート情報、お役立ちアイテムなど満載の月刊誌『BikeJIN』編集長。バイク歴18年。愛車はBMW R1200R。46都道府県中、走破していないエリアはあと6県。3年以内の全国制覇を目指している。

  • BikeJIN公式WEBサイト
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ライター紹介

橋 喜平

職業、エディター。恋人、娘。週末、締切に慌てる。そんな兼業ライター。2児の父。子供の頃、歳の離れた弟の面倒をみた経験から家庭内では子育てのベテランを気取るものの、その様が嫁にうとましがられている気がしなくもない40代。休日は得意の料理で、嫁子のご機嫌取りに余念がない。

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