「成長するまではコーヒーは禁止!」と決めているご家庭もあるようですが、一方で同じカフェイン飲料の緑茶は普通に飲ませていることも…。カフェインって、本当に子どもにはあげないほうがいいのでしょうか?
摂取していい年齢は科学的にはわかっていない!?

大人の間では、覚醒作用で知られる“カフェイン”。ただし、刺激物ともいわれるため、子どもにはカフェイン飲料を飲ませないママも多いようですね。
でも、子どもとカフェインの関係って実際のところはどうなんでしょう? 子どもの栄養教育の分野を研究されている帝京科学大学教授・上田玲子先生に聞きました!
「『何歳からカフェインを摂取していいのか』『子どもがカフェインを摂取したらどうなるか』といったことは、倫理的に子どもを対象にした研究ができないため、実ははっきりとはわかっていません。ただし、成人においては多量に摂取したことによる問題が起きています。よって、子どもには与えない方がよいとされていますね」
ちなみに、大人のカフェイン摂取量の目安は、1日にコーヒー約5〜6杯以下。ただ、人種や年齢によっても違い、個人差もあるとか。このため、一般には1日1〜2杯ぐらいがよいとされています。
摂取しすぎた大人の身体に見られるのは、利尿作用や胃痛、不快感など。脳神経系に作用する物質であることから、自律神経に影響するともいわれています。
こういった影響を考えると、詳しく解明されていないとはいえ、子どもたちが成長するまでカフェインを封印するのはよい判断といえそうですね。
家庭で口にする主な飲み物のカフェイン含有量は?
「カフェインが入っているのはコーヒーだけではありません。主な飲み物のカフェイン含量を下記にまとめました。150mlはコップ1杯くらいの量だと思ってください」
「主な飲み物のカフェイン含量」(種類・量・カフェイン量)
- コーヒー(炒り豆・ドリップ)150ml:100 mg
- コーヒー(インスタント)150ml:65 mg
- 紅茶150ml:30 mg
- せん茶150ml:30 mg
- ウーロン茶150ml:30 mg
- ホットココア150ml:50 mg
- コーラ350ml : 34 mg
- コーラ(ダイエット)350ml : 45 mg
- 麦茶・黒豆茶・杜仲茶・ルイボス茶150ml : 0ml
「意外とカフェインの量が多いのがホットココアです。一般的には、幼児期であれば1杯ぐらいなら大丈夫だといわれていますが、これは実証されたわけではなく、実際にホットココアを毎日1〜2杯飲んでいる子どもが少なからずいて、その子たちに特に体への影響がみられないからという意味です」
「緑茶も同様にカフェインを含みます。幼児期のお子さんで多少の薄い緑茶なら問題はないとされていますが、こちらも明確なデータはありません。喉が乾く夏場も、あまり濃いものをたくさん飲ませ過ぎないことが大切ですね」
子どもにおけるカフェインの適正摂取量の範囲がまだ明確にはわかっていないため、どのカフェイン飲料をどのように飲ませればいいかといった情報もほとんどないのが実情だそう。

「その点、カフェインを一切含まないのが麦茶・黒豆茶・杜仲茶・ルイボス茶です。なかでも、日本で多く飲まれている『麦茶』は、たくさん飲んでも子どもの体に影響がないことが実証されているのでおすすめです」
汗をかきやすくなるシーズン、子どもたちの水分補給は何も気にせずごくごく飲める、こうした麦茶やお水にするのが安心ですね。