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砂場やおもちゃにも注意!子どもの金属アレルギーの原因と対処法

大人の女性に多いイメージがある金属アレルギー。でも金属アレルギーは、じつは子どもでも発症するそうです。子どもが金属アレルギーになってしまったら、どんな症状が出るのでしょうか。また、原因や対処法は? 専門家に聞きました。

おもちゃや砂場の砂も、金属アレルギーの原因に…!

大人の金属アレルギーの症状といえば、まず思い浮かぶのが、金属製のアクセサリーが触れた部分に赤みやかゆみが出るといった症状。では、子どもの金属アレルギーは、どういった場面で、どんな症状が出るのでしょうか。

「子どもの金属アレルギーが出る場面や症状は、年齢や遊び方で変わってきます。」

こう話すのは、金属アレルギー対策の総合企業MASJapan株式会社、代表取締役の鈴木久子さん。

「例えば、手に取ったものをすぐ口に持っていくような乳幼児期なら、金属製のミニカーなどのおもちゃを舐めた口まわりや手に、赤みやかゆみといった症状が出る場合があります。」

「また、砂場の砂には、じつは微量の金属が含まれているので、砂場遊びをしたあとでそうした症状が出れば、金属アレルギーの可能性があります。砂場遊びをする年齢になれば、砂を触った手足や、砂がかかった顔などに、赤みや腫れ、かゆみが出るケースもあるので、注意してください。」

ほかにも、鉄製の遊具や、ブランコの金属製の持ち手、それに食事で使うスプーンやフォーク、さらには虫歯治療で使う金属製の詰め物なども金属アレルギーの原因になることがあるそうです。


金属アレルギーは症状が出るのに時間がかかる

金属アレルギーは、食物や花粉などのアレルギーと違い、原因物質に触れたからといって、すぐに症状が出るわけではないと鈴木さんは言います。

金属アレルギーは遅延型アレルギーと言って、接触してから2時間〜48時間後に症状が出るという特徴があります。すぐに症状が出るわけではないので、原因が特定しにくいアレルギーでもあるのです。」

もしも子どもに原因不明の赤みや、かゆがるといった症状が続く場合は、1週間ほど、「いつ、どこで何を食べたか」「何をして遊んだか」などをママがメモしておくと良いそう。

そうすれば、病院でも原因物質の予測が立てやすく、検査がスムーズに進みます。

金属は汗でも溶け出す

そもそも金属アレルギーは、どういった仕組みで起こるものなのでしょうか。

「金・銀・銅、プラチナ、ニッケル、パラジウムなど、すべての金属は汗や唾液に触れると、微量に溶け出しイオン化する性質を持っています。そしてイオン化した金属は、皮膚の表面にある菌やケラチンなどのたんぱく質とセットになり、『金属たんぱく複合体』という物質を作り出します。この物質が、傷など皮膚バリアが壊れている箇所から体内に入ると、体はそれを異物と判断し、白血球が攻撃してやっつけるのです。」

つまり金属アレルギーは「金属(イオン)+汗+たんぱく質+菌+傷(皮膚バリアが壊れているところ)」で起こるということ。こうして金属を含む物質を、体が「異物」だと記憶してしまうと、次に金属イオンだけがふれただけでもアレルギー反応が起こるようになってしまうのです。

ちなみにここでいう菌には常在菌など、基本的に人間の体のどこにでも存在している菌も含まれるので、完全に除去するのは難しいもの。また、すり傷や掻き傷がある場合はもちろん、乾燥や免疫力の低下でも皮膚バリアが壊れることがあるので注意が必要です。

とはいえ、砂場遊びも公園の遊具も、できるだけ楽しく遊ばせてあげたいもの。子どもが金属アレルギーを発症しないようにするには、何に気をつければよいのでしょうか。


金属アレルギーの根本的な予防方法3つ

鈴木さんによると、子どもの金属アレルギーの発症を防ぐには、以下の3つが重要だと言います。

  1. 子どもが触れる金属について理解する
  2. 汗をかくと予想されるときは、金属製のものに触れさせない
  3. 虫歯にならないような生活をする

1.子どもが触れる金属について理解する

金属にも、アレルギーが起こりやすいものと、起こりにくいものがあります。

「例えば、『ニッケル』『クロム』『コバルト』『パラジウム』などは、金属アレルギーが発症しやすい金属と言われています。こうした物質を表面処理加工した金属製のおもちゃなどは、できるだけ子どもに触れさせないのがベターです。」


