「そろそろお風呂に入ろうか?」と誘っても「イヤ!」と拒否されてしまう、お風呂嫌いのお子さんを持つお父さんお母さんは多いのでは? 子どもをお風呂入れるべく、毎晩奮闘するのは大変ですよね。そんな悩みを解消すべく、お風呂を子どもにとって楽しい環境にするコツを、風呂文化研究会を運営している東京ガス都市生活研究所の足立さんに伺いました。

「お風呂は限定的な空間で、子どもとの間に妨げるものがなく、一対一で向き合うことができる場所です。お互いにリラックスすることで、心がほぐれてゆっくりと会話できますし、スキンシップと併せて、部屋の中とは質の違うコミュニケーションをとれるのがお風呂の最大のメリットですね。」
テレビやおもちゃなど、子どもの興味がそれるものがないので、親子が向き合う絶好のチャンスなんですね。
「子どもだけでなく大人にも言えるのですが、38℃~40℃のぬるめの温度のお湯に時間をかけて浸かることによって、体の芯まで温まることができます。熱いお湯に5分間入るよりも、ぬるめのお湯に10分間浸かったほうが体にとってはいいんです。昔は、子どもを熱めのお湯に肩まで浸からせて『○○まで数えなさい』という入浴方法がありましたが、むしろぬるめのお湯で半身浴するほうが体にとって望ましいことが分かってきました。」
じっくり入れば半身浴でも体の内側まで十分に温まるので、必ずしも肩まで浸かる必要はなく、「汗ばんでいること」が温まったかどうかの目安になるそうです。
「生活パターンを理解するまで、根気強く習慣づけていくしかないですね。お子さんは特にお風呂が嫌いということではなくて、まだ遊びたい気持ちが強いだけということもあるので、そういうときは『それが終わったらね』とか『あと3回やったらね』など、子どもが気持ちを切り替えられるように予告するといいと思います。」
子どもの気持ちが切り替わるチャンスを見逃さないようにするのが、お風呂場への誘導の近道なのかもしれませんね。
「シャンプーのときに『オニ』や『うさぎ』『ソフトクリーム』など、変わった髪型にして鏡で見せると、お子さんはおもしろがります。お父さん、お母さんも一緒にチェンジすると楽しいですよね。0歳や1歳の小さなお子さんからおすすめです。お話ができる年齢のお子さんだったら、お父さんお母さん自身が泡で髪型を作って『これな~んだ?』とクイズを出してみるのもいいと思います。お子さんの意外な発想力に驚くかもしれません。」
「空のコップの底を上にしてお風呂の中に真っ直ぐ入れると、そのコップの中は空洞になります。お子さんにコップの中に手を入れさせると、『あれ、お湯の中なのにコップの中は空っぽだ!』という不思議な体験ができます。」
「『どうしてなんだろう?』という知的好奇心が湧いて、後々の理科の勉強に繋がるかもしれません。」
「ペットボトルのフタを閉めて、キャップを下に向けて真ん中くらいまでお湯に沈めます。」
「そこで『5、4、3、2、1…』と秒読みして、『0!』で手を放すとロケットのように勢いよく湯船から飛び出します。」
「エンターテイメント性が高いので『もう一回!』とリクエストされることが多いと思います。飛び跳ねたペットボトルが顔にぶつからないように注意しながらやってください。」
紹介した遊びで使用するコップとペットボトルは、そのまま手軽なおもちゃになります。それらを使ってお湯を汲んだりジャーっと流したりするだけでも子どもにとって楽しい遊びになるそう。お風呂用のおもちゃを購入する前に試してみるといいですね。
「せっかくお風呂に入っているので、普通だったら『濡れるから止めなさい!』って言う遊びをやってみるといいと思います。水鉄砲やジョウロなどでお湯をかけ合うのもいいですね。ほかにバストイの中でおすすめなのが、お湯で消せるお風呂用クレヨン。お部屋の壁ではできないけど、お風呂でなら描きたい放題です。」
また、人気が高いキャラクターのお風呂用おもちゃで遊ぶのも子どもの気持ちを盛り上げるために効果的です。
「『入りなさい!』って言っているときのお父さんとお母さんはきっと怖い顔になっていると思うので、子どもは余計に嫌がってしまうのかもしれませんね。『絶対に入らなきゃダメ!』と入浴を強要するよりも、『今日は入らなくてもいいよ』くらいの気持ちでいたほうが親子にとっていいと思います。」
お風呂に入ったときのようなゆったりとした気持ちで構えているほうが子どもに余計なプレッシャーを与えないで済みそうですね。「お風呂はお父さんお母さんと一緒に楽しく遊べる場所なんだ!」という意識が芽生えることで、お風呂好きな子へと変わるかもしれません。お風呂を親子の楽しいコミュニケーションの場にしましょう!

