そろそろ春休みやGWの旅行先について検討し始める時期ですね。なんといっても、今年のGWは5/2(土)~5/6(水)まで5連休確定。7(木)と8(金)を有休にすれば、なんと9連休…! 1週間以上にわたる長期旅行も夢ではありません。しかし、立ちはだかる高額なホテル宿泊費の壁。そこで、近年日本でも急速に人気が高まってきた「ゲストハウス」を実際に利用したご家族とプロにお話を伺ってきました!
実際、ゲストハウス滞在中のお子さんたちは、「ラウンジで読書しながら、スタッフと外国の方が話す会話に聞き耳を立てて、『今なんて言ってたの?』と私に聞いてきたり、英語でのやり取りを興味深く観察していました」と、ゲストハウスでの宿泊が異文化へ興味をもついいきっかけになったとのこと。
「ゲストハウスは、アメニティなどのサービスを省き、シャワーやトイレも共有だったりする分、ホテルよりも安価に宿泊できるのが一番の魅力です。特に、ドミトリーと呼ばれる相部屋では、ベッド単位で代金を支払うため、施設によってはホテルの半額以下で泊まれることもあるほどです」。
例えば、GWに京都へ旅行する場合、ホテルならおおよそ1人15,000円〜30,000円ほどはかかりますが、ゲストハウスなら、個室に泊まっても1人4000円〜7000円ほどで泊まれる施設が多いようです。
「ソファやテレビなどが置かれた共有スペース(ラウンジ・コモンスペース)がある場合が多く、他の宿泊者とコミュニケーションが取りやすいので世界中の友達ができたり、近くのレストランや観光スポットの情報交換ができるのも、ホテルにはない大きな魅力です」。
「普段まったく関わりのない人々ですが、その宿を選んで同じ時間を共有しているという大きな共通点があるので、世代や性別、人種を越えて友達になれます。ゲストハウス内の共有スペースは子どもが外国人ツーリストと触れ合ういい機会を与えてくれますよ」と教えてくれました。
「赤ちゃん時代は頻繁に泣いたり、シャワーなど共有施設を利用するのは何かと気を遣うので、ある程度施設が整ったホテルを利用するのが正解。海外のゲストハウスは子どもに寛容で、部屋も広いことが多いので、4~5歳ぐらいからでもいいかもしれません。僕らも口コミを参考にするなど雰囲気を確認した上で、段階的に利用を始めているところです」。
「日本国内では、聞き分けのできる小学生頃からがいいと思います。近年、古民家を改装してゲストハウスにしているところもありますが、雰囲気はよくても防音はいまいち、というケースも多いので、未就学児のときは宿の人に相談してみましょう」。
「まずは個室であること。相部屋であるドミトリーは子連れでの利用は控えた方がいいでしょう。周りは知らない大人ばかりという状況では子どもも落ち着かないし、何しろ親が周りに対して気疲れしてしまいます」。
「キッチンがあれば、持っていった食材で自炊できるので重宝します。実際、私たちの子どもも好き嫌いが多いので、子連れでゲストハウスを利用するときには、可能な限りキッチン付きの施設を選んでいます」。
「日本人オーナーが経営するゲストハウスでは、一般的なゲストハウスよりも日本人が多く集まる傾向にあります。子どもも親以外の日本人と話すことで、リフレッシュできるので、まだ子どもが小さいうちはそうしたところを選んで行くのもおすすめです」。
なるほど!これなら子連れでも快適に過ごせそうですね。
ちなみに、日本国内のゲストハウスを探す場合には、ネットで「都市名 ゲストハウス」と入れて検索するのがおすすめです。また、ゲストハウスの中には、長期滞在を前提とした施設もあるので、何泊から利用できるかも確認しましょう。
ゲストハウスで過ごす日々は、周りの人との他言語でのコミュニケーションや、社会の中でルールを守る大切さなど、子どもたちに多くの学びをもたらし、人生経験を深めるためのいい刺激となることでしょう。今までホテルしか利用したことがなかったという方も、お得に泊まれるゲストハウスを宿泊先の候補にしてみてくださいね。
子連れでゲストハウス、実際に泊まってみてどうでした?
