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たった3分で完成!?忙しいママ必見の離乳食時短テクニック

掲載日: 2016年6月27日更新日: 2017年5月16日高柳涼子

裏ごししたり、煮てつぶしたり、細かく刻んだり…と手間と時間がかかるイメージが強い離乳食。ほかのお世話でも忙しい時期ですから、少しでも効率化したいですね。そこで、離乳食の本も数多く手がけている帝京科学大学の上田玲子先生に、便利な時短テクニックを教えていただきました。

加熱調理&フリージングを味方につけて時短につなげよう

新しい調理器具は買わなくてOK!「しっかり加熱」が時短の鍵

離乳食作りの必需品と聞いて真っ先に思い浮かぶのはブレンダーやフードプロセッサー、ミキサーでしょうか? 購入を考えているママも多いかもしれませんが、上田先生によると家庭での離乳食作りには実はそれほど向かないんだとか。

「すでに持っている場合は利用してもよいですが、できあがりの分量が多くなりがちなため、冷凍保存しても持てあます可能性があります。なめらかな食感にするには小さめのすり鉢や離乳食用調理セットにある裏ごし器が便利ですが、しっかり加熱しておけばスプーンやフォークでも簡単につぶせることがほとんど。ですから、調理器具を買いそろえるよりも、調理過程を効率化することを最優先に考えるとよいでしょう。」

離乳食用調理セットとは、裏ごしやすりつぶしなど調理プロセスに必要な道具がセットになったもの。少量調理に向いた設計で消毒もでき、コンパクトに収納できるものが多いので、新しく何か買いたいというママは検討の価値ありです。


加熱調理器具の特徴を知って使いこなそう!

離乳食は『ゆでる・蒸す・煮る』という加熱調理が基本。それぞれの調理器具の特徴を知って、食材、作る量に合わせて使いこなすことが時短につながります

  • 電子レンジ…少量調理は得意中の得意。耐熱皿を使えばだし取りや少量のおかゆ作りもでき、シリコンスチーマーを併用すれば蒸し料理や煮込み料理も簡単に作れる優れものです。
  • …数回分のおかゆ作りや食材をまとめて加熱するときには電子レンジより早くできます。圧力鍋なら調理時間が大幅に短縮でき、煮立ったらすぐ火からおろして余熱で調理する保温調理鍋は、加熱時間が短いのでそばについている時間の短縮に。
  • オーブン…実は煮込み料理に大活躍。大人のメニューと離乳食で器を分けて同時に加熱することも可能。

下ごしらえ&主食の保存はフリージングを活用すると便利

下ごしらえに手間がかかる食材や毎日食べる主食は、まとめて作ってフリージング(冷凍保存)するのもおすすめ。作っておくと便利なのは、月齢に合わせた固さと大きさに加熱して切った野菜や、ゆでてほぐした肉や野菜、だし汁、スープなど。どれも1回分ずつに分けて冷凍しておけば、いくつか組み合わせるだけですぐに1品が完成します!

また、2食〜3食分をまとめて作ったものを1食分ずつ小分けにして冷凍しておけば、必要なときに温めるだけで食べられて便利です。 

このように便利なフリージングですが、いくつか注意点も。レタス・きゅうりなど生で食べる野菜や、じゃがいも、もやし、卵黄など食材に含まれる水分が多いものは冷凍すると食感が悪くなるため、フリージングには向きません。そのほか離乳食では以下の点にも注意が必要です。

  • 保存期間は1週間が目安
  • 食べ残しや解凍した食材で作った料理は冷凍しない
  • 必ず再加熱して使う
  • 自然解凍は雑菌が繁殖しやすいので避ける

加熱調理は「ついで調理」「ながら調理」で手間を減らす

取り分けメニューは組み立てに工夫

離乳食と並行して家族の食事作りも担当しているママも多いはず。大人の食事からの取り分けも定番の時短テクニックですが、コツがあるそうです。

それは、大人用の料理から取り分けるというより、子どものメニューを先に考えて大人向けにアレンジすること

「やわらかくて素材の味が生きた離乳食は、大人メニューの素材としても優秀。前期のペースト状のメニューはソースやドレッシングのベースになりますし、細かく刻んだ野菜や肉・魚も使える中期以降のメニューは、卵とじの中身や実だくさんスープの具にしたり、大人向けの食材と合わせて仕上げるなど自由自在。赤ちゃんがその時期に食べられるものに家族向けの食材をプラスして組み立てるとラクですよ。」

