自分や家族が着なくなった洋服などファッションアイテムに特化した物々交換イベント「xChange(エクスチェンジ)」。2007年に第1回が東京で開催されて以降、各地で賛同者を増やし、自主開催の輪が広がっています。今回はそんなxChangeの魅力について、主催者の丹羽順子さんにお話を伺いました。
参加するためには、事前の登録などは不要。当日に提供したいアイテムを持って行き、会場に置いてあるタグにメッセージを書くだけです(タグは事前にダウンロードも可能)。
このユニークなイベントはどのような発想から生まれたのでしょうか?
「幸せの形は所有数やお金ではないのに、現代社会ではお金という尺度にとらわれ過ぎると感じました。お金を介在させないことによって、物の価値を改めて感じてほしいという思いからこのイベントを始めました。また、服を1着作るのにも環境に負荷がかかっています。一着一着を最後まで大切にすれば、環境に配慮しながらおしゃれも楽しめる。物々交換を通じて、そういった気づきにもつながればと考えています。」(丹羽さん)
また、物々交換を通じて、地域の人同士の新たなつながりが生まれることも、狙いのひとつなんだとか。そのため、出品するアイテムには、そのアイテムにまつわるエピソードを書いたタグを必ずつけてもらうことにしているそうです。
「エコ&お得を感じながら服への愛着を湧かせる手段として、エピソードタグを付けることを最初から決めていました。そのアイテムを、どのように大切にしてきたか、そのアイテムにまつわる思い出などを、タグに書き込んでもらい、もらう側がそのエピソードを読むことによって、提供者の気持ちに思いを馳せたり、一緒に参加している人たちと盛り上がったりして、それをきっかけに新たな交流が生まれることもあります。そんなプラスαのメリットがあるのも、xChangeの大きな特徴です。」
xChangeのホームページを見たところ、おしゃれな人ばかりが集まっているのではないかと少し躊躇していましたが、私が参加した会ではおばあちゃん世代も多く安心しました。
ホームページで見られるようなおしゃれな雰囲気というのは、あえて意識していることなのでしょうか?
「ダンボールに無造作に入っている服や、所狭しと並べられたハンガーの服は、選びにくいのではないでしょうか。そのためxChangeでは、出品される服の魅力がより伝わるように、ディスプレーの仕方など、見やすくておしゃれな空間にすることにもこだわっています。また、そうすることでおしゃれに対して感度の高い方々が参加してくれて、品質の良い服が集まりやすいので、そこからさらに参加者も増えていきます。」
ただ、現在xChangeは各地でこの活動に賛同した方々が開催する自主開催という形をとっているため、内容は開催者によってまちまち。しかし、それによって、さまざまな価値観や世代の人へ広がることについては、良いことと感じているそうです。
「私がこの活動を始めたのが33歳だったので、最初は20代~30代向けのおしゃれなイベントのつもりでしたが、今は自治体の環境課などからも問い合わせがあったりして裾野が広がりつつあります。開催内容や場所によりますが、日用品が多かったり、子供服だけだったり。最近ではアスリート向けのエクスチェンジなどもあるようで、開催場所や主催者によって、出品される物や雰囲気はさまざまなんです。」
なお、イベントで余った服は捨てないことを前提にしているため、リサイクルショップに引き取ってもらったり、ウエス(ぼろ布、古布、ぞうきん)にする、海外へ送る…という手段で循環させているそうです。
今回参加したのは、地域交流センターで行われた町興しを兼ねたイベントの一環で、開催時間は10時~15時。会場に着いたらまず最初に、メッセージタグに、アイテムの特徴やおすすめのポイントを書き込んで準備完了。服を物色しながらも、自分が提供した服と絵本がどうなるかちょっとドキドキ気分で見守りました。でも2~3分もしないうちに、親子連れとおばあちゃんにそれぞれもらわれていき、ほっとひと安心。
そして私自身もすてきなアイテムをゲット! ちょうど欲しいと思っていた息子のためのデニムの帽子。状態も良く、生地がしっかりしていて、子どもに人気のキャラクターがアップリケされていました。タグには「ばぁばにプレゼントしてもらった帽子。一年中使えて便利です」とのメッセージが。息子も大喜びでその場で被っていました。
また、会場は商品物色中のママ友さんたちで盛り上がったり、リピーターさん同士で「また来ちゃった!」などとおしゃべりしたりと和やかな雰囲気でした。これがxChangeが大切にしている「つながり」「循環」ということなのかもしれません。
今回、静岡県島田市で開催されたxChangeの開催者の江塚朝美(えづかともみ)さんによると、1年半ほど前から開催しはじめたそうです。「私自身がもったいなくて物が捨てられない性格なので、この活動を知り、開催しようと思いました。毎回お越し下さる方もいらっしゃいます。xChangeを通じて心のふれあいや温もりを感じてもらえたら嬉しいです。」
今回の取材で改めて物を大切にすることが環境への配慮につながることに気づきました。各地での開催予定はホームページで確認できるので、もし近くで開催されているなら一度行ってみては? また、「近くで開催されていない」という方は、自主開催もおすすめです。
お金、エコ、つながり…xChangeが伝えたいこととは
特に小さい子供を持つママたちの間で広まりつつあるxChange。子供服の処分は誰でも頭を悩ますものですが、そこで一番に思い付くのがフリーマーケットやリサイクルショップ。でも、xChangeの場合、物々交換なのでそこにお金は介在しません。さらに、自分が出す着なくなった洋服には、メッセージを書き込んだタグをつけるため、もらってくれる人との間に交流も生まれます。参加するためには、事前の登録などは不要。当日に提供したいアイテムを持って行き、会場に置いてあるタグにメッセージを書くだけです(タグは事前にダウンロードも可能)。
このユニークなイベントはどのような発想から生まれたのでしょうか?