お話しを伺ったのは、現在小学6年生の涼花ちゃんと、4年生の岳斗くんのお母さん、大久保和子さん。初めてゲストハウスを利用したのは2012年の春、涼花ちゃんが4年生、岳斗くんが2年生になる春休み、とのこと。ゲストハウスを選んだ理由は異文化交流
「下の子が就学して1年が経ち、そろそろ子どもたちもちゃんと観光を楽しめるかな、と伊勢神宮と奈良を周るルートで旅行を計画しました。ゲストハウスは奈良で1泊するのに利用しましたが、個室があることと、観光スポットへ歩いて行けるアクセスの良さを重視して探し、最終的には宿のFacebookページで施設の写真や運営スタイルをチェックして決めました」。
写真提供:大久保和子さん
ホテルではなく、ゲストハウスを選んだ理由を伺うと「ラウンジなど共有スペースでのコミュニケーションを通じて、色んな人が世界中にいるということを知ってほしかったんです」と大久保さん。実際、ゲストハウス滞在中のお子さんたちは、「ラウンジで読書しながら、スタッフと外国の方が話す会話に聞き耳を立てて、『今なんて言ってたの?』と私に聞いてきたり、英語でのやり取りを興味深く観察していました」と、ゲストハウスでの宿泊が異文化へ興味をもついいきっかけになったとのこと。
思わぬメリットと泊まってわかった注意点
また、共有スペースがあることは、親子関係にも思わぬメリットをもたらしたそう。「一度些細なことがきっかけで親子で揉めたことがあったのですが、そのとき子どもたちは親から逃げてラウンジへ。子どもたちが親から離れて過ごす場所があることで、親子間で適切な距離感が保てるのも、実際滞在してみて初めてわかったゲストハウスの魅力でした」。大久保さんご一家は、このときの経験から、その後も家族旅行の際には、できる限り共有スペースがある宿を選んでいるそうです。
写真提供:大久保和子さん
「ただ一方でゲストハウスでは他の利用者の方々と共有する場所が多いので、注意すべき点もあります。外国人が利用者の大半なので、ゲストハウスではシャワーが基本。湯船はあってもお湯がはってないところが多いです。また『パソコンは情報収集のために使いたい人がたくさんいるから、一人で長時間使わない』など、共有スペースで過ごす上でのルールは、子どもにちゃんと理由を説明して理解させることが必要です。そうした部分で、学校生活で集団生活のルールを身につけたあとの利用がいいでしょう」と大久保さん。
写真提供:大久保和子さん
ゲストハウスには、共有スペースがあるからこその魅力と注意すべき点があるようです。ゲストハウスに泊まるメリットは?
そこで、旅にまつわる様々なお仕事をしている夫婦ユニット「旅音(たびおと)」のカメラマンとして世界中(37カ国も!)を旅して数多くのゲストハウスに泊まった経験をもち、日本国内でゲストハウス運営にも携わっている林澄里さんに、このあたりを詳しく解説してもらいました。メリット1:ホテルよりも安価に宿泊できる
ゲストハウスに泊まる一番のメリットはやはり価格。施設によっては、ホテルの半額以下で泊まれることもあるそうです。「ゲストハウスは、アメニティなどのサービスを省き、シャワーやトイレも共有だったりする分、ホテルよりも安価に宿泊できるのが一番の魅力です。特に、ドミトリーと呼ばれる相部屋では、ベッド単位で代金を支払うため、施設によってはホテルの半額以下で泊まれることもあるほどです」。
例えば、GWに京都へ旅行する場合、ホテルならおおよそ1人15,000円〜30,000円ほどはかかりますが、ゲストハウスなら、個室に泊まっても1人4000円〜7000円ほどで泊まれる施設が多いようです。
メリット2:共有スペースで様々な人とコミュニケーションが取れる
多くのゲストハウスには共有スペースがあり、そこが宿泊者同士の交流の場になっていることが多いとか。「ソファやテレビなどが置かれた共有スペース(ラウンジ・コモンスペース)がある場合が多く、他の宿泊者とコミュニケーションが取りやすいので世界中の友達ができたり、近くのレストランや観光スポットの情報交換ができるのも、ホテルにはない大きな魅力です」。
メリット3:子どもが外国への興味を持つ良いきっかけとなる
外国人観光客も多く利用するゲストハウス。そこで、子ども達が、普段関わりを持たないさまざまな人とのコミュニケーションを取ることができるのもメリットだとか。「普段まったく関わりのない人々ですが、その宿を選んで同じ時間を共有しているという大きな共通点があるので、世代や性別、人種を越えて友達になれます。ゲストハウス内の共有スペースは子どもが外国人ツーリストと触れ合ういい機会を与えてくれますよ」と教えてくれました。

