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子ども預金口座の意外な目的は? 作り方も紹介【お金と子育て】

掲載日: 2017年8月31日更新日: 2017年8月31日岡本有紗

マネーのプロが解説する「お金と子育て」の話。第8回は、「子どもの預金通帳」。お祝いやお年玉などの貯金用、お小遣いの管理用など、さまざまな目的での利用が考えられますが、初めて作るときはどうすればいいのでしょうか。ファイナンシャル・プランナーの大林香世さんに伺いました。

「思い立ったとき」がタイミング

子ども用の預金通帳はいつ作る?

子どもの通帳を作っている親はたくさんいますが、どういう目的で作ることが多いのでしょうか。

「たとえば、成長の節目にいただいたお祝い金などを将来子どもに渡すためにまとめておく、というケースですね。子ども名義の通帳を作っておけば、親のお金と一緒くたにならないので管理がしやすく、本人に受け渡すときもスムーズです」

もうひとつが、「子どものお金教育、または社会勉強といった意味で作る方もいると思います」とのこと。

「お小遣いやお年玉などを通帳で管理させることで、銀行の使い方に慣れたり、金銭感覚を養ったりする目的です。つまり、将来のための練習口座。私個人の考えとしては、こうした勉強のために通帳を作ることは、とても有意義だと思います」

やがては自分で行うお金の管理。通帳を用意することで、勉強の第一歩にするわけですね。それでは、子どもの通帳はいつ作ったらいいのでしょうか。

絶対にここ、というタイミングはありません。お祝い金の管理が主目的なら、生まれてすぐにでも通帳を用意したいと考える親がいる一方、教育目的が大きい場合は、通帳の意味が理解できるくらい成長してからでも十分です。“思い立ったそのときがベスト”という考えでいいのではないでしょうか

必要と思ったら作る、それでOKなのですね。


銀行選びはしっかりと! 必要書類や条件も見落とさず!

口座開設をする銀行の選び方を紹介!

1.口座開設前のチェックポイント

では、いよいよ実際に通帳を作ろうという時期が来たら、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。

ポイントは銀行選びだと思います。将来にわたって使いやすく、親も子どもも管理しやすいようにしたいですね

具体的な判断のポイントは、どんな点でしょうか。

「まずは家から近い銀行、普段の行動範囲から考えてATMが利用しやすい銀行を選ぶべきでしょう」

「設置されているATMの多さや引き出し手数料の安さ、ついでにあまり窓口が混まないという点まで考慮に入れられたら、なお良しです」

手数料などの点からは、ネット銀行も候補に入れて良いということです。とはいえ、地域によっては引き出し可能なATMが限られ、利用しにくい場合もあるので、十分な調査が必要かもしれません。子ども用の「練習口座」なら、通帳が発行されて、窓口のある銀行がよいでしょう。

2.口座開設時のチェックポイント

さて、候補の銀行を選んだら、次はもちろん実際の口座開設です。その際、気を付けることはありますか。

「必要な書類や条件をあらかじめ確かめましょう。子どもと親それぞれの本人確認書類、子ども専用の印鑑、そして入金するお金が主ですが、銀行によっては母子手帳などの提示を求める場合もあります

なお、未成年者の口座開設についての対応は、実は銀行によってかなり違うのだとか。

「多くの銀行では、親による子どもの口座開設を認めています。ですが、『○歳に達した子どもの場合は親だけでは手続き不可』、『親の同意にかかわらず○歳未満の口座開設は一切不可』など、年齢で区切りを設けている銀行もあります。ルールがばらばらなので注意が必要です」

希望している銀行で通帳が作れるのかどうか…。条件を前もってよく確かめて、何度も窓口に赴く必要がないようにしたいですね。


子どもの成長に合わせて一緒に通帳管理を

何歳になったら子どもに通帳管理を任せる?

無事に通帳を作ったら、次は適切な管理が重要です。子どもの通帳ならではの注意点はありますか。

通帳をしまい込んで、そのまま忘れてしまいがちです。長期間お金の出し入れがない口座は『休眠口座』という扱いになり、お金を引き出す権利が消滅してしまう場合もあります。気を付けましょう

休眠口座になるのは、法的には最後のお金の出し入れから5年〜10年が経過した場合だそう。通帳や印鑑を持っていけば、多くの金融期間で引き出しは可能なようですが、特に「子どもが結婚したり住所が変わったりしたあとは、手続きがより煩雑になる」のだとか…。なるべく避けたいところです。

また、子どもに管理させる目的で通帳を作った場合、いきなりお子さんに全部を任せるのは避けたほうが良いそうです。

通帳や印鑑をなくしたり、むやみに引き出したりしてしまうリスクも考えられますので、ある程度の年齢になるまでは、通帳や印鑑の管理は親の手元で行いましょう。

「子どもが『お金を引き出したい』『預けたい』と言ったときに一緒にやってあげる形がいいでしょう」

では、完全に子どもに管理を任せるタイミングは、いつくらいがベターでしょうか?

成長はそれぞれなので一概に言えませんが、中学卒業前後までは親が一緒に管理するほうが安心ではないでしょうか。その後、高校卒業くらいまでに、銀行の使い方や口座の自己管理をマスターしてもらえたらいいのかなと思います

通帳作成は子どもにとって、社会への第一歩なのかもしれませんね。自分の通帳、自分の口座というものになじんでもらうところから、ゆっくり勉強させてあげたいものです。

お話を聞いたのは…

  • 大林香世さん

    ファイナンシャル・プランナー 。子どもマネー総合研究会会員。教育系出版社、FP会社勤務を経て、独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。マネー系ホームページ、新聞等へのコラム執筆、FP向けテキスト・問題集の執筆・校閲、セミナー講師、個人相談などの活動を行っている。子育て中でもあり、自分や周囲の経験も参考にしつつ、金銭教育や教育費に関するセミナーも行っている。

ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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