放置している間においしくなる調理法を活用

ちょっとした工夫で調理時間を短縮できるテクニックも教えていただきました。

「昆布だしなら冷蔵庫で水出ししても取れますし、鶏肉やかたまり肉は水から入れて煮立ったら20秒ほどで火を止め、ゆで汁の中で冷ますとしっとり仕上がります。」

これなら食事の支度のついでやちょっとした時間に仕込みができて、別のことをしている間に完成! しかも時間をかけて作るのと味は変わらないのがうれしいですね。


下ごしらえ済みのフリージング食材を使えば3分で完成!

下ごしらえした食材を活用すれば、安心でおいしい離乳食メニューがあっという間に完成します。離乳食の進行に合わせて、ゴックン期・モグモグ期・カミカミ期・パクパク期、それぞれの時期におすすめの簡単離乳食アイデアを、上田先生に教えていただきました。

※レシピ内で★がついているものはフリージングしておいたものでもOKです。

ゴックン期(初期:5カ月〜6カ月頃)

  • 10倍がゆのすりつぶし(★)にきな粉を混ぜとろとろに
  • 電子レンジ加熱してなめらかにつぶした絹ごし豆腐と、電子レンジ加熱後にすりおろしたにんじん(★)を混ぜる

モグモグ期(中期:7カ月〜8カ月)

  • 牛乳にコーンフレークスを入れてふやかし、煮るか電子レンジで加熱。牛乳のかわりに無塩のトマトジュースでもOK
  • カツオ(刺身用を使うと骨や皮がなくてラク)とサツマイモを加熱(ゆでても電子レンジでもOK)してつぶし(★)、レンジで少し加熱した刻み納豆を混ぜる

カミカミ期(後期:9カ月〜11カ月)

  • かぼちゃを電子レンジで加熱した後、ラップにくるんでつぶし(★)、スライスチーズを小さくちぎって混ぜてからひと口大に丸める
  • 豆腐は湯通しするか電子レンジで加熱し、レモン汁少々とオリーブ油少々を加えてソースに。ゆでるかレンジで加熱して食べやすい大きさに切ったにんじん(★)、ブロッコリー(★)と和える

パクパク期(後期:12カ月〜18カ月)

  • パプリカの皮をピーラーでむいてゆで、あらみじんぎり(★)。といた卵に混ぜて焼く
  • ホットケーキミックスにプレーンヨーグルトとにんじんのすりおろしを混ぜ合わせて焼く

ちょっとした工夫やひと手間で大きな余裕が生まれそうですね。慣れないうちは何かと大変な離乳食ですが、自分に合った方法を見つければぐんとラクになるはず。電子レンジなどの家庭にある加熱調理器具や、フリージングを上手に活用しながら、楽しく乗り切りましょう。

お話を聞いたのは…

  • 上田玲子先生

    帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授ほか、山梨大学、東洋英和女学院大学の非常勤講師など、多くの顔を持つ。専門分野は 母性・小児栄養、栄養教育。『健康教育 ヘルスプロモーションの展開』『新版 子どもの食生活』、『よくわかる離乳食』『はじめての離乳食と幼児食』など著書多数。ヘルシーな食事と豊かな時間を提案するブログ「れいこのあったかサロン」やフェイスブックを更新中。

  • 上田先生のFacebookページ
  • 上田先生のブログ「れいこのあったかサロン」

ライター紹介

高柳涼子

雑誌編集部勤務を経てフリーランスに。ライティングと校正を中心に、ときどき編集もやる3児の母です。これまでに関わった分野は、求人、進学、ウェディング、アート、手芸、田舎暮らし、食育、仏教、料理など。

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