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【プロ直伝】クレヨン&マジック汚れの上手な落とし方&コツ!

掲載日: 2018年12月18日更新日: 2018年12月18日別当 律子

小さな子どもがいる家庭では、気をつけていてもクレヨンや油性マジックで落書きされることってありますよね! きれいに落としたいけど、逆に汚れが広がったりすることもあり、ついつい悩んでしまうもの。

そこで今回は、NPO法人「日本ハウスクリーニング協会」で指導員を務める佐藤嘉浩さんに、クレヨンや油性マジックの汚れを落とすコツや注意点を聞きました。どの家庭にもあるお掃除グッズなどを使った「プロの技」は必見です。

クレヨン汚れは「油汚れ」と同じ! 上手な消し方は?

小さな子どもがいる家庭で多い「クレヨン汚れ」を落とすコツを教えてください。

「クレヨンに限らず汚れを落とす時には、まずその汚れの主成分が何かに注目してください」

一般的なクレヨンは、色をつけるための着色剤となる顔料に蝋(ろう)やワックス、オイルなどが混ぜられています。ですので、クレヨンによる汚れは、分類としては『油汚れ』になります。ですので、汚れを落とす場合には、油汚れ用の洗剤などを用いるのが基本です

フローリングや壁紙など、汚れがついた場所によって、落とし方は異なるのでしょうか?

「材質が異なりますから、汚れの落とし方はそれぞれ異なります。落とし方にもそれぞれコツがあります」

フローリング・ガラス窓・木製の家具

Before:クレヨンで落書きされたフローリング

フローリングにクレヨンの汚れがついた場合は、油汚れを落とすのに適したアルカリ性の洗剤や、油分を落とすための成分が含まれたものを使います。代表的なものに消毒用エタノール、除光液、クレンジングオイル、台所用中性洗剤、アルカリ性台所用洗剤などがあります」

「これらを汚れに直接つけて、歯ブラシでブラッシングした後、濡れたタオルで拭き取れば、汚れはほとんど除去できます」

After:ジェルネイル用リムーバーを使って除去

「木製の家具の場合には、素材の状態によって染みや塗装剥げになる場合があります。まずは目立たない場所に試し塗りをして、様子をみながら作業を進めてください」

ビニールクロス

「消毒用エタノール、クレンジングオイル、台所用中性洗剤、アルカリ性台所用洗剤などを用い、フローリングなどと同様に、歯ブラシでブラッシングした後に、濡れたタオルで叩き拭きすればほとんど除去できます」

Before:畳は歯磨き粉付きの歯ブラシでブラッシング

畳のクレヨン汚れには、手軽なものでは歯みがき粉も便利です。歯磨き粉には微細な研磨剤と漂白成分が入っているため、クレヨンの汚れ落しに有効に働きます」

After:乾いたタオルでふき取る

「歯ブラシに歯磨き粉をつけて、畳の目に沿って優しくブラッシングします。絞ったタオルで拭き取れば、ある程度までの汚れは落とせます」

ソファや衣類などの布製品

Before:布製品には台所用中性洗剤と綿棒を使用

台所用中性洗剤とクレンジングオイルが有効です。綿棒などを使って、汚れの上に洗剤を叩き込むようにつけていきます

After:水洗い後

「汚れが薄くなったことを確認したら、洗剤成分を水で十分洗い流して洗濯機へ。通常通りの洗濯で、汚れはほとんどきれいに落とせます。ソファの場合も、布製であれば水拭き可能です


諦めがちな「油性マジック汚れ」 上手な消し方は?

