子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

最近増えている「2分の1成人式」って何?

最近、耳にすることが増えてきた「2分の1成人式」。「ハーフ成人式」や「十歳(ととせ)祝い」などとも呼ばれているようですが、そもそもどんな行事で、何をするのでしょうか? こちらの行事を題材にした、子ども向け小説「2分の1成人式(講談社)」の著者、井上林子さんにお話を聞きました。

20歳の半分!10歳を祝う学校行事「2分の1成人式」

「2分の1成人式」とは、成人の半分の年齢、10歳を迎えたことを記念する行事。主に小学校で行われており、10歳を迎える小学4年生の子どもたちが、過去や将来と向き合うきっかけとして行うようです。

1980年頃に一部の学校で、高学年への門出にふさわしいイベントとして考案されたのが始まりとされ、それを取り上げた教科書が登場したこともあって全国に広まりました。都内では2006年時点で半数以上の公立小学校で実施されるなど、近年急速に広がりを見せています

「10歳」は子どもの成長において大きな節目

そもそも、なぜ「10歳」を祝うことが重要なのでしょうか。

「小学4年生の国語の教科書には、『自由にスピーチをして10歳を祝おう』『10年間を振り返って文集を作ろう』『10年後の自分に手紙を書こう』といった内容が盛り込まれています。2分の1成人式が生まれる前から、10歳という年齢を意識することが、教育の概念の中にあったのではないでしょうか。」

さらに、10歳という年齢は、成長の中の一つの節目ではないかと井上さん。

過去を振り返ったり、未来のことを具体的に考えたりといったことができるようになるのが、10歳くらいからなのだと思います。」

「『十歳のきみへ —九十五歳のわたしから』という著書でも知られる聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生によると、人は10歳前後になると、人間の生命には『終わり=死』があることをだんだん理解できるようになるのだとか。つまり、生きている今の大切さに気づく、とても重要な時期だということ。そういった意味でも、10歳は大きな節目といえる年齢なのかもしれませんね。」


2分の1成人式はいつ?どんなことをするの?

2分の1成人式の実施は、学校の裁量に任せられているので、すべての学校が実施しているわけではありません。時期も成人式と同じ1月や、進級を控えた3月に行う学校のほか、秋に行う学校も。

また、内容も学校によってかなりバラツキがありますが、井上さんが調べたところでは、下記のようなことを行っているそう。

2分の1成人式で実施される主な内容

  • みんなで順にスピーチをする
  • 「将来の夢の作文」を発表
  • 20歳の自分へ手紙を書く
  • みんなで歌を歌う
  • 親への手紙を読む
  • 生い立ちをまとめた自分史や、好きなもの、将来の夢などを書いた文集を作る

「スピーチでは、今の自分の素直な気持ちを子どもたちに話してもらう学校もあるそうです。将来の夢を語る子もいれば、親への感謝を述べる子もいたとか。『○○ちゃん、ずっと友達でいようね』なんて、かわいらしい内容のスピーチもあったと聞きました。」

保護者参加型のイベントや自分史作りで親としての関わりも

こうしたスピーチや歌を保護者が聞く形のほか、保護者参加型の演出を取り入れる学校もあるそう。

「親から子どもへ手紙を書く、子どもたちの歌に保護者が歌を贈り返すなど、保護者参加型の学校もあります。また、スピーチをしている子どもの後ろで、その子が小さな頃の写真をスクリーンで映し出すといった演出をするところもあるそうです。」

目に見える形で親が参加しない場合でも、自分史を作る場合は『最初に話した言葉は○○』『はじめて歩いたのは○歳○ヶ月のとき』など、親に聞かないとわからないこともあるため、自分史を作っていく過程で親子のコミュニケーションが生まれるようです。

「『あなたは昔、こんな子だったんだよ』と昔話をしてもらうだけでも、愛情を感じられて子どもはうれしいみたいです。過ごしてきた日々を一緒に振り返ることは、親子で思い出を語り合うきっかけになるのですね。」

考えてみれば、過ごしてきた時間を改めて振り返るなんてなかなかない機会。子どもと一緒にアルバムを見ながら、いろんな思い出話を聞かせてあげたくなりますね。

感謝の言葉に感動して泣く親も

ちなみに、2分の1成人式を経験した保護者からは、どういった感想が聞かれるのでしょう。

「私が聞いた限りでは、良かった、感動した、という声が多かったですね。子どもがどんなことを考えているのかわかって良かったとか、感謝の言葉を聞いて感動して泣いてしまったとか。」

確かに、普段なかなか聞けない感謝の言葉が我が子の口から出てきたら、それだけで感激しそう!

「先生に『感謝を述べなさい』と言われるわけではないのに、子どもたちが感謝の言葉を作文などに書くのは、過去を見つめ直すことで、自然と感謝の気持ちが生まれるからではないでしょうか。ここまで育ってきたのは自分一人の力ではないと気づくのかもしれませんね。」


10歳の、ありのままの想いを受け止めて

子どもが過去や未来を見つめ直す2分の1成人式。親は、どんな姿勢でサポートしてあげれば良いのでしょう?

「小学4年生を担任している先生から聞いたのですが、4年生くらいの年齢は、だんだん現実を理解してきて、周りの目も気にし始める年頃なのだとか。だから『アイドルになりたい!』とか『プロサッカー選手になりたい!』などの夢を持っていても、『どうせ無理だし…』『バカにされたらイヤだし…』と、口に出して言えない子も多いそうです。」

だからこそ、子どもが勇気を出して語った夢は、どんなことであっても否定しないであげてほしいと井上さん。

「10歳の子どものありのままの言葉や想いを家族がまっすぐに受け取めてくれたら、子どもはきっと心強く、うれしいと思います。2分の1成人式は、子どもたちが夢を持って生きていくきっかけにもなる行事。夢に向かって前向きに進む我が子を応援してあげてほしいと思います。」

子どもが夢に向かってがんばる姿は、キラキラとまぶしいもの。我が子の成長を喜ぶとともに、どんな大きな夢でも「がんばれ!」と言ってあげたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 井上林子さん

    1977年生まれ。児童文学作家。絵本に『あたし いいこなの』(岩崎書店)、読み物に『宇宙のはてから宝物』(文研出版)、『ラブ・ウール100%』(フレーベル館)『3人のパパとぼくたちの夏』『2分の1成人式』(講談社)などがある。幼稚園の絵本教室勤務。児童文芸家協会会員。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • RSS
  • follow us in feedly
  • チェック

ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

ライターの最新記事