お風呂に入る前に知っておきたいこと
お風呂は濃密な親子コミュニケーションの場
昔から「裸と裸の付き合い」と言われていますが。お風呂でのコミュニケーションは、親子にとって絆を深めることに繋がるそう。「お風呂は限定的な空間で、子どもとの間に妨げるものがなく、一対一で向き合うことができる場所です。お互いにリラックスすることで、心がほぐれてゆっくりと会話できますし、スキンシップと併せて、部屋の中とは質の違うコミュニケーションをとれるのがお風呂の最大のメリットですね。」
テレビやおもちゃなど、子どもの興味がそれるものがないので、親子が向き合う絶好のチャンスなんですね。
お湯の温度は「ぬるめ」が理想的
子どもがお風呂嫌いになる理由のひとつに「熱いからイヤ」ということがあります。大人よりも熱がりな子どもにとっては、ぬるめのお湯がいいのだとか。「子どもだけでなく大人にも言えるのですが、38℃~40℃のぬるめの温度のお湯に時間をかけて浸かることによって、体の芯まで温まることができます。熱いお湯に5分間入るよりも、ぬるめのお湯に10分間浸かったほうが体にとってはいいんです。昔は、子どもを熱めのお湯に肩まで浸からせて『○○まで数えなさい』という入浴方法がありましたが、むしろぬるめのお湯で半身浴するほうが体にとって望ましいことが分かってきました。」
じっくり入れば半身浴でも体の内側まで十分に温まるので、必ずしも肩まで浸かる必要はなく、「汗ばんでいること」が温まったかどうかの目安になるそうです。
お風呂場まで子どもを誘導するには?
では実際にお風呂の時間になったとき。「そろそろお風呂に入ろうね」と声をかけても、子どもは「イヤ!」と言うばかり。どのように誘えばいいのでしょうか?「生活パターンを理解するまで、根気強く習慣づけていくしかないですね。お子さんは特にお風呂が嫌いということではなくて、まだ遊びたい気持ちが強いだけということもあるので、そういうときは『それが終わったらね』とか『あと3回やったらね』など、子どもが気持ちを切り替えられるように予告するといいと思います。」
子どもの気持ちが切り替わるチャンスを見逃さないようにするのが、お風呂場への誘導の近道なのかもしれませんね。
子どもの好奇心を刺激するお風呂遊び
お風呂場まで誘導したら、子どもが喜ぶお風呂遊びでお風呂嫌いを克服させましょう!おうちにある道具を使って簡単にできるお風呂遊びを紹介してもらいました。せっけんの泡でヘアチェンジ
これはもう定番の遊びですが、子どもは必ず喜びます。「シャンプーのときに『オニ』や『うさぎ』『ソフトクリーム』など、変わった髪型にして鏡で見せると、お子さんはおもしろがります。お父さん、お母さんも一緒にチェンジすると楽しいですよね。0歳や1歳の小さなお子さんからおすすめです。お話ができる年齢のお子さんだったら、お父さんお母さん自身が泡で髪型を作って『これな~んだ?』とクイズを出してみるのもいいと思います。お子さんの意外な発想力に驚くかもしれません。」
不思議なコップの実験
2歳~3歳以上の子どもにおすすめなのがコップを使った簡単な実験。落としても割れないプラスチックのコップを用意します。ペットボトルロケット
これも2歳~3歳以上の子ども向け。キャップ付きの空のペットボトルを用意するだけでできます。「ペットボトルのフタを閉めて、キャップを下に向けて真ん中くらいまでお湯に沈めます。」
「そこで『5、4、3、2、1…』と秒読みして、『0!』で手を放すとロケットのように勢いよく湯船から飛び出します。」
紹介した遊びで使用するコップとペットボトルは、そのまま手軽なおもちゃになります。それらを使ってお湯を汲んだりジャーっと流したりするだけでも子どもにとって楽しい遊びになるそう。お風呂用のおもちゃを購入する前に試してみるといいですね。
お風呂おもちゃでモチベーションUP!
「バストイ」で楽しむお風呂ならではの遊び
デパートや子供用品店などのほか、100円ショップでもお風呂用のおもちゃ(バストイ)が数多く販売されています。一緒に買いに行って子ども自身に好きなものを選ばせることで、「コレで遊ぶ!」とお風呂に入るきっかけになることも。「せっかくお風呂に入っているので、普通だったら『濡れるから止めなさい!』って言う遊びをやってみるといいと思います。水鉄砲やジョウロなどでお湯をかけ合うのもいいですね。ほかにバストイの中でおすすめなのが、お湯で消せるお風呂用クレヨン。お部屋の壁ではできないけど、お風呂でなら描きたい放題です。」
また、人気が高いキャラクターのお風呂用おもちゃで遊ぶのも子どもの気持ちを盛り上げるために効果的です。
親も子もストレスにならないお風呂時間を
最後に。どうしてもお風呂を嫌がる子どもに対して接するときは、心にゆとりを持って臨んだほうがいいとのこと。「『入りなさい!』って言っているときのお父さんとお母さんはきっと怖い顔になっていると思うので、子どもは余計に嫌がってしまうのかもしれませんね。『絶対に入らなきゃダメ!』と入浴を強要するよりも、『今日は入らなくてもいいよ』くらいの気持ちでいたほうが親子にとっていいと思います。」
お風呂に入ったときのようなゆったりとした気持ちで構えているほうが子どもに余計なプレッシャーを与えないで済みそうですね。「お風呂はお父さんお母さんと一緒に楽しく遊べる場所なんだ!」という意識が芽生えることで、お風呂好きな子へと変わるかもしれません。お風呂を親子の楽しいコミュニケーションの場にしましょう!