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「ふるさと納税」簡単解説 方法&控除額&おすすめ返礼品も紹介

掲載日: 2017年12月11日更新日: 2017年12月11日岡本有紗

マネーのプロが解説する「お金と子育て」の話。第11回は「ふるさと納税」。地域色豊かな返礼品で話題になることが多い制度で、気になっている家庭も多いのではないでしょうか。具体的にはどんな制度で、家計にとってはどんな利点があるかについて、ファイナンシャル・プランナーの大林香世さんにうかがいました。

ふるさと納税ってどんな制度?

「ふるさと納税」の概要をチェック!

「ふるさと納税」とは、そもそもどういうものなのでしょうか。

『納税』とありますが、実際は税金ではなく『寄付金』の一種です。もともと『寄付金控除』という制度があり、以前から国や自治体への寄付は寄付金控除の対象でしたが、2008年、都道府県や市町村に対する寄付を対象に特典を拡大した制度がスタートしました。それが『ふるさと納税』です。また、寄付者は寄付金の使い道を指定できるという特徴もあります」

なぜ、このような制度が導入されたのでしょうか。

「今は、進学、就職、転勤などで住む場所を変える方が多数で、生まれ育った地域などに住んで税金を納める方の割合が減っています。ただ、そうした人たちと自治体の双方に、何かの形で出身地など自分の好きな地域に貢献したい・してほしいというニーズがありました」

「そこで、『出身地や愛着のある場所に気軽に寄付ができるように』という考えから、ふるさと納税が制度化されたということです」

自分の好きな地域を応援することができる制度なのですね。ところで、従来の寄付金控除より特典が大きいということでしたが…?

ふるさと納税の場合は、寄付金控除の所得税・住民税を対象とした控除額に加えて、住民税の特例控除額があります。また、寄付した自治体から地元の特産品などの返礼品を受け取れる場合が多いというのが注目ポイントです

寄付を受けた自治体と寄付した自分。お互いにとってうれしい制度というわけですね。


ふるさと納税をするには? その方法と控除額

やり方は意外と簡単なんです!

では、実際にふるさと納税をしたいと思ったら、どうすればいいのでしょうか。方法は以下の通りです。

1.寄付したい自治体を選ぶ

出身地などに限らず、好きなところを選べます。ふるさと納税の専門サイトを見て、返礼品から選ぶ方も多いです」

2.自治体に寄付を申し込む

「申し込み方法は自治体によって違いますが、ふるさと納税専門サイトを利用すると簡単。返礼品を選ぶと必要な寄付金額が表示され、そのまま手続きまで済ませられるところが多いです」

「それ以外の方法は、自治体の公式ホームページや電話などで確認しましょう」

3.寄付金を納める

「指定の方法に従って納めれば完了です。クレジットカード払い、郵便振替、口座振込などの方法から、選択できる場合が多いです。」

なるほど。簡単そうですね。

ふるさと納税ワンストップ特例制度について

「ただし、控除を受けるためには確定申告が必要です。ただ、これも『ふるさと納税ワンストップ特例制度』という制度ができて、確定申告をしなくても控除が受けられる人が多くなりました」

ワンストップ特例が適用されるのは、給与所得者などで、もともと確定申告の必要がない方。また、年間の寄付先が5つ以内である方です。なお、寄付先の自治体に申請書と個人番号確認書類、本人確認書類などを提出して手続きする必要があるので、提出方法などは自治体に確認してください」

「ちなみにワンストップ特例の申請を行った場合、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が翌年度の住民税から控除されます

控除額について

では、具体的にどれくらいの額が控除されるのでしょうか。

「寄付金額、収入、家族構成によって変わりますが、基本的に扶養家族の少ない方、納税額が多い方ほど全額控除されるふるさと納税額は大きくなります

「ふるさとの納税は、納めるべき所得税・住民税について控除を受ける制度なので、収入がなくもともと所得税・住民税を納めていない方が寄付をしても、控除を受けることはできません。また、全額控除されるふるさと納税額には上限額があることも覚えておいていただきたいと思います」

控除額を知るには、どうしたらいいでしょう?

「総務省の公式サイトをはじめ、あちこちのふるさと納税の専門サイトに計算式や事例が掲載されています」

ふるさと納税に特化した専門サイトなら、年収や家族構成などから詳細に計算できるシミュレーションも掲載されていますので、ぜひ試してみてください

総務省:寄付金控除額の金額シミュレーションふるさと納税サイト「さとふる」の控除金額シミュレーションふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の控除金額シミュレーション

子育て世帯におすすめの返礼品はこれ!

返礼品はどれを選ぼうか迷うほど種類豊富!

ふるさと納税といえば、その魅力はやはり返礼品。どんなものがあるのか調べてみると、グルメ系から体験まで、返礼品は本当に幅広くありました。

魚介類、肉

その土地が誇るブランド肉や、産地の魚介類のセットなどです。鍋セット、焼肉セットなどの形になっているものも。選べる種類も多く、人気の高い返礼品です。

農産物

とれたての野菜の産地直送、箱いっぱいの季節の果物などです。メロン、マンゴーなど高級なフルーツも選ばれることが多いようです。

工芸品

たとえば、塗り物で有名な町なら塗りのお椀、焼き物で有名な町から陶器のセットといったもの。普段使いの小物から宝飾品まで、ユニークでバラエティ豊かです。

入場券、宿泊券、体験チケットなど

温泉施設の入場券やペア宿泊券、水族館やミュージアムなどの入場券、特定の飲食店の食事券などです。面白いところでは海での漁体験やヘリコプターの操縦体験などもあります。

大林さんによれば、「以前は寄付金額と変わらないのではと思うような、相当高額な返礼品もあったようです。最近は寄付金額の3割程度が望ましいという総務省の通達もあって、高額すぎる返礼品はなくなっています」ということ。ですが、こうして見ると、お得なものもまだまだたくさんあるようです。

ところで、子育て世帯にとってお得な返礼品を挙げるとしたら、どのようなものでしょうか。

「私のおすすめはお米です。冷蔵庫に入れなくても保存できますし、必ず使う食料品ですよね」

返礼品に「米」がある自治体はたくさんあります。迷ったらとりあえずお米ですね。

もちろん、「果物や野菜をいただいて、良質でおいしいものを子どもに…」とか、「レジャー施設の入場券をもらって、家族でお出かけを」という選択もありでしょう。家族や地域を幸せにできるふるさと納税、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…

  • 大林香世さん

    ファイナンシャル・プランナー 。子どもマネー総合研究会会員。教育系出版社、FP会社勤務を経て、独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。マネー系ホームページ、新聞等へのコラム執筆、FP向けテキスト・問題集の執筆・校閲、セミナー講師、個人相談などの活動を行っている。子育て中でもあり、自分や周囲の経験も参考にしつつ、金銭教育や教育費に関するセミナーも行っている。

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ライター紹介

岡本有紗

2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

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