次に、油性マジックでできた汚れの落とし方を教えください。

「油性マジックは、ほかの物質を溶かす性質を持つ『有機溶剤』を含んでいます。これは、1度素材に染み込んでしまうと除去できなくなってしまう特性があるので、クレヨンよりかなり厄介な存在です」

「ですが、やり方によってはかなり目立たなくできる可能性も高く、諦めずにチャレンジしてみてください。クレヨン同様、油性マジックも場所によって汚れの落とし方にコツがあります」

フローリング・ガラス窓

Before:油性マジックで落書きされたフローリング

消毒用エタノール、除光液、クレンジングオイル、アルカリ性台所用洗剤を用います。フローリングもガラス窓もマジックが浸透する素材ではないので、歯ブラシでブラッシングした後、濡れたタオルで拭き取ればほとんど除去できます」

After:ジェルネイルリムーバーを使って除去

「ただし、ワックスが塗られているフローリングの場合は、ワックスが除去されてしまうことがあるので注意してください」

ビニールクロス

「ビニールクロスは、油性マジックが浸透してしまう素材のため、除光液で多少落ちますが、『完全に落としきることは難しい』というのが正直なところです」

木製の家具

「フローリング同様、油性マジックが浸透しづらい素材でので、消毒用エタノール、除光液、クレンジングオイル、アルカリ性台所用洗剤などを用います」

歯ブラシでブラッシングし、濡れたタオルで拭き取れば、汚れはほとんど除去できます。ただし、素材の状態によっては、シミや塗装剥げが起きるので注意が必要です」

衣類などの布製品

Before:油性マジック汚れがついた布製品

「衣類は成分が浸透しやすい素材なので、油性マジック汚れは落としにくい傾向があります。汚れ落としには、消毒用エタノールやマニキュアの除光液、クレンジンオイルを用いますが、落とし方は基本的にクレヨンと同様です」

クレヨンと違う点は、布製品の下にタオルなどを敷く点です。下に敷いたタオルに汚れを叩き落とすイメージで、除光液などを染み込ませた綿棒などでトントンと、できるだけピンポイントで汚れを狙って叩いていきます

下のタオルに汚れが移った様子

「汚れの上に直接除光液などをかけると、いわゆる『毛細管現象』が起きてしまい、汚れが広がってしまうので注意してください」

After:水洗い後

「下のタオルに汚れを移していき、叩いても汚れがつかなくなったら洗濯します。このとき、液体洗剤などを汚れていた部分に直接つけて、一晩放置してから洗濯すると、よりきれいに汚れが落ちます」

Before:汚れ部分にミョウバンをふりかける

「フローリングなどと同様に、畳についた油性マジックの汚れの場合にも消毒用エタノールや除光液などが有効ですが、実はもう1つ、強力な味方となってくれるものが『ミョウバン』です

うっすらとまだ汚れが残っている状態

「落とし方は簡単で、汚れの上にミョウバンをふりかけて、指の腹でこすります。あらかた汚れが落ちたら、乾拭きをします」

After:除光液で拭いたあと

もし汚れが残って気になる場合は、さらに除光液などで拭くと、よりきれいに落ちます。最後にしっかりと乾いた布で乾拭きして仕上げてください

油性マジックでついた汚れなどは、つい諦めてしまいがちですが、身近にあるものを使って、お金をかけずに意外と簡単に落とすことができます。

なお、除光液などを使用する場合には、部屋の換気には十分に気をつけてください。また、汚れを落とす前には、必ず目立たない場所で素材を痛めないかを確認してから行うようにしてくださいね。

お話を聞いたのは…

  • NPO法人日本ハウスクリーニング協会指導員・佐藤嘉浩さん

    ハウスクリーニングで独立する人への指導や、企業やシルバー人材センターなどで講師を務め、テレビや雑誌への出演も多数。掃除に関する書籍の監修も行っている。主な監修書籍に「15掃除がわが家を変える」(世界文化社)、「かんたんナチュラルおそうじ術」(成美堂出版)など。

  • NPO法人日本ハウスクリーニング協会

ライター紹介

別当 律子

フリーランスの編集者・ライター。出産をきっかけに育児雑誌のライターに転向し、その後子どもとのお出かけ情報を中心に雑誌、本、絵本、web媒体等で執筆。保活、中学受験、部活や留学サポート等々を経験した今だからこそわかる、話せる子育て情報を発信中。

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