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子どものうつ病が増加中!ヘルプサインを見逃すな!

いま小学生・中学生の間でうつ病が増えているといいます。もしも子どもがうつ病になった場合、親はどのように対処したら良いのでしょうか? そこで、子どものうつ病に関して、専門家にお話しを伺いました。

小学生・中学生のうつ病が増加

今回お話を伺ったのは、「子どもをうつから救う!家族のための症例別対応ガイド」の著者である南青山メンタルクリニック院長の武田浩一先生。

「2003年のデータですが、北海道大大学院の傳田健三教授の調査によると、小学生の約1.6%、中学生の約4.6%がうつ病という結果が出ました。10年以上前でこの割合です。今はもっと増えているでしょう」と言います。

実際、「クリニックに来る子どものうつ病患者は、3年前から毎年1.5倍ずつ増えている」と武田先生。


それでは、なぜ子どものうつ病が増えてきているのでしょうか?

子どももうつ病にかかる、という認知度が高まってきて、『今まで見えていなかった部分が顕在化した』のが理由です。また、厚生労働省によると、子どもの自殺率が増えています。自殺の原因は親子関係の不和やいじめなど、さまざまな理由がありますが、うつ病も原因の1つです。」

うつ病で引きこもりになってしまうと、自殺につながってしまうこともあるそう。万一のことを考え、早期発見することが大切です。


ストレス耐性の弱さや環境の変化などが原因に

大人と同じように、子どももストレスでうつ病を発症するのでしょうか?

子どものうつ病の原因の半分以上は、子ども自身のストレス耐性の弱さです。子どもの元々の性格による先天的なものが多く、ちょっとしたからかいなどでうつ病になってしまうことがあります。また、転校して友達がいない、勉強についていけない、優等生で妬まれた、など環境の変化に弱い場合も同じです。その他、両親の仲が悪い、いじめなどが原因でうつ病を発症することがあります。」

いじめは無視されるなど、陰湿なものが多く、SNSを使ったいじめも増えてきています。これらは周囲から気付かれにくいため、とくに注意が必要です。

子どものうつ病チェックリスト

子どもがうつ病を発症すると、体と行動に影響が出るそう。そこで、子どものうつ病を見つけるためのチェックリストを紹介します。

  1. 頭痛、胃痛、腹痛、微熱が3日以上続く
  2. めまい、動悸などの症状がある
  3. 食欲が低下している
  4. 夜眠れない、朝起きられない
  5. 不安や焦り、イライラがある
  6. 憂鬱な気分が続いている
  7. やる気、集中力が落ちている
  8. 考えがまとまらない
  9. 不登校や引きこもりになる
  10. 成績が落ちてきている

上記10項目のうち、5項目以上当てはまれば、うつ病の可能性が高いでしょう。

中学生の男の子に見られるのが、イライラ型のうつ病。荒ぶる、不良ぶる、人に暴力をふるう、といった行動に表れます。学校から自分の子どもがいじめていると言われて気付く場合もあります。」

普段の様子と何か違う、と感じたときは、このチェックを行ってみましょう。


専門家と早期連携。「ひょっとしたら…」が重要

「大人と違い、子どもは感情を言葉で伝えるのが難しく、子どものうつ病は気付きにくい」と武田先生。

「親が子どものうつ症状を発見するためにも、家族で朝食・夕食を一緒に食べて声かけをするなど、普段から話しやすい環境を作るようにしましょう。」

「子どもの体に不調があり、内科や小児科に行って検査をしても何もないとき、精神科について詳しくない医師の場合、『そのうち治る』と言われてしまう場合があります。親が『ひょっとしたら心の病気ではないか?』という意識を持って、医師に聞くことが重要です。『ひょっとしたら』は魔法の言葉です。」

子どもがうつ病かなと思ったら、どうすれば良いのでしょう。

適切な治療を早く受けるためにも、精神科を受診しましょう。初めから精神科に行くのに抵抗がある場合は、学校や保健所にいる保険医に相談するといいです。小学校3年生〜4年生以上の場合は本人を説得し、納得した上で専門機関に行きましょう。

また、「五月病」などの一時的な不調と「うつ病」を見分けるのは難しいそう。

「五月病だと思い、専門機関で受診しないまま放っておくと、うつ病の発見が遅れてしまいます。うつ病は早期発見、早期治療を行えば、早期に回復します。逆に、放置期間が長ければ長いほど、回復も長引きます。うつ病が悪化する前に、少しでも気になったら精神科に相談してください」

うつ病の子どもにかけてあげたい言葉

子どもがうつ病とわかった場合、家庭ではどんな声かけをしてあげると良いのでしょうか。

「基本的に症状が重い場合は励まさないことです。『がんばれ』や『大丈夫』という声かけは避けましょう。逆に声かけしてあげたい言葉は、『なんとかなるんじゃない』。何があっても親として私たちが守ってあげる、という姿勢を表すことが大切です。ある程度症状が治ってきたら、『少しだけがんばってみようか』という励ましも効果があります。もちろん主治医の指示に従うことも大切です」

うつ病を予防するには、日頃から親子の関係性を構築することが重要になります。子どもと話す時間を積極的にとるようにしたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 武田浩一先生

    1957年生まれ。新潟大学医学部卒業。浜松医大精神科、順天堂大学精神科の医局、船橋北病院、北柏リハビリ総合病院副院長、HMC(ホリーマームクリニック)旗の台院長を経て、現在は南青山メンタルクリニック院長。専門は精神病理と児童・思春期特性。著書に「子どもをうつから救う!家族のための症例別対応ガイド」(インプレスR&D)がある。

  • 南青山メンタルクリニック
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ライター紹介

平野 友紀子

ライター/エディター。温泉ソムリエの資格を持つ、大の旅好き、温泉好き。結婚をきっかけに、オーガニックアドバイザーを取得。0歳と2歳の年子育児をしながら、旅、ライフスタイル、オーガニック、女性の生き方、子育てをテーマに活動中。

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