「幸せの形は所有数やお金ではないのに、現代社会ではお金という尺度にとらわれ過ぎると感じました。お金を介在させないことによって、物の価値を改めて感じてほしいという思いからこのイベントを始めました。また、服を1着作るのにも環境に負荷がかかっています。一着一着を最後まで大切にすれば、環境に配慮しながらおしゃれも楽しめる。物々交換を通じて、そういった気づきにもつながればと考えています。」(丹羽さん)
また、物々交換を通じて、地域の人同士の新たなつながりが生まれることも、狙いのひとつなんだとか。そのため、出品するアイテムには、そのアイテムにまつわるエピソードを書いたタグを必ずつけてもらうことにしているそうです。
「エコ&お得を感じながら服への愛着を湧かせる手段として、エピソードタグを付けることを最初から決めていました。そのアイテムを、どのように大切にしてきたか、そのアイテムにまつわる思い出などを、タグに書き込んでもらい、もらう側がそのエピソードを読むことによって、提供者の気持ちに思いを馳せたり、一緒に参加している人たちと盛り上がったりして、それをきっかけに新たな交流が生まれることもあります。そんなプラスαのメリットがあるのも、xChangeの大きな特徴です。」
おしゃれにこだわるのにはワケがある
先日、筆者も地元・静岡で開催されたxChangeイベントに参加してきました。xChangeのホームページを見たところ、おしゃれな人ばかりが集まっているのではないかと少し躊躇していましたが、私が参加した会ではおばあちゃん世代も多く安心しました。
ホームページで見られるようなおしゃれな雰囲気というのは、あえて意識していることなのでしょうか?
「ダンボールに無造作に入っている服や、所狭しと並べられたハンガーの服は、選びにくいのではないでしょうか。そのためxChangeでは、出品される服の魅力がより伝わるように、ディスプレーの仕方など、見やすくておしゃれな空間にすることにもこだわっています。また、そうすることでおしゃれに対して感度の高い方々が参加してくれて、品質の良い服が集まりやすいので、そこからさらに参加者も増えていきます。」
ただ、現在xChangeは各地でこの活動に賛同した方々が開催する自主開催という形をとっているため、内容は開催者によってまちまち。しかし、それによって、さまざまな価値観や世代の人へ広がることについては、良いことと感じているそうです。
「私がこの活動を始めたのが33歳だったので、最初は20代~30代向けのおしゃれなイベントのつもりでしたが、今は自治体の環境課などからも問い合わせがあったりして裾野が広がりつつあります。開催内容や場所によりますが、日用品が多かったり、子供服だけだったり。最近ではアスリート向けのエクスチェンジなどもあるようで、開催場所や主催者によって、出品される物や雰囲気はさまざまなんです。」
なお、イベントで余った服は捨てないことを前提にしているため、リサイクルショップに引き取ってもらったり、ウエス(ぼろ布、古布、ぞうきん)にする、海外へ送る…という手段で循環させているそうです。
実際にxChangeに参加してみた体験談
実際にxChangeに参加してみましたが、「こんないい物が無料で手に入るなんて!」と驚くようなファッションアイテムが出品されていました。私が提供したのは子どもが着れなくなったショートパンツで、1シーズンしか着なかったので比較的きれいな状態です。もうひとつは子どもがあまり読まなかった絵本。ほとんど手に取らなかったため、こちらも程度良好で出品しました。今回参加したのは、地域交流センターで行われた町興しを兼ねたイベントの一環で、開催時間は10時~15時。会場に着いたらまず最初に、メッセージタグに、アイテムの特徴やおすすめのポイントを書き込んで準備完了。服を物色しながらも、自分が提供した服と絵本がどうなるかちょっとドキドキ気分で見守りました。でも2~3分もしないうちに、親子連れとおばあちゃんにそれぞれもらわれていき、ほっとひと安心。
そして私自身もすてきなアイテムをゲット! ちょうど欲しいと思っていた息子のためのデニムの帽子。状態も良く、生地がしっかりしていて、子どもに人気のキャラクターがアップリケされていました。タグには「ばぁばにプレゼントしてもらった帽子。一年中使えて便利です」とのメッセージが。息子も大喜びでその場で被っていました。
また、会場は商品物色中のママ友さんたちで盛り上がったり、リピーターさん同士で「また来ちゃった!」などとおしゃべりしたりと和やかな雰囲気でした。これがxChangeが大切にしている「つながり」「循環」ということなのかもしれません。
今回、静岡県島田市で開催されたxChangeの開催者の江塚朝美(えづかともみ)さんによると、1年半ほど前から開催しはじめたそうです。「私自身がもったいなくて物が捨てられない性格なので、この活動を知り、開催しようと思いました。毎回お越し下さる方もいらっしゃいます。xChangeを通じて心のふれあいや温もりを感じてもらえたら嬉しいです。」
今回の取材で改めて物を大切にすることが環境への配慮につながることに気づきました。各地での開催予定はホームページで確認できるので、もし近くで開催されているなら一度行ってみては? また、「近くで開催されていない」という方は、自主開催もおすすめです。