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節税&将来の学費にも! 教育資金贈与の特例【お金と子育て】

マネーのプロが解説する「お金と子育て」の話。第7回は、祖父母などからの教育資金の贈与が非課税になる「教育資金贈与の特例」について。お孫さんにお金をあげるなら、教育資金への用途限定がお得なようです。ファイナンシャル・プランナーの大林香世さんに詳しく解説していただきました。

「教育資金贈与の特例」ってどんな制度?

教育資金贈与の特例は「贈与税を免除する制度」

教育資金贈与の特例とは、具体的にはどのような制度なのでしょうか?

簡単に説明すると、使い道を教育費に限定して、金融機関を通じて祖父母などがお金をあげる場合に限り、贈与税を免除する制度です

「個人からお金などの財産をもらうと、もらった金額の合計が年間110万円を超えたところから贈与税がかかってきます(暦年課税)。ですが、この制度の場合は、その子の直系尊属にあたる方(おじいちゃん、おばあちゃんなど)が教育資金を30歳未満の孫などに贈与する場合に限り、1500万円まで非課税で贈与することができます

贈与税の税率は贈る人・贈られる人の間柄や年齢などの状況で変わるのですが、一般税率の場合、贈与税の税率は10〜55%。もし1500万円だったら、税率は40%〜45%とかなり高率です。ですが、この制度を利用すれば贈与税はゼロ。かなりの節税になります。

「また、おじいちゃんやおばあちゃんの財産が贈与した分だけ減るという見方をすると、未来の相続税対策としても有効です。相続税は、相続する財産の額が少ないほど、税率も低く、税額も少なくなるからです」

なるほど。贈与税と相続税、ダブルで節税になる可能性があるのですね!

「教育費」って具体的には何が対象?

教育費かどうかの見分け方をチェック

節税効果が高いのはわかりましたが、制度を利用するにはどうすればいいのでしょうか。

「教育資金贈与を取り扱っている銀行などに専用口座を作ります。贈与するお金は、そこに一括で預け入れます」

おじいちゃんやおばあちゃん側が行う手続きはこれだけです。ところが、「親御さんはこのあとが面倒かもしれません」と大林さん。どういうことでしょうか。

口座のお金を使ったら、金融機関への領収書の提出が必須になるからです。教育資金贈与は名前のとおり『教育資金としての贈与』ですから、お金が教育に使われたとちゃんと証明しなくてはなりません

また、「それが教育費かどうかの見分け」が難しい場合もあるのだとか。

その出費が教育費と認められない場合は、課税対象になってしまいます

それは大変! では、何がOKで、何がNGなのでしょうか?

「学校や保育施設などの名前で領収書が出るものは認められると思います。一方で奨学金の返済などは認められないですね」

認められるもの一例

・学校や保育施設等の授業料や保育料、入学金、生徒会費、PTA会費、保護者会費など
・通学費用(電車・バス通学の定期代等)
・課外活動費(遠足、部活動、修学旅行等)
・センター試験の受験料

認められないもの一例

・認可外保育施設の一部(都道府県知事や市長による証明書の交付を受けていない施設)、ベビーシッター費用
・学校等への支払い時の振込手数料
・入学願書等の送料
・奨学金返済

例の中で特に注意したいのは、認可外保育施設などを利用している場合です。その費用が教育費として認められるかどうかは、施設の条件によって変わるので、確認した方が良いでしょう

また、この制度には「贈与総額のうち上限500万円までは、習い事や学用品の費用にあてることができる」というルールもあります。その上限500万円枠でOKと考えられるのが、次のようなものだとか。

・各種習い事や塾の料金(月謝、入会金など)
・各種学用品(制服、体操服、通学カバン、教科書、教材等)

ただ、何がOKで何がNGかはとても細かく、ここで全部をご紹介することはできません。詳しくは文部科学省が公開している『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について』という文書内のQ&Aに目を通すことをおすすめします

『教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について』は、ネット上でも確認ができます。

うっかり使い方を間違えたり、領収書を出すのを忘れたりすると課税されることに…。この点は注意したいですね。


魅力は「将来に確実にお金を残せること」

制度を利用するメリットとは?

大林さんによると「この制度の一番良いところは、将来、学費が必要な時期にもし自分が亡くなっていたとしても、教育資金の援助ができるところ」のようです。

「たとえば、まだ小さい孫の大学の学費などを援助してあげたい場合など。大学だけでなく、大学院や留学、ダブルスクールなどの学費にも使ってもらえるでしょう」

そもそも、おじいちゃん・おばあちゃんが必要なお金をその都度払ってあげる場合、贈与税はかかりません。「現在進行形で援助できるなら、この特例を利用しなくても教育費を払ってあげることはできるのです」と話します。

「でも、そのうち、おじいちゃんやおばあちゃんを取り巻く状況が変わる可能性もありますよね。『今のうちに、孫の学費を確実に手渡したい』と思う気持ちが強いのなら、この制度を利用するメリットは大きいと思います

教育資金贈与の特例は、平成31年3月31日までの期間限定の特例です(平成29年8月時点)。

贈与されたお金は、対象の子どもが30歳になるまで、非課税で教育資金として使用できます。ただし、30歳になったときに贈与されたお金を使い切れていなかった場合、口座の残額はその年の贈与税の課税対象になってしまいますので、注意しましょう

まとめての援助を検討している祖父母の方、あるいはそのような相談を受けた親御さん。制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…

  • 大林香世さん

    ファイナンシャル・プランナー 。子どもマネー総合研究会会員。教育系出版社、FP会社勤務を経て、独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。マネー系ホームページ、新聞等へのコラム執筆、FP向けテキスト・問題集の執筆・校閲、セミナー講師、個人相談などの活動を行っている。子育て中でもあり、自分や周囲の経験も参考にしつつ、金銭教育や教育費に関するセミナーも行っている。

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ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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