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プールは本当にダメ? 子どもに多い「水いぼ」の原因&対処法

2018年11月20日飯田友美

子どもの腕や足などにできる「水いぼ」。治ったかと思ったら、別のところに次々と現れて心配になっている親もいるはず! そこで今回は、子どもに多い理由や治療法、本当にプールに入ってはいけないのかなど、水いぼについての正しい情報を東京慈恵会医科大学教授の石地尚興(たかおき)先生に聞きました。

水いぼってどんなもの? 子どもに多い理由は?

そもそも水いぼとは、一体どんなものなのでしょうか。

正式な名称は『伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)』で、天然痘ウイルスと同じポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスによる皮膚のウイルス感染症です」

乳幼児から小学校低学年くらいまでのお子さんに多く見られます。一度、水いぼができて完治すると免疫ができるため、再発することはほとんどありません。そのため、大人には感染しにくいです」

まれに子どもから大人へうつることもあるそうですが、だいたいの大人には免疫があるとのことです。このような理由から、水いぼは子どもに多い病気なのですね。

水いぼの症状&感染経路

では、水いぼの症状はどんなものなのでしょうか。

2mm〜3mmくらいまでの小さな光沢のある丘疹(きゅうしん)ができます。真ん中がちょっと凹んでいるように見えることもあります。痛みなどはありませんが、周囲の皮膚にかゆみがでることがあります

ほかの皮膚のトラブルとの見分けはつくものですか。

「だいたいのものは、皮膚科に行けばすぐにわかります。ただ、あまり小さいと『あせも』との区別が難しいことがあります。わかりにくい場合、以前は水いぼを摘み取って調べていましたが、今はダーモスコピー検査(拡大鏡による検査)をすると、水いぼに特徴的な形が見えるので、摘み取らずにわかるようになりました」

「水いぼ自体は、通常数週間から数カ月で自然に消えてなくなりますが、個人差があるためまれに1年近く続く場合もあります」

水いぼはうつると聞きますが、その感染経路を教えてください。

主に接触感染ですので、子どもの間で広がることがあります。また、かゆさから水いぼをかき壊してしまい、ウイルスが付いた手で、傷んだ皮膚に触ることで、体の別の場所にうつってしまうこともありますね

水いぼは、ウイルスが小さな傷や荒れた皮膚に入り込むことでうつるのだそうです。2〜3個だった水いぼが、いつの間にかどんどん増えていくのは、自分の体の中でうつるからなのですね。

また、アトピー性皮膚炎や乾燥肌などで皮膚が荒れている場合、どんどん増えてしまうことがあるそう。乾燥対策などのスキンケアをすることも大切だということです。


プールに入ったらダメ?

「水いぼがあるとプール禁止」という話も聞きますが、実際にうつるのでしょうか。

プールで感染するといわれていますが、プールの水を介して感染するわけではありません。水いぼは接触感染なので、体が接触する、うきわやビート板、タオルを共用したりするなどして、うつると考えられています

「水いぼができているからといって法規でプールに入ることが禁止されるわけではありません。うつる可能性はありますから、なるべく道具などの共用は避け、プールのあとは体をシャワーでよく洗い流すようにしましょう」

また、患部が赤くなっている、つぶれているなど状態が悪い場合は、ばい菌が入ったり炎症が悪化したりすることがあるのでプールには入らない方がよいということです。

プール禁止ではないとのことですが、保育園や幼稚園、学校、公共施設など、それぞれで異なるルールを設けているのが現実です。

最近では、徐々に水いぼができていてもプールに入ることを容認する方向になっていると思います。ですが、治療しないと入れない場合もありますから、それぞれの決まりを確認して対処することが必要でしょう

水いぼはうつる病気なので、「うつった」「うつされた」というトラブルが起こり得ます。そういったトラブルを防ぐため、保育園や幼稚園などでは治療をしてからでないと入れないように決めているところもあるようです。

「水いぼはうつって当たり前で、そのうち自然に治るので『放っておいてもよい病気』ということが一般的に認められるまでは、その場に沿った判断をするということになるでしょう」

公共の場などでは水いぼをうつされたくないと思う人もいますので、ビート板やタオルなどの共用を避けるなど、うつさないように注意したほうがいいですね。


治療方法は? 注意することは?

水いぼができてしまったら、どのように治療するのでしょうか。

水いぼを一つひとつ摘んで取り除く方法以外には、確実な治療法がないのが現状です。今のところ、水いぼに効く塗り薬や特効薬はありません

「水いぼができてからしばらくは、徐々に数が増えることが多いです。増え続ける期間や数には個人差があってまちまちですが、治療せずにそのままにしていても、通常数カ月から1年くらいすると自然となくなります」

必ず摘み取らないといけないものなのでしょうか。

長期的にみれば自然に治るものなので、医師によっては自然治癒をすすめる場合もあります。摘み取ることは痛みや出血が伴うため、子どもに恐怖心を与えてしまうので避けた方がいい、ということもあるでしょう。ただ、治療しないとプールに入れないなど治療が必要な場合は摘み取るしかありません

最近では、水いぼを摘み取るときに麻酔テープが使えるそうなので、痛みはかなり軽減されるようです。

「治療は麻酔テープを貼った上で皮膚科で摘み取ってもらってください。家で無理に取ろうとすると痛いだけでなく、傷からばい菌が入って傷あとになってしまうこともあるのでやめてください

もし皮膚科で摘み取る場合、注意する点はあるのでしょうか。

「2mm〜3mmまでの普通の大きさの水いぼであれば、傷口は血液検査で採血したあとくらい小さいものですから、1日経てば傷口はなくなります。傷口に雑菌が入らないようにすることや、血が止まっているかどうか確認するくらいで大丈夫です」

摘み取った当日は血が出ることもありますし、ばい菌が入ることもありますから、入浴は避けてください

治療するタイミングはどうですか。

「放っておいてあまり数が増えてしまうと全部摘み取るのは難しくなります。数が少ないうちに摘み取ってしまうのが一番確実です。ただ、本人が気にしておらず、周囲から何か言われる心配もないようでしたら、自然に消えるまで待つという選択肢もあります」

水いぼは、うつったとしてもそのうち自然に治るもの、ということですので、あまり神経質にならずに対応していきたいですね。とはいえ、水いぼがうつることを不快に思う人もいるでしょう。ですから、なぜ水いぼがうつるのかを理解したうえで、まわりに配慮して治療するかどうか考えたいですね。治療するなら数が少ない早いうちがよいようです。

お話を聞いたのは…

  • 石地尚興さん

    1984年京都府立医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学大学院に入学。米国アイオワ大学病理学教室留学を経て1992年東京慈恵会医科大学皮膚科、講師に。2014年からは同大学の教授となり現在に至る。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本性感染症学会認定医、日本皮膚科学会代議員(東京支部)、日本医療安全調査機構評価委員推薦担当者。

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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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