写真提供:林澄里さん
ゲストハウスに親子で泊まる際の注意点
ゲストハウスは共有施設も多いだけに、子どもの出す音や、施設のハード面が気になるところ…。宿泊する際の注意点は?注意点1:予約前に必ず年齢制限をチェックする
子連れで宿泊する際の注意点としては、「予約前にサイトなどで宿の年齢制限を必ずチェックする」ことが大切だそう。また、年齢制限が無くても、やはり設備の面から赤ちゃんは難しそうです。「赤ちゃん時代は頻繁に泣いたり、シャワーなど共有施設を利用するのは何かと気を遣うので、ある程度施設が整ったホテルを利用するのが正解。海外のゲストハウスは子どもに寛容で、部屋も広いことが多いので、4~5歳ぐらいからでもいいかもしれません。僕らも口コミを参考にするなど雰囲気を確認した上で、段階的に利用を始めているところです」。
「日本国内では、聞き分けのできる小学生頃からがいいと思います。近年、古民家を改装してゲストハウスにしているところもありますが、雰囲気はよくても防音はいまいち、というケースも多いので、未就学児のときは宿の人に相談してみましょう」。
注意点2:予約時は子連れであることと子どもの年齢を伝える
また、予約する際の注意点として、もし年齢制限が書かれていなくとも、トラブルを避けるために、『大人2人と●歳の子どもで伺います』と、子連れであることと、子どもの年齢を伝えるのが良いそうです。注意点3:宿泊前に共有スペースでのルールを子どもに教えておく
「宿泊前に共有スペースでは走らない、騒がないといった最低限のルールを守るよう、子どもに約束させることも大切です」とのこと。ゲストハウスは共有施設も多いので、みんなが居心地よく過ごせるように心がけましょう。
写真提供:林澄里さん
子連れ旅でのゲストハウスの選び方
具体的に、子連れにおすすめのゲストハウスとはどういったものでしょう? 選ぶ際のポイントをお聞きしました。選ぶポイント1:個室があること
ゲストハウスといえばドミトリーというイメージもありますが、やはり子連れでは難しいようです。「まずは個室であること。相部屋であるドミトリーは子連れでの利用は控えた方がいいでしょう。周りは知らない大人ばかりという状況では子どもも落ち着かないし、何しろ親が周りに対して気疲れしてしまいます」。
選ぶポイント2:シャワーやトイレが個室内にあること
ゲストハウスの場合、個室を予約しても、トイレやシャワーは部屋の外の共有スペースにあるという場合も多いようです。日本のゲストハウスにはまだ少ないですが、できれば部屋の中にシャワーやトイレがついていると安心です。選ぶポイント3:ゲストハウス内にキッチンがついている(可能であれば)
ゲストハウスの場合、外食が基本なので、アレルギーや好き嫌いが心配なら、キッチンがついているほうが安心とのこと。「キッチンがあれば、持っていった食材で自炊できるので重宝します。実際、私たちの子どもも好き嫌いが多いので、子連れでゲストハウスを利用するときには、可能な限りキッチン付きの施設を選んでいます」。

写真提供/林澄里さん
選ぶポイント4:外国の場合、オーナーが日本人だと安心
外国では、日本人が営んでいるゲストハウスがあり、言葉も通じる上、宿泊者も日本人が多いとのこと。「日本人オーナーが経営するゲストハウスでは、一般的なゲストハウスよりも日本人が多く集まる傾向にあります。子どもも親以外の日本人と話すことで、リフレッシュできるので、まだ子どもが小さいうちはそうしたところを選んで行くのもおすすめです」。
なるほど!これなら子連れでも快適に過ごせそうですね。
ちなみに、日本国内のゲストハウスを探す場合には、ネットで「都市名 ゲストハウス」と入れて検索するのがおすすめです。また、ゲストハウスの中には、長期滞在を前提とした施設もあるので、何泊から利用できるかも確認しましょう。
ゲストハウスで過ごす日々は、周りの人との他言語でのコミュニケーションや、社会の中でルールを守る大切さなど、子どもたちに多くの学びをもたらし、人生経験を深めるためのいい刺激となることでしょう。今までホテルしか利用したことがなかったという方も、お得に泊まれるゲストハウスを宿泊先の候補にしてみてくださいね。