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薬剤師直伝! 嫌がる子どもに上手に薬を飲ませるコツ

掲載日: 2017年3月1日更新日: 2017年3月1日衣山 泉

体調や機嫌の悪い乳幼児に薬を飲ませるのは至難の業。子どもが嫌がって口を開けてくれなかったり、薬を吐き出してしまったり、苦労する親も多いはずです。そこで子どもに上手に薬を飲ませる方法を、スギ薬局グループ所属のママ薬剤師・脇田理恵さんに教えてもらいました。

薬の形状、飲むタイミングで飲みやすさは変わる!

子どもが薬を嫌がる理由はいくつかありますが、その1つに「薬の形状」があります。

粉薬(散剤)・シロップ剤・錠剤など薬の形状はいろいろありますが、子どもによって飲みやすさに違いがありますよね。医師または薬剤師に希望を伝えれば、わりと対応してもらえますよ」と脇田さん。

「飲み薬であれば、7歳くらいまでは粉薬・シロップ剤が一般的に処方されることが多いです。しかし5歳くらいになると粉薬の1回量が多くなり、苦手な味の場合は飲ませるのが大変ですよね。その場合は錠剤の方が口の中で味が広がりにくく、飲みやすい場合があります。」

「また、一部の薬には小児用の錠剤やチュアブル錠(口の中で溶ける錠剤)がありますので、粉薬やシロップ剤を飲むのがどうしても苦手な場合や、ある程度の年齢で錠剤を飲みこむことができる場合は相談してみるといいと思います。」

さらに「薬を飲ませるタイミング」も大切だとか。

「『食後』で処方されるケースが多いと思いますが、じつは子どもには食後のお腹いっぱいの状態よりも、『食前(授乳前)』の方が飲ませやすいんです。『食後』で処方される薬でも、『食前』に調整できる場合がありますので薬剤師に確認してみましょう。」

「薬の形状」と「薬を飲ませるタイミング」は薬剤師さんに調整をお願いするポイントですが、それよりも大切なのは自宅での「飲ませ方」。薬の種類別でオススメの飲ませ方を伺いました。


薬剤師がオススメするシロップ剤・粉薬の飲ませ方

飲ませ方にはさまざまな方法があります。どの方法ならスムーズに飲んでくれるのか、いろいろ試してみましょう。

シロップ剤

  • スプーンで飲ませる…子どもの口に入る大きさのスプーンに薬をのせます。無理に一度に飲ませようとせず、量が多い場合には複数回に分けて飲ませましょう。
  • スポイトで飲ませる…動く子どもにはスポイトを使えば飲ませやすくなります。使用後はよくすすぎ、よく乾かしましょう。スポイトは薬局やドラッグストアで購入できますよ。
  • ほ乳瓶の乳首で飲ませる…ほ乳瓶を日頃使っているお子さんにオススメです。薬に水を少量混ぜると、甘すぎず飲みやすいです。低月齢だとスプーンなどを口に入れることを嫌がりますが、慣れているほ乳瓶の乳首を使えば飲んでくれることがあります。薬を飲ませた後は、味が残らないようにしっかり洗いましょう。
  • コップで飲ませる…シロップが甘すぎて飲みにくい場合や量が少なすぎて飲みにくい場合は、少量の水を加えると飲みやすくなります。ただし、加える水が多すぎると全体の量が多くなり飲みきれなくなることもあるので加減しましょう。

粉薬

  • ペーストにする…スプーンの上に薬をのせ、数滴の水を垂らすと上手くペーストが作れます。そのままスプーンを子どもの口に入れ、水やお茶で薬を飲み込ませましょう。頬の内側にペーストを塗りつけるのもいいですね。薬の名前に「ドライシロップ」と付いているものは水にとても溶けやすいので、1滴ずつ水を垂らして調整してくださいね。
  • 服薬ゼリーを使う…粉薬とゼリーを混ぜずに、薬をゼリーでサンドするようにすると薬の味を感じづらくなります。スプーンの上に少量のゼリー、その上に薬、またその上にゼリーと順にのせ、そのまま子どもの口に入れます。それでも嫌がる場合は、先にゼリーだけを食べさせて「おいしいね、これも食べようか」などと声掛けしてから薬入りのゼリーを口に入れると上手くいくことがあります。直後に水やお茶を飲ませ、そのまま薬を飲み込ませましょう。
  • 水に溶かす…小さなコップに薬を入れ、少量の水を加えよく溶かします。「ジュースだよ」と子どもに声掛けして飲ませると、嫌がらず飲んでくれると思います。

【注意】粉薬と混ぜてOKなもの、NGなもの

「薬によっておすすめの食品は異なりますが、比較的多くの薬と相性がいいのがチョコレートやココアです。しかし中には、混ぜることで苦くなったり、薬が効きにくくなるような相性の悪い食品もありますので、相性のいい食品を薬剤師に確認してから子どもに服用させるといいですね。特にオレンジジュースやリンゴジュースは苦味を引き出してしまう可能性もあるため注意が必要です。」

「『子どもが好きな料理だから』とカレーライスやスープなどに薬を混ぜる人もいるようですが、温かいものに混ぜることで薬の効果が下がったり、料理の味が変わって子どもが食べ残してしまう(=薬の必要量が摂取できない)可能性があります。料理に混ぜるのはやめたほうがいいでしょう。」


最大のコツはほめてあげること!

こうした飲ませ方以外にも、子どもへの声掛けなどで気をつけることはありますか?

お子さんががんばって薬を飲んだときはしっかりほめてあげてほしいです。ママやパパにほめられることは、子どもにとってうれしいご褒美ですからね。」

ほめることは、子どもを薬嫌いにしないためにも有効です。「すごい!」「かっこいいね!」とほめることで、次回から薬を飲ませるのが少し楽になるかもしれません。

また、子どもが以前飲まなかった薬でも、次は飲めるようになることもあるそうです。

子どもは味覚に関しても発達途中なので、『おいしい』と言って飲んでいた薬をある日突然飲むのを嫌がることもあるし、その逆のケースもよくあることです。子どもが嫌がってどうしても薬を飲んでくれないときは、一人で悩まずぜひ薬剤師に相談してください。そしてさまざまな服用方法を知って試行錯誤しながら、子どもの飲みやすい方法を探してあげてくださいね。」

小さい子どもは体調を崩しやすく薬を飲む機会も多いため、そのたびにママは苦労しますが、ここでご紹介した方法を参考に、ストレスなく薬を飲める方法を探してみてくださいね。

お話を聞いたのは…

  • スギ薬局グループ

    関東・中部・関西地方を中心に、スギ薬局、ドラッグスギなど約1000店舗を展開するドラッグストアチェーン。スギ薬局店舗には薬剤師がおり、市販薬はもちろん、処方薬も取り扱っている。店舗では健康相談会や美容相談会、育児相談会なども行っている。

  • スギ薬局グループ

ライター紹介

衣山 泉

幼稚園児の娘、フリーライターの夫、2匹の愛猫と福岡在住。旅行も外出も大好きだが、平日は娘のお迎え以外はほぼ家にこもりっぱなしのインドア派なので、体力が追いつきません。ほしいものは、タフな体。余力のある週末には日帰り温泉や蚤の市、焼き物の里めぐりに出かけています。

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