子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

百貨店に聞く!雛人形の選び方&2016年のトレンド

掲載日: 2016年2月1日更新日: 2016年2月1日吉田飛鳥

女の子を持つ親にとって、一大イベントであるひな祭り。特に娘が生まれて初めて迎える初節句に向けては、楽しみと同時に悩みも出てくる親が多いよう。今は昔と違って色々種類があるみたいだし、何をどう選べばいいんだろう…そんな幸せなお悩みを解消すべく、百貨店の雛人形エキスパートを直撃してみました! 

そもそも雛人形は誰が買うもの?

昔からの習わしでは母方の実家が用意だが、近年は贈り方も多様化

昔は雛人形を嫁入り道具として嫁ぎ先に持参していたため、雛人形は母方の実家が用意するケースが一般的でした。しかし、結納を行わず嫁入り道具も用意しない家庭が多くなった現代でも、雛人形は母方の実家から贈るべきなのでしょうか?

伊勢丹新宿店で雛人形売場を担当する下さんによると、「古くからのしきたりにのっとる方も依然たくさんいる一方で、両家が関われる形をとったり、親から娘への贈り物とする方も増えてきており、贈り方が多様化してきているようです」とのこと。

売場へおばあちゃんと両親が一緒に来たり、両親だけで来る場合も祖父母からお祝金を預かり、写メや電話で祖父母の意見を聞く場合がほとんどのようですが、「両実家と親の3家族で費用を負担するケースもあります」と、「母方の実家」にこだわらず、柔軟に対応するケースも増えているそう。

「実父母も義父母も孫に雛人形を贈りたいみたい、どうしよう…」そんなお悩みを耳にすることも増えていますが、家族の考え方や状況によって決めるのがベスト。孫の一大イベントに関わりたいおじいちゃんやおばあちゃんが増えてきていることを考えると、雛人形の検討前に両実家に相談するなど、皆が気持ちよくお祝いできるよう配慮することが大切かもしれませんね。


雛人形を選ぶ時のポイントって?

人形のタイプ→顔立ち・衣裳の順に好みの雛人形を選ぶ

贈り主が決まったら、いよいよ売場へ行って雛人形を選びます。一生付き合っていくものなので、好みを大切に選んでいきましょう。

雛人形には、人形に実際に着物を着せつけた「衣裳着」と、人形に溝を彫り布地を埋め込む技法を用いた「木目込」の2つの種類があります。

「一般的なお雛様のイメージでもある、伝統的な衣裳着を求めて来られる方が大多数ですが、選んでいくうちにかっちりしたフォルムの愛らしい木目込に魅了される方もいらっしゃいます。」

衣装着(写真提供:伊勢丹新宿店)
木目込(写真提供:伊勢丹新宿店)

タイプが決まったら、好みの人形を探していきます。ポイントは「人形の顔立ち」と「衣裳の色味」。優しい顔、きりっとした顔など、始めに人形の顔立ちから選び、次に全体の雰囲気を決める衣裳の色合いを見て選んでいくのがおすすめです。

「赤や黄色など、はっきりした色を用いた華やかな衣裳が昔ながらのイメージの雛人形ですが、昨今では少しシックな落ち着いた色の衣裳が人気を集めています」と下さん。派手な色合いよりも、家のインテリアにしっくり馴染むおさえた色味を選ぶ人が多くなっているそうです。

シックカラーのお雛様(写真提供:伊勢丹新宿店)

好みの方向性が固まったら「サイズ」と「予算」で絞り込み

昔ながらの雛人形というと、三人官女や五人囃子を含めた七段飾りが頭に浮かびますが、近年の住宅事情により、段飾りを選ぶ人は減少傾向にあるようです。

お内裏様とお雛様一対のみの「親王飾り」を選ばれる方がほとんどです。さらにその中でも、サイズが年々コンパクトになってきています。」

サイズというと、どうしても目に入りやすい横幅を気にしてしまうものですが、実は奥行のチェックが大事だと下さんは言います。

「チェストなどの上に置く場合、はみ出してしまうことはもちろん、床に直置きにする場合も、奥行が長いと想像以上に圧迫感が出るので、しっかり確認していただくことをおすすめします。」

そして気になる予算については、誰が購入するかで大きく開きが出てくるものの、「だいたい15万円〜25万円の価格帯が人気」とのこと。家での置き場所と予算を考えてからお店に行くと選びやすいでしょう。


ケース入り、収納飾りなど個性的なバリエーションも

他にも、近年の様々なニーズに応えて、色々な種類が展開されています。出し入れが面倒な人に向けた、ガラスの「ケース入り」は収納や持ち運びがとても簡単。また、「収納飾り」はお節句の時期以外はお人形を中にしまって、インテリアとして年間を通して使用できるため、面倒くさがり屋さんにはぴったりかもしれません。

しかし「『お人形やお道具を娘と一緒に並べるのも楽しみの一つ』として、スタンダードなものを好まれる方が今は主流になっています」と下さん。ひな祭りは伝統行事ゆえ、依然として昔ながらの様式が好まれているようですね。

「お人形」「お道具」「台」を自由に選べるサービスも

「お雛様の顔はこれがいいけれど、台の大きさがどうしても家に合わない」、「衣裳のカラーはこれが好きだけれど、お道具や台はもっとシックなものがいい」など、細かい要望に合わせて、組み合わせを自由に選べるサービスも最近では出てきているようです。

伊勢丹新宿店では、「2つの価格帯を設け、それぞれお人形と台を3種類〜4種類の中から選んでいただけます」とのこと。選べないお店ももちろんありますが、希望があれば来店時に聞いてみる価値はありそうです。

このように、ひな祭りは伝統的な行事ではありますが、人気の雛人形のタイプやその贈り方は時代とともに少しずつ変化しているようです。

雛人形は、立春(2月4日)を過ぎた頃、もしくは雨水(うすい。2月19日頃)を過ぎた頃に飾り始めるのがいいそう。両実家の意向も踏まえたうえで、それぞれの家庭にあった雛人形を選べるといいですね。

お話を聞いたのは…

  • 「伊勢丹新宿店」呉服商品部バイヤー 下 和宏さん

    新宿伊勢丹・銀座三越婦人服担当を経て呉服担当となり、現在は伝統的なアイテムのみならず、新進気鋭のクリエイターが手掛けるアイテムまで、幅広くJAPANにまつわる商材を取り扱う和装小物・和雑貨バイヤーとして活躍中。

  • 伊勢丹新宿店
  • 伊勢丹オンラインストア

ライター紹介

吉田飛鳥

子どもを持ってからというもの、これまで生きてきた世界が色んな意味で全く別のものに見える、ライター兼一男一女の母。旅行が大好きな夫婦のもとに産まれてきた子どもたちは、2人とも1歳前から何度も飛行機を経験。子どもと一緒のおでかけ時に感じるリアルな声をお届けします。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事