「一方でプラチナは、比較的アレルギーが起こりにくい金属です。ですから、ママが身につけているアクセサリーがプラチナ製なら、抱っこなどで子どもに触れてもアレルギーを発症する可能性は低くなります。」

ただし、「プラチナ製」として販売しているアクセサリーなども、よく見れば「Pt950」などと書かれている場合が…。これは、1000を最大として950はプラチナということ。残りの50は違う金属を使っているということです。

「こうした金属についての基本的な知識を勉強し、子どもが触れる金属に配慮するだけでも、アレルギーの発症を抑えることにつながりますよ。」

2.汗をかくと予想されるときは、金属製のものに触れさせない

また、汗に注意することも、金属アレルギーの予防になります。

「金属が溶け出す要因の一つが汗。つまり、おしゃれが大好きな女の子でも、スポーツ時など汗をかくとわかっているときは、ヘアピンなど金属でできたアクセサリーは外しておいてあげるのがベターです。また、汗をこまめに拭き取ってあげると、金属製のおもちゃなどに触れても、アレルギーを発症する確率が減らせます。」

3.虫歯にならないような生活をする

日本では今、約1,300万人に金属アレルギーがあるとされています。多くは大人ですが、金属アレルギーの原因で大きな割合を占めるのが、虫歯治療に使われる金属とピアスの穴あけだそうです。

「保険適用の虫歯治療では、金銀パラジウム合金という金属が多く使われていますが、アレルギーを起こしやすい金属のため欧米では使用が禁止されています。虫歯治療も、樹脂やセラミックなど非金属製のものを詰めれば金属アレルギーの心配はありませんが、治療費が高額になる場合もあります。」

そもそも虫歯をつくらないことが、金属アレルギーを根本的に防げる方法の一つなので、正しい歯磨きを覚えるなど、生活の中で気をつけてあげてくださいね。」


原因物質に「触れさせない」が最善の対処法

最後に鈴木さんは、金属アレルギーになってしまったときの対処法も教えてくれました。

  • 皮膚科に行き、金属アレルギーのパッチテストをする
  • 原因となる金属は、とにかく身につけさせない(触れさせない)

「病院で金属アレルギーと診断されれば、その症状の度合いによって、体内からアレルギー症状を抑える飲み薬や、体の外から腫れやかゆみを抑える薬などが処方されます。医師の指示に従い、そうした薬を使えば、症状は抑えられます。」

とはいえ、一番大切なのは原因となる金属を身につけさせないことだと鈴木さん。


「金属アレルギーは基本的に、大人になったからといって改善されるものではありません。また薬も、あくまで症状を抑えるものであって、根本的な治療につながるわけではないのです。」

「だからこそ、パッチテストで判明した原因物質(金属)をとにかく身につけさせないことが大事。金属アレルギーは皮膚に接触している部分だけに起こるものなので、その金属に触れさえしなければ、この先もずっとアレルギー反応は起こりませんからね。」

アレルギーは一度発症すると、一生の付き合いになるやっかいな症状。金属について親が理解を深め、子どもが触れるものに気をつけることが、わが子を金属アレルギーから守る有効な方法なのですね。

★この記事のポイント★

  1. おもちゃや砂場の砂、鉄製遊具、虫歯治療などが金属アレルギーの原因
  2. 金属アレルギーは接触後2時間〜48時間後に症状が出る特徴がある
  3. 「金属(イオン)+汗+たんぱく質+菌+傷」が揃うと起こる
  4. 原因物質にふれさせないこと、汗をこまめに拭く、虫歯予防などが大切

お話を聞いたのは…

  • 鈴木久子さん

    MASJapan株式会社代表取締役。金属アレルギーを専門とする環境アレルギーアドバイザー。金属アレルギー歴20年という自身の経験を元に、金属アレルギーを発症しやすい物質、アクセサリー以外に気を付けたい製品、金属アレルギーに配慮のある製品が市場に増えるよう啓蒙活動を行っている。また「金属アレルギーがあっても安心、安全におしゃれを楽しみたい」という思いから素材の明確なアクセサリーを提供するネットショップを運営。メディア紹介多数のオリジナル製品「チタンヘアピン」の開発・販売をしている。

  • 金属アレルギー情報室
  • MASJapan株式会社
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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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