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子どもの夢応援企画 第9回:医者 小児科医・北浜 直先生

子どもたちのなりたい憧れの職業について、その道のプロからお話を伺い、夢の育みをサポートする『子どもの夢応援企画』。第9回は「医者」をご紹介! 神奈川県川崎市で「北浜こどもクリニック」の院長を務める小児科医・北浜 直 先生にお話を伺いしました。

お兄ちゃんキャラだった子ども時代。夢を胸に医学部へ

川崎市にある小児科で、日々地域の子どもたちを診療している北浜先生。小学生の頃から一貫して「小児科医になる」という夢を持ち続けていたそう。

「子どもの頃からお兄ちゃんキャラで、いつも年下の子たちに囲まれて過ごしていました。それで、漠然と自分は子ども達と触れ合う職業に向いていると思っていたんです。加えて、小学生の頃は算数や理科が大好きで、医学図鑑ばかり眺めているような理系少年。『子ども好き』と『理系好き』がちょうどマッチしたのが小児科医という職業だったんです。

そして、「小児科医になる」夢を実現させるために、大学は医学部へと進学します。

奨学金を借りていたので、勉強しながら空いた時間はアルバイトという忙しい日々でした。大学の近くにマンションを借りて住む学生がほとんどの中、そんなお金もない僕は毎日実家から往復4時間かけて通学してました。部活に入ったり遊んでいるヒマもない青春時代でしたね。


NICUの奥深さに没頭。退院する赤ちゃんの姿が励みに

6年間の医学部を卒業し、医師になるための国家試験に合格した北浜先生。その後、岡山の国立病院で小児科の研修医生活をスタートさせました。

「NICU(新生児集中治療室)が有名な病院で、研修医として2年間勤務しました。研修医時代はとにかく毎日必死。寝れない、休めないのは当たり前の世界でした。リアルな技術や知識は、実際に現場に出て体で覚えていくしかないので、大学を卒業してからのほうがたくさん勉強しましたね。」

研修医時代にNICUの奥深さに没頭していったという北浜先生。研修が終了した後は、都立病院のNICUで医師として勤務を始めます。

「小児科の中で一番頭を使うのがNICU。小さい赤ちゃんの体は本当に繊細で、非常に細かい計算が必要なんです。1分1秒でも判断が遅れると、その子の将来が変わってしまうことだってあります。マニュアルもない中で臨機応変に対応して、知恵の限りを尽くして救う…それがNICUでの仕事です。」

「ある時、500gほどで生まれた未熟児を90時間ほぼ寝ずに張り付いて診ていたことがあったんです。瀕死の状態だったのをなんとか乗り切って、体重も徐々に増えていきました。成長した赤ちゃんが、お母さんに抱っこされながら退院していくのを見た時の喜びは、今でも忘れられないですね。」

北浜先生は、その時のことを思い出すだけで、どんな大変なことがあってもやっていける気がすると言います。

周りの反対を押し切り、33歳の若さでクリニックを開業

都立病院のNICUに3年間勤めた後、次に移った病院では新生児科の医長を経験。そして33歳という若さで「北浜こどもクリニック」を開業したそう。

「もともと『35歳までには開業する』という目標があって、そのためのキャリアを積んできたつもりだったんですが、先輩や上司、家族や親も「早すぎる」と大反対。でも、若いほうがフットワークが軽くて柔軟性もあるし、頭が固まっちゃう前に自分の病院を持ちたいと思ったんです。『今しかない!』というタイミングで開業に踏み切りました。」

自分を信じて開業した結果、大勢の患者さんに来てもらうことができて今があると、北浜先生。しかし一方で、開業医ならではの苦労も多いそう。

「大病院と違って、開業医は代わりがきかないのが辛いですね。去年、僕が倒れてしまった時は、初めて3日間休業してしまいました。それに、開業医は診療以外に経営や人事などもやらなくちゃいけません。医者としての仕事よりもそっちのほうが大変ですね。」


子どもに親しまれる病院作り。院内でパーティーやイベントも

小さな子どもにとって病院とは、嫌なことをされる怖い場所。大泣きして抵抗する子どもに対して、どうやったら怖がられずに診察できるか考えるようになっていったそう。

病院に行って楽しかった、また行きたいと思ってもらいたいので、院内を明るくデコレーションして、なるべく子どもがリラックスできる雰囲気作りをしています。診療方針としても、痛いことは極力せず、最低限の投薬と処置で済ませるようにしています。

他にも、子どもに警戒心を抱かせる白衣は着ないなど、明るい病院作りを心がけている北浜先生。診察室には子ども達からもらったたくさんの感謝の手紙が飾られています。

「こういうのが嬉しいからやってますよね。院内でパーティーをしたり、イベントで子供たちと天体観測したり、子ども達との直接的な触れ合いを大切にしています。…というよりも、イベントで子供たちと一緒に遊ぶほうが僕のメイン活動かもしれません(笑)。」


子どもたちからの素朴な疑問にお答えします!

北浜先生に「医者」の職業に対する子どもたちの素朴な疑問にもお答えいただきました!

患者さんの病気がうつることはないですか?

「風邪などの流行病は、自分もうつってしまうことがあります。もちろん、診察が終わるたび手洗いうがいをしっかりして予防はしていますが、毎日100人以上の患者さんを診ているので、職業上ある程度のリスクは仕方ないですね。自分がうつす可能性のある時はお休みするしかないので、細心の注意をはらっています。」

血を見るのは怖くないですか?

「超怖いです…。僕は多分、外科は向かないんじゃないかな。仕事をするうえではさすがに慣れますけど、やっぱりいいもんじゃないですね。ホラー映画は怖いから嫌いです!」

どのくらい勉強しましたか?

「学生時代は人が遊んでいる時や寝ている時にも、ひたすら勉強してきました。それに、医療の知識はどんどん変わっていくものなので、大学で一度学んだらそれで終わりじゃない。医者になってからも勉強は必要なんです。医者になることはゴールではなくて、常に新しい知識を身に付けることが大切です。」


あきらめない気持ちと人に優しくできる心を大切に

最後に、将来お医者さんになりたい子どもたちへ向けて、北浜先生からメッセージをいただきました。

夢を持ってください。誰かに無理と言われても、あきらめなければ必ず実現します。僕が医者になれたのも、若くして開業できたのも、不可能なことはないと思ってあきらめなかったから。そして、医者として一番大切なのは、人に優しくできる心です。まずは身近な人の気持ちをしっかり受け止めて、優しく接することから初めてみてください。」

北浜先生、貴重なお話をありがとうございました。『子どもの夢応援企画』第10回は「看護師」の予定です。お楽しみに!

「夢応援企画(将来なりたい職業紹介)」の記事一覧はこちら

お話を聞いたのは…

  • 北浜 直 先生

    北浜こどもクリニック院長。「地域に密着したママの駆け込み寺」を目指し、「どんな些細な相談でもウェルカム」という理念で多くの患者を受け入れている。

  • 「北浜こどもクリニック」ホームページ
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ライター紹介

宇都宮 薫

1980年生まれ。フリーランスの編集者・ライターとして活動中。4歳、1歳の娘と同業者の夫との4人家族。過去にバイク雑誌編集部やライター事務所に所属し、出産を機にフリーランスへ転向。独身時代から大の旅好きで、バイクや原付に乗って日本中を巡る。子持ちとなった今は、家族揃ってのおでかけに情熱を燃